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藁(笑)の人

SNSが普及し、様々な情報がネット空間にあふれています。フェイクニュースだけでなく、投票の誘導や他者への攻撃など悪意を含むものも少なくありません。



言論の自由について質問されたタリバン広報担当:「その質問なら、検閲やりながら言論の自由を訴えてるFacebookみたいな米企業に聞いてみろ!」。
マスコミ:正論にだんまり(笑)。

薬物捜査のために容疑者を殺害すると公言するドゥテルテ政権の批判を続けてきたフィリピンのオンラインメディア「ラップラー」の最高経営責任者(CEO)マリア・レッサ氏がノーベル平和賞を受賞した。
ノルウェーの首都オスロでの受賞式で演説したレッサ氏は、「事実、真実、信頼がなければ現実を共有することができず、民主主義も成立しない。気候問題や新型コロナウイルス、真実との戦いという世界の問題に対処できなくなってしまう」と訴えた。
さらに、レッサ氏はFacebookが、噓や怒り、ヘイトを拡散していると名指しで批判。
日経新聞


「だが、ちょっと待ってほしい」


ちなみに、この「(だが、)ちょっと待ってほしい」というフレーズ、朝日新聞の得意とするところでありまして、今まで提示された事実から導かれる結論をひっくり返そうとする時に使う常套句(笑)。



オールドメディアだって facebook なんぞに負けちゃいませんよ。連日、詭弁を弄してばかりの人を引っ張り出して、人心を惑わそうとしているんですから(笑)。

テレビに出ずっぱりの橋下徹氏とウクライナ出身の政治学者グレンコ・アンドリーさんとの白熱議論。アンドリー・グレンコさんは、ウクライナ人で国際政治学者、日本研究者。

アンドリー「ウクライナとロシア間に妥協点を作るのは難しく、戦況が今後の交渉に影響を及ぼす」と主張。

橋下「その間にどれだけのウクライナの人たちが命を失うのか」。
「祖国防衛。そこで命を落とすんだって状況になってしまうと、国外退避することが恥ずかしいことだ、やっちゃいけないことなんだ、売国奴なんだっていう批判を恐れてしまう」 。

アンドリー「もし、ここで降伏して、ロシアに全土を占領されたら結局、犠牲者が増えるだけ」 。
「20年後、ウクライナ人残りますか、という話です。ロシアの支配を受けて」 。



「だが、ちょっと待ってほしい」


橋下徹さんよ、お前はストローマンか(笑)。

ストローマン(straw man):議論において、相手の主張を歪めて引用し、その歪められた主張に対して反論するという誤った論法。
これは論点のすり替えにあたり、意図的におこなっていれば詭弁である。
ストローマン手法藁人形論法案山子論法かかし論法)ともいう
倫理的に問題のある行為を抑止する場面などで多く使われる藁人形論法の一種に、滑り坂論法がある。
Wikipedia


https://note.com/gashin_syoutan/n/n9dedb27be99f

要するに、思考停止を起こさせるような詭弁、論点のすり替えの類がストローマンですよ、ストローマン。


Aという行為
に踏み出すと

「その間にどれだけのウクライナの人たちが命を失うのか」= 類似の行為が連鎖的に行なわれ

「祖国防衛。そこで命を落とすんだって状況になってしまうと、国外退避することが恥ずかしいことだ、やっちゃいけないことなんだ、売国奴なんだっていう批判を恐れてしまう」 = だから、Aという行為を行うべきではない
という論法です。

橋下さんの言う Aという行為とは、「ロシアに反抗する」です。

だから、ロシアに反抗せず、全ウクライナ国民を10年から20年ほど国外に退避させて、その後に国へ帰ってからウクライナを再建したらいい、という結論になるってわけ。

一見、平和を訴えているように思いますけど、狙いは別のところにあります。


国民国家は、法的・政治的に共通・平等の市民権を与えられた市民の政治的共同体です。そして、国民というものは国境の内部に定住することによって形成され、領土によって保護されているのです。

橋下徹さんに聞いたわけじゃないですけど、きっとハンナ・アーレントなんて聞いたこともないんだろうなぁ(笑)


1942年7月22日 ゲットーから絶滅収容所への大規模な移送開始。でも、ナチスが恐れていた、抵抗は起こらなかった。ポーランド地下組織の警告のビラを無視して、2~4万のユダヤ人が進んで移送に協力した。
住民は恐怖と希望の間に囚われていた。しかし、自分は措置の対象にならないとか、ある者は『立ち退き』は単なる移住に過ぎないと高を括っていた。

