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哲学・道徳(倫理)

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#小論文を学ぶ

不道徳な地上の楽園

不道徳な地上の楽園

辟易(へきえき):中国の歴史書『史記』に出てくる言葉。「道を避けて場所を変える」が転じて「相手を恐れ逃げる」という意味に。さらに「たじろぐ」⇒「閉口する、うんざりする、嫌気がさす」となりました。

ドイツの G.イェリネクによれば、「法は最小限の道徳」。つまり、「道徳 > 法」であり、法に触れなければ何をしても許される訳ではない、ということです。
具体的に言いますと、「約束を破る」「他人のモノを盗

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ローレンス・シルバーマン(2) ー  ブラジャーよさらば !ー

ローレンス・シルバーマン(2) ー ブラジャーよさらば !ー

オイラが中学生の頃(1960年代末)なんて、アメリカがベトナム戦争にのめり込み、フランスでは社会変革を求める5月革命が、そして日本では全共闘運動が暴れるという物騒な時代。

70年代、マス・メディアはオイラたちの気質を、無気力・無関心・無責任の三無主義と呼び、オイラたちの世代を無共闘世代とかしらけ世代と呼びました。

でも、もし洒落た言い回しがしたいのなら、過激を好まない穏健世代、あるいは中庸(ち

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ローレンス・シルバーマン(4) ー 合成の誤謬(ごびゅう) ー

ローレンス・シルバーマン(4) ー 合成の誤謬(ごびゅう) ー

一人一人が合理的に行動したら、世の中は良くなる?
       ◇      ◇      ◇      ◇

「小論文を学ぶ」の75ページ。・・・・・要素に還元して考えたことがそのまま全体では成り立たないということは経済学でも起こる。たとえば「倹約のパラドックス」というものがある。・・・・「倹約」が個人レベルでいかに有効な手段だとはいえ、それを全体に押し広めて皆が「倹約」に走るとどうなるだろう。

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中心化の論理~ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて

中心化の論理~ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて

子どもが聞きました「改心ってなあに?」
親が答えました「あっちからこっちへ来ることだよ」
子どもが聞きました「裏切りってなあに?」
親が答えました「こっちからあっちへ行くことだよ」

昔、何かで読んだ話です。今回でようやく私の「ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて」も最後になります。庵忠名人、ありがとうございました。

寄らば大樹長尾達也氏の言う「中心化論理」をまず私なりに解釈してみましょう。

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小論文を学ぶ 2021.04.05

小論文を学ぶ 2021.04.05

最近、投稿する記事が長くなってしまい、読む前に吐き気をもよおす人が増えているとの情報をつかんだので、路線を修正することに(笑)。

次に投稿する記事の見栄えをよくするために、「小論文を学ぶ」の引用部分を別建てに投稿することにしました。

後日、投稿する記事にこの記事の URL を貼っておくので、理解を助けるのに利用ください。

これだけ読んでも、「なんじゃこりゃ」 by 松田優作  になっていまい

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ローレンス・シルバーマン(3) — 痴と知 —

ローレンス・シルバーマン(3) — 痴と知 —

今日はエープリルフールの日。

「痴」は意外にも、「書痴」のように「物事に執着して夢中になる」という意味で使われることがあります。でも、イの一番に頭に浮かぶのは「頭の働きがにぶい、思慮分別が足りない、ぬけている、おろか」。

    ◇       ◇       ◇       ◇

「小論文を学ぶ」の188ページから。

教育がなくとも人間は生存できる。あるいは事実の認知活動をすることはできる

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ローレンス・シルバーマン(1) ー 論理的推論 ー

ローレンス・シルバーマン(1) ー 論理的推論 ー

これから何回かに分けて、ローレンス・シルバーマン連邦高等裁判事(85歳)の主張の前フリの記事を投稿しちゃうことにします。なぜって、それはオイラの思考回路を理解してもらうため(笑)。

      ◇     ◇     ◇     ◇

英語の induction は「duc-」「 duct-」(ラテン語の「ducere = to lead(導く)に、接頭辞の「 in(中に、上に)」 が付いて帰納

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