「ここが辛いよ、中古マンション!」~お部屋が良くても申込できないワケ~
最近、中古マンションの内見をしているのですが、お部屋のコンディションが良くて価格も検討可能なものであっても、帰るときには私も妻もテンションが下がってしまうことが多々あります。
その理由は、「共有部分」です。
Twitterで「ここが辛いよ中古マンションの共用部」とつぶやいたところ、あらゆる意味で大先輩であるはるぶーさんから「noteにすりればえーやん」というアドバイスを賜ったので、Tweetを基に編集してみます。
今回は手抜きですw
中古マンションは「歴史」が隠しきれないものだ
ストレートに書けば、まずはこの前提を理解してから内見する必要があります。
「歴史」を感じるポイントは主に「見た目」、「臭い」、「民度」です。
では、具体的にどのあたりで「歴史」を感じてテンションが落ちるのか、代表例をいくつか紹介します。
1. エントランス・廊下が暗い(間引かれた照明)
3.11以降、首都圏のマンションでは照明の間引き運用が見られましたが、今でもやってるのヤバないかい?
ご存じの通りLED化で大きく消費電力は低減でき、内廊下でもなければ間引いても大きな影響はありません。
むしろ、経済産業省すら「無理ない省エネ」を呼び掛けているのに、LED化がすすめられないマンションであることを示しているので、別の意味でヤバさを感じます。
2. エレベーターが汚い・臭う(ヨレたパンチカーペット)
もしかしてそのヨレたパンチカーペット、引き渡し時から設置されているやつじゃないですか?
見た目も悪いし、臭いもなんかするし、たぶん、ダニさんがおるで…。。。
貼るなら貼るで定期的に交換すべきですし、できればダイノックシートのような高級感がある方が奥様の受けは良いと思うのです…。
3. 共用廊下の汚れから感じる築年数
雨垂れだか塗装の剥げだか色々とありますが、古臭く感じるポイント。
定期的に高圧洗浄するなり、大規模修繕では塗装・補修をしてほしい。
お部屋をリフォームしても一歩出ると歴史を感じちゃうの。
著名なマンション管理士であられる深山先生も「資産価値を守る攻めの清掃」をおススメされていらっしゃいます。
4. 「あっ…(察し)」なゴミ庫
定期的に管理員さんか清掃員さんが回収してくれると思いますが、ゴミ袋から溢れた汁等が壁や床に染み付くと臭いはなかなか取れません。。。
また、粗大ごみシールが貼られていないゴミがあったりでゴミ捨て場のルール違反が多いと、そこから民度を推し量ることができてしまいますので、なんとかしてほしいところです。
あの「ご挨拶として指値を入れるのが礼儀」と仰るがりべんさんですら、指値を入れる前に断念するくらいなんです…。
5. 枯れて地面が露出する植栽帯
マンションは「見た目」が重要なのは言うまでもないのですが、 立派なコンクリートの塊を見て坪単価を計算してしまうマンクラの皆さん、植栽にも目を向けましょう。
これ、案外見落としがちなのですが、奥様方からは重要なポイントです。
また、剥げた地面に囲まれてたら少し寂しい気持ちがするだけではなく、植栽補植にお金をかけられないマンションはそれだけ一般会計口の財政に余裕がない可能性が高く、少しマンション管理組合の経営面で危うさが感じられるのです。
6. 目を疑うような掲示物・注意喚起
滲み出る団地臭。隠しきれない苛立ち。高まる民度への不安。
大規模マンションになればなるほど掲示が増えるのは仕方ないのですが、もう少し魅せ方ってあるんじゃないかな…というものが散見されます。
掲示の仕方によってはかなり恥ずかしい例をご紹介します。。。
7. いつまで「使用禁止」!?
大規模マンションだと様々な什器(ソファ等)、備品が点在しているのですが、壊れたまま「使用禁止」等の張り紙がしてあるケースが散見されます。
金がないのか、撤去・補修・買い替えの意思決定ができないのか。
マンション管理組合として財政面か意思決定の問題をはらんでいそうです…。。。
詳しくは私が過去のnoteで事例紹介していますので、ご参照下さいね。
中古マンション購入検討者から弾かれないようにするためには?
こうして書いてみると、中古マンションを内見された方は「あるある」となると思いますし、新築分譲時からマンションにお住いの方は「気づけばうちも該当する箇所があるな…」と思われているかもしれません。
ただ、新築時からお住いの多くの方は中古マンション購入検討者が感じるこのような点に違和感を感じないものです。
これはなぜなのでしょうか。
新築時から放置された不具合・ルール違反は「慣れやすい」
新築時は綺麗な状態で分譲されていますので、些細な傷や破損でもとても目に付くものです。
しかし、そのまま対応されることなく置かれてしまい、2カ所目、3カ所目と傷や破損が増えていくと、最初は気になっていても徐々に気にならなくなってしまうものです。
そう、人は「慣れやすい」生き物なのです。
マンション管理組合として「決める」文化の定着を
少ない私の経験ではありますが、多くの場合は管理員からは管理会社・フロント担当(マンションの担当)には報告が上がっているでしょうし、フロント担当から理事長/理事会には報告が一度は上がっているのではないかと思います。
管理会社は定められた管理規約・細則に基づいて注意喚起や報告は行うと思いますが、注意喚起を超えた対応や、有償での修理・買い替え等の対応は理事会でしかできません。
先のような事例は、恐らくそのアラートを理事会が見過ごしてしまい(よくあるのが「経過観察しよう」となり流れてしまうイメージ)、理事会や管理組合として「決める」ことを放棄してしまったが故に生じているんじゃないかと思います。
マンション売却時に、売主(区分所有者)が出来ることはせいぜい自分の部屋を綺麗にすること、内見を受け入れること、売値を見直すことくらいです。
また、仲介業者が出来ることは客を引っ張ってくることくらいです。
先のような部分は、売主単体や仲介業者がどんなに頑張ってもどうにもならない部分であり、ここで中古購入検討者に弾かれることが続くと、売主は価格を見直さざるを得なくなり、売買価格への影響は避けられないものと思います。
現に、私が内見したいくつかの物件は、坪単価は妥当なものでしたが長い間売れ残り価格改定を複数回行ってました…。
湾岸タワマンのように検討者が多ければそこまで至らないかもしれませんが、購入検討者が限られる近郊・郊外の普通のマンションでは、弾かれるポイントを少しでも減らしたいものです。
先のような事例を防ぐために維持管理をしっかりと行うことは、中古売買のみならず、もちろんお住まいの方にとっても満足度を高められるポイントではないかと思います。
理事会セクターの一員として、世のマンション管理組合(理事会)の皆さんには、ぜひ攻めのマンション管理に取り組んでいただければ幸いです。
私も買いやすくなりますので…!(切実)
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