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RICOH GR IIIx を「M型ライカ使い」が使ってみた。

「武井さん、GR IIIx いいですよ。私買ったんですけど」とは友人の女流写真家の弁。昨日でかれこれ10回ほどそのトークを聴いただろうか。彼女は私と同じライカユーザで、SLやM、Qも使って仕事をしている。そのためほぼ同じような機材で撮ってる私からすると正直、気にはなっていたのだが。

「ビックカメラなら PayPay で買えますよ」が最後に聞いた言葉で、その後有楽町で気絶してしまっていた私は、何故か GR IIIx を握りしめていた。

GR Digital と私

私の会社(MARSFLAG.COM)は日本のほぼ全ての写真機、レンズメーカの公式ページの検索やウェブマーケティングをお手伝いさせていただいている。そんな中でも、RICOH の GRマーケティングの方達とは長いお付き合いで、ITのお仕事以外にも写真家として初代 GR Digital デビュー前後には彼ら彼女らと日本中 15箇所を GRで撮影しまくったりさせていただいた。

しかし、その後 Leica はM10 というそれまでの銀塩Leica Mと同じ大きさ厚みのフルサイズ機を出してきたので、私の写真ライフは M7以降の放浪を終えスナップはM10で固定された。そのため、GR Digital の後継機種達は、。何度か仕事で触れたもののじっくり使う事は無かった。

我が家の一歳児。ライカ同様、GR IIIx は階調豊富、色味が落ち着いておりコントラストが低めなので親しみやすい。

M型ライカ使いにとっての GR IIIx

・スナップシューターとして

GR IIIxには、シャッターを半押しで無くフルプレスすると予め決まった距離(私は2.0mに設定した)で速射出来る機能がある。これは M型Licaに35mmレンズを付けて f4, 2.0m でノーファインダースナップする感覚と極めて近い。

・焦点距離

M型ライカユーザに最も人気のある 35mm と 50mm の丁度間の、換算40mmを積んだ GR IIIx の焦点距離は単焦点だがまったく問題にならないだろう。

・色味

GR IIIx もRAWでしか撮っていないが、あれ? RICOHってこんなに地味でアンダー目の絵を出すんだっけ?という感じである。これはライカの絵と親和性が高い。

淡い色と自然なボケが凄い。40mm は大正解


・不便さが気にならない

プロのサブ機としては起動に少し時間が掛かるが、最新の Leica M10-Rより全然速いので、ライカユーザは全く気にならない。もっともボディだけで100万円以上もするカメラ Leica M10シリーズの起動が遅すぎるという話もあるが・・・

GR IIIx はズームも出来ないが、レンジファインダーユーザなら当たり前なので気にならない。
GR IIIx には内蔵スピードライト(ストロボ)が無いが、M型ライカユーザには元々無縁だ。
GR IIIx のAFは抜群とは言えないが、M型ライカユーザには元々無縁だ。AFなんて付いてないから。GR IIIx のMFはそこそこしやすいし

まとめ

軽量コンパクト、地味で装飾の無い簡素なボディ、高画質、要らないモノは徹底的に割り切って排除、現代的な「映える」絵では無く、質感に迫ろうとする絵作りと M型 Leica に重なる部分が多い GR IIIx だ。
ちなみに、この note を書く前に日本最大のLeica コミュニティの管理人F氏に GR IIIx いいよー、と言ったら「Mを使わなくなってしまうのが怖い」との弁。
た・し・か・に

※ トップの写真は GR IIIxをフルマニュアルにして、ISO100で夜景を撮った。Gitzoの重量級三脚にガッチリ固定してリモートシャッターを慎重に切ったものだ。こういう使い方もアッサリできるところが、GR Digital は写真が本当に好きな人向けに創られていると感じる部分だ。





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