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ノールビンドニングでブーティを作る その2

糸をつなぐときにロシアン・ジョインを使ふ、と最初に書いた。
ロシアン・ジョインとはこんな感じのつなぎ方をする(リンク先はYoutube)。

なぜこんなことをしなければならないのか。
それは、ノールビンドニングは針を使ふ手芸だからだ。
ノールビンドニングの針は縫ひ針を大きくしたやうな感じだ。
専用の針がない場合は、あみものの極太毛糸用のとぢ針を使つてもいいといふ話も聞く。
実際、自分も気がついたらとぢ針でノールビンドニングをしてゐたこともあつて、我ながらびつくりした。

縫ひものをするときのことを考へてみやう。
まづ扱ひやすい長さに糸を切る。
その糸を針に通す。
そして縫ふ。
ノールビンドニングでもおなじやうにする。

違ふところは糸が足りなくなつたときの始末だ。
縫ひものの場合は縫へるところまで縫つて、糸を止める。
適切な長さに切つた糸を針に通して止めたところから縫ひつづける。
糸と糸とをつなぎ合はせることはしない。
する必要もないだらう。
なにかしら布地を使つて縫つてゐるからだ。

縫ひものでも刺繍の場合は糸を止めるときに、といふか、止めないでそのままある程度の長さを残しておき、あとで縫ひ目をくぐらせてわからないやうにすることもある。
ノールビンドニングの場合もさうしてもいいとは思ふ。
たださうすると大量の糸始末が必要になる
それが苦ではない人はそれでもいいのかなと思はないでもない。

『はじめてのノールビンドニング』ではこんな風な指示が書いてある。
糸を適切な長さに引きちぎる。
その糸を針に通す。
そしてノールビンドニングをする。
糸が足りなくなつたら、また引きちぎる。
糸端と糸端とを撚り合はせて、針に通して続ける。
実際にノールビンドニングとはかうして糸をつなげて行ふものなのだらう。

だが、これだと糸を選ぶことになる。
まづ毛糸でないとむつかしい。
綿のレース糸だと無理なんぢやないかなあ。
だつて毛羽立たないぢやん。

撚り合はせるにはある程度毛羽立つものがいい。
毛羽立つた毛と毛とがからみ合つて拠りが落ち着くからだ。
『はじめてのノールビンドニング』にも手で引きちぎるわけは毛羽立つて撚り合はせやすくなるからだと書いてある。

ブリティッシュエロイカは甘拠りだといふが、残念ながらやつがれは手では引きちぎれなかつた。
だつたら、切るときははさみを使つて、ロシアン・ジョインでつなげばいいぢやん。
これができるやうになつたら、ノールビンドニングに使へる糸の種類がぐつと増えるし。
思ひついた時点では、ロシアン・ジョインはやつたことがなかつたんだけどね。

リンク先を見ていただければ一目瞭然ながら、ロシアン・ジョインは糸に糸を縫ひこむ必要がある。
生来不器用なやつがれにとつてはとても厄介で大変だつたが、なんとかブーティを一足作ることができた。
そして、これでノールビンドニングに用ゐることのできる糸も格段に増えた。

その後、世の中にはおよそ毛羽立ちさうにない素材の糸をノールビンドニングに使つてゐる人がゐることを知る。
どうしてゐるのか、訊いてみたいなあ。

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