その時、橋下さんはTVに出ていなかったのですが、ユダヤ人は抵抗より幻想を選んだのです。

ナチスは幻想に基づく期待と恐怖を利用し、ユダヤ人を分断しつつ、移送を進めた。

結局、幻想は破壊されたのだが、ユダヤ人の抵抗は起きなかった。

闘争組織が形成され、武器を手にする様になったのは、ゲットーにいた50万人が4万人になってからのこと。
彼らはユダヤ人として攻撃されているのに、他人の同情に依存した無防備で丸裸の人間であり、ユダヤ人として反撃することはできなかった。

つまり、

国を奪われた人となったら、人間としての権利も保護も奪われた存在であり続けるしかないってことです。



アンドリー・グレンコさんの憶測:

ウクライナは降伏しろと叫び続ける人。こういう人にとってはウクライナはどうでもいいはずなのに、なぜ必死なのか? 
もしかして、本当の目的は今のうちに日本に降伏主義を広め、いざという時に「日本は降伏しろ」と叫ぶため? 
いつか「日本人はヨーロッパやアメリカなど安全なところに逃げればいいんですよ。後20-30年したら○○主席が死ぬのだから、その時、戻ってやり直せばいいじゃないですか」って言ってきたら、恐ろしいですね
アンドリー・グレンコ


殺害の脅迫を受けた人が「逃げ道として自殺を勧めるよ」って言う友人を信用してはならないように、日本人は「集団的な安全を守る最も確実な方法は集団的に自殺することだ」と説得する「偽の国民」を信用してはなりませんぞ(笑)。


ストローマンよ、世間の人はあなたのことを藁(わら)の人ではなく、(笑)の人=嘲笑の的と思っていますよ。


以下は、暇があれば読んでみてください

手をこまねいていれば誰かが助けてくれるという幻想

「わが国は『核廃棄の代わりに安全を保障する』という友好国のウソを信じてしまった。たとえ友好国や同盟国だとしても、他国の言葉にすべて従う国は滅びるのだ」・・・実際の交渉においては、ロシアはもちろん、英米も不誠実であった。様々な形での保障が検討されたが、英米露が考えたのは・・・ウクライナには「自国の安全が国際的に保障される」と思わせなければならないが、仮にウクライナの身に何かがあっても、安全を保障した国々には何の責任も持つ義務がないような内容にしなければならない。・・・英米はウクライナの核兵器をなくすことには必死であったが、ウクライナの運命そのものにはほとんど興味がなかったからだ。本音では、ウクライナがどうなろうが、当時の英米の指導者にとってはどうでもよかったのだ。言葉の上では「ウクライナに十分な保障を与える」という点が何度も交渉において強調されたが、この発言は形式的な外交上の儀礼にすぎなかった。・・・・当時のウクライナの指導者や外交官があまりにも無能であったので、ウクライナは英米露の「詐欺」に引っかかってしまった。この一見、安全を保障する合意に映るが、実質は何も保障しない代物の名称は「ブダペスト覚書」(英語名はBudapest Memorandum)、正式名称は「核不拡散条約の加盟に際し、ウクライナの安全保障に関する覚書」である。
1994年12月5日にハンガリーの首都ブダペストで、アメリカのクリントン大統領、イギリスのメージャー首相、ロシアのエリツィン大統領、ウクライナのクチマ大統領によって署名されたものである。国際関係において、法的拘束力のある国際条約ですら破られることが多々ある世界の中で、「条約」よりずっと弱い、最初から拘束力のない「覚書」など、守られるはずがない。・・・・中身も、明らかな詐欺そのものであった。・・・・
アンドリー・グレンコ

「手をこまねいていれば誰かが助けてくれるという幻想」ってタイトルはオイラが勝手につけたので、誤解なきようお願いします(笑)。




同じくノーベル賞を受賞した、1993年にロシアの独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」を立ち上げたドミトリー・ムラトフ氏は受賞後のスピーチで「世界は民主主義に愛想を尽かし、エリートに幻滅し、独裁に手を伸ばしている。人権自由ではなく、技術や暴力によって進歩が達成されるという幻想が生まれている」と述べた。
ジャーナリストの役割について、「私たちの使命は事実とフィクションを区別することだ」と強調した。
ロシアについては「権力は戦争を推し進め、人々は戦争を受け入れることに慣れてきている。ロシアが展開したハイブリッド戦争などでウクライナとの関係が破壊された」と批判した。
国家のあり方について、「現代の主な問題は、国家のための人々か、人々のための国家かということだ。ロシアでは刑事事件を装った政治的弾圧が行われている」と強権国家の台頭に懸念を示した。
ロシアのメディアの状況については「暗黒の時代を迎えている」とした。「政府はメディアや個人を(国民の敵を意味する)外国の代理人に相次ぎ指定した。ジャーナリストが海外脱出を余儀なくされている」と厳しい見方を示した。
日経新聞




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