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白いカラス(1)  ーはじめに(自然科学と社会科学)ー

今回から、10回ほどのシリーズ仕立てにして、ぼちぼち書いて参りますので、時々、覗いてやってくださいな。

仲良しのえんちゃんの記事。

https://note.com/keigo_kyousitsu/n/n54cc4fd9eaa1

この記事に対して、オイラは「議論が重要」と指摘しました。


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国民レベルでは、こんなほんわかしたやり取りでいいですが、相手がプロとなれば、オイラの見る目も厳しくなります。


改憲反対派の立憲民主党の奥野さんとやらが、こんな発言をしています。
「ロシアより許せないのは今の与党だ。どさくさ紛れにウクライナ問題をダシにして改憲に突き進もうという姿勢を許す訳にはいかない」

これって、表現の自由を主張したいの(笑)? それとも、「自民党は侵略国家より悪い」って妄想ですか? 
「どさくさ紛れに」って、「考えが抜き取られるという体験(=妄想)や、他人から考えを吹き込まれるという体験(=妄想)でも、おありなので?」。


同じく、立憲民主党の田島さん。
「難民を受け入れると国が豊かになる。もっと難民を受け入れなければならない」「難民は多くの異なった経験を持って日本にやってくる。そのことで受け入れ国に貢献し、豊かにする」とし、ウクライナ難民以外、受け入れろと。

老婆心ながら、ウクライナの場合は難民ではなく、避難民です。
これは、言論の自由? それとも、政府の転覆願望の表れ(笑)?

ご本人たちは、自覚がないようですが、気分や行動、人間関係などに良からぬ影響が出る原因を知るには、国会より病院がオススメですよ(笑)。

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これまで、立憲民主党や共産党の体制的なイデオロギーとされ、正面から異を唱える者のほとんどいない通説的主張となっていたのが、憲法9条

5月8日のえんちゃんの記事。

https://note.com/keigo_kyousitsu/n/n865866c88440

今回は、「議論が必要だ」と言ってくれたので、ホッ(笑)。

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野党の議員になる人には糠に釘かもしれませんが、理論と現実との整合性を調べるには2つの方法があるんですよ。
帰納法演繹法の2つがね。

まずは、帰納法。

精神分析学や考古学は帰納的な証拠を積み上げ、皆が認める理論を作り上げていく = 帰納的一致が基本です。

でも、ポストホックな理由付け(事後解析)によって、一見すると正しく思えるのですが、その実(科学的には)まだ証明されていない命題になり下がることも。
つまり、見えないものが見えてしまう可能性(帰納法のワナ)があるということであり、特定の現象にもっともらしい理由を考えるのに悪用されることがあるんです。

後付けの理論化を便宜上ポストホックと略して呼んでいますが、正式には事後解析

post hoc analysis(事後解析):収集済みのデータを利用し、事前に予定していなかった(新たな)目的のために、新たな解析を行うこと。

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よって、科学的に好ましいのは、帰納法より演繹法なんです。

ちなみに、科学者が論文を書こうとする際には、まずは仮説を立てます。
その上で、データを収集・観察し、検証・分析を行って、一時的な同意が得られる結論を得るという流れ(= 仮説演繹法)。

なんだ、一時的な同意かって、思わないでくださいよ。なぜなら、科学哲学者 カール・ポパーが言うには、反証可能性が「科学」と「非科学」とを分類する基準になるってことですから。つまり、この後でひっくり返る可能性を残すのが重要ってこと。

反証可能性(falsifiability):誤りをチェックできるということ = トライ&エラーできること。

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憲法9条について考えようとする時、自然科学のように、厳密なデータに基づいて議論することは困難であり、社会科学として向き合うことになります。

社会科学での一般化は自然科学ほどの厳密さを要求されません。
なぜなら、外部から邪魔をする要素や条件(ノイズ)の存在があり、ノイズが違えば、結果は大きく異なるから。要するに、外部ノイズによって理論値からのズレ = バイアスが生じるってこと。


アメリカから憲法を押し付けられた時代と今とでは、憲法9条の成立条件は変化しているわけですし、ウクライナ侵攻という新たな知見が加わったわけですから憲法も手直しされて当然です。

それを、枝野さんのように多数決を否定したり、その配下の者が意味不明な発言をするってのは、いかがなものでしょうか(笑)。

最初から、憲法を全肯定するのでも、全否定するのでもなく、先入観なく、冷静に考えてみませんか?

できるだけ論理的に考え、議論することで、手直しされた憲法9条 = シェイプアップされた憲法9条にできたら、国民が安心して暮らせる日本になるのではないでしょうか。

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