飛び込み営業かけられるも提案見送りの「マンション内ミニコンビニ」(マンション共用施設の用途変更⑤)
令和になっても飛び込み営業?!
フロント(※)「理事長。コンビニチェーンのB社が飛び込み営業に来たのですが…」
がすたま「B社?(確かパンで有名な…)」
フロント「そうです。私じゃ判断が出来ないので、理事長が興味を持てばこちらから連絡するように一時対応してますが…」
がすたま「面談の調整をお願いします」(即答)
フロント「…承知しました!」
大規模マンションでは、防災センターに在席している管理会社が売り込みの類はシャットアウトするので、私の耳に入ってくることはまずありません。
また、不動産界隈での格言である「向こうから来る物件は全てク○」という通り、飛び込み営業とは無知な素人をワンルームマンションに沈めるようなイメージがあるわけで、私も普段は相手にしません。
しかし、当管理組合とマンション内ミニコンビニ運営を委託しているA社との間柄は冷え切っており、次回契約更新交渉時にはより条件の悪化が見込まれていること、またミニコンビニ運営は現在の業者以外は全て断られた経緯もあることから、少しでも選択肢が広げられる可能性があるという点で面談の価値はあるだろうということで、フロントさんが配慮して話を上げてきたようです。
私としても、今がミニコンビニとはいえメジャーコンビニブランドなので切り替えは少々厳しそうかなとは思いつつも、この先のA社との厳しい交渉を思えば選択肢や交渉の材料はあった方が良いわけで渡りに船です。
私に寄り添った対応をしてくれたフロントさんには感謝しつつ、それにしても令和になっても飛び込み営業って…会社としてどーなのよと苦笑しながら面談を快諾したのでした。
一般的な企業とは異なる「マンション管理組合」
そして迎えたB社担当者との面談。
相手は20代の入社2年目くらいの若手営業マン。
なお、飛び込んだ理由は、「大きい建物だし、とりあえず名刺を置いておこうかな」…っておいおい…。
気を取り直して、初回面談は私から以下のレクチャーを行いました。具体的には以下の内容です。
・当マンションの紹介(共用施設案内含む)
・マンション管理組合とは何ぞや
・管理組合と管理会社の違い
・マンション管理組合との商取引・意思決定について
前述の内容は一例ですが、このような特性を相手方が理解せずして話を進めても双方で不幸なことになるため、マンション管理に携わっていない一般企業と会話する時には、冒頭にこのような話をして相互理解を促すのです。
まさかの提案見送り!? どうする…?
何度か協議を重ねていたのですが、この「マンション内ミニコンビニ」は提案見送りとなりました。
【見送り理由】
・見込顧客数=居住者だけ(少ない)
・店舗面積=狭い(売れない)
・採算=取れない(補助金が必要。A社と大差ない)
・その他=コロナ禍で採算性が低い新規出店は自粛
飛び込み営業対応から管理組合なんぞやレクチャーまでしたのになんてこったい/(^o^)\
B社上司「この度はお力添えできず申し訳ありません」
がすたま「…(ううーん、これは困ったな…)」
フロント「…」
B社営業「…」
がすたま「…(考えてたら、オナカスイター)」
この話をしていたのが恐らく昼時の防災センターでのことだったと思います。
空腹だった私は、思わずキッチンカーのスケジュールが貼られているホワイトボードに目を向けようとして…ふと1階の図面が目に留まりました。
がすたま「そういえば、店舗面積が狭くて品揃えが少ないのも、提案見送りに影響していると仰いましたよね?」
B社上司「ええ」
がすたま「今よりも3倍近く面積が増えたら…どうですかね?」
B社上司「??」
フロント「??」
がすたま「1階にキッズルームとして開放している場所があるのですが…ここを使えるなら売上上がりますか?」
そう、旧託児所です。
デベが竣工時に設けたものの5年目で不採算を理由に撤退し、その後キッズルーム化したあそこです。
B社上司「再検討はしてみますが、正直なところ厳しいです…」
私の頭には、「財務体質健全化」で管理費を含めた徴収額の大幅増額案を提案したときの理事役員の皆さんの戸惑いを隠しきれない表情、過去の理事長からの内容を含めて赤字財政に対する厳しいご意見書、既存ミニコンビニ運営事業者A社からの塩対応、これらの内容から導き出されるこの先の厳しい成り行きが浮かんでいました。
-何としてでも協議のテーブルに残ってもらわなければなりません…。
がすたま「…外からもお客さんが呼べるように出入口を設けたら?」
B社上司「えっ?」
B社担当「はぁ?」
フロント「ええ?」
今振り返ると、「福利厚生」から「共用施設の有効活用による収益化」への発想の転換は、このやり取りから始まったのでした。
最も、マンション管理組合での共用施設の転換…ましてや外部利用を前提とした店舗化なんてのは先行事例が皆無だったので、フロントさんも「お前は何を言っているんだ?」という表情を浮かべ、B社の皆さんも「一旦は持ち帰り検討します…」と半信半疑。
また、私自身も「どうやってやりゃいいんだろうなぁ」と皆目見当つかずな状態で、この時点では全く現実味はありませんでしたが…。
こうして発想を大きく変えて話が進み始めたのですが、ここからはひたすら壁の間をすり抜けるような日々が続くのでした。
次回作はこちら!(ちょっと間に挟みます)
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