見出し画像

先駆者の存在

今日のメジャーリーグのディビジョンシリーズ、ドジャース対パドレスでのダルビッシュ(以下、敬称略)と山本の投げ合いは、非常に痺れましたね。

大谷と松井も含めて、これだけたくさんの日本人が中心選手となって最高峰の舞台で活躍するなんて、私が子どもの頃は考えられませんでした。

バスケでもそうで、マイケル・ジョーダンが活躍していた頃は日本人がNBAに行くなんて夢のまた夢みたいな世界でした。

しかし、田臥雄太が2004年に日本人で初めてNBAにデビューしてから、少し間は空いたものの、渡邊雄太、八村塁へとバトンが繋がれ、今では日本のトップ選手がアメリカのバスケ界に挑戦するケースも珍しくなくなってきました。

それもこれも、やはり先駆者の存在があったからでしょう。

野球で言えば、古くはマッシー村上、そして野茂英雄と、パイオニアがいたからこそ「自分もやってみよう」と思ってチャレンジする人が増えたはずです。

俗に言う「ファーストペンギン」の効果ですね。


ちなみにこれは、受験の世界でも当てはまります。

久しく東大合格者が出ていない、あるいは過去に一人も東大合格者がいない学校から東大生が出ると、後輩たちは刺激を受けて「自分も行けるかも」「やってみよう」という気持ちになり、進学実績が向上することがよくあるんです。

そのため、有名な受験マンガ『ドラゴン桜』の作者である三田則房先生の母校、岩手県の黒沢尻北高校でも、長らくいない現役東大合格者の輩出を目指した「東大励志プロジェクト」が行われています。

力はあるものの、どこか東大を遠い存在だと思って目指さない生徒が多いので、誰か一人でも東大生が出たらきっと後輩たちも続くだろうという、先生たちの切なる思いから立ち上がったプロジェクトです(私も微力ながら少しだけ関わっています)。

最初は遠巻きに見ている生徒が多かったですが、年々「自分も参加したい」という前向きな子が増えていて、去年は残念ながら合格者を生むことができなかったものの、今年も引き続きプロジェクトに関わるメンバー全員が熱い気持ちで東大合格を目指して頑張っています。

一人でも先駆者が出れば、きっとそれに続いて後輩たちの意識が高まって、今のメジャーリーグやNBAのようないい循環が生まれるだろう。そしていつか生徒たちに「あの時に勉強を頑張ったからこそ今の自分がある」と思ってもらえる瞬間がくるだろう。だから自分も出来る限りのことをしよう。

今日の野球の試合を見ながら、改めてそんな風に思ったのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?