365日でたった12回
1年は365日ある。
そのうち妊娠できるチャンスは最大でもたった12回しかない。どんなにあがいても12回だけだ。
しかも、その12回は自分で日程をコントロールできない。ホルモン周期によって体が勝手に決めてしまう。
そのうえ、1回ずつ確実に卵子も精子も老化していく。妊娠率は下がり、流産率は上がる。やがて卵子の数が底を尽きれば、妊娠できる可能性がゼロになったことを意味する。
この事実があまりにも重い。
高校球児が一球入魂するように、私は1回1回のチャンスに人生をかけている。不妊治療しているから、魂だけでなく、体もお金も犠牲にしている。そんな私にとって、この1回がどれほど貴重か。
でも、世の中にはこの1回の重みをそこまで感じることなく自然妊娠に至る人が大勢いる。
同じ1回なのに。どうしてこうも違うのかな。
12回のチャンスにもう3年間しがみついている自分と、あっさり1回で授かっていく人たち。
比べても仕方ないけれど、みんなが遠くの世界にいるような。遠くの街の賑わいを離れ小島からひとり眺めているような。
・・・孤独とのたたかい。
そんなときベランダに出る。
よく考えたら花が開花するチャンスも限られている。四季咲きなら1年に4回、一季咲きなら1年に1回だけ。
花も少ないチャンスの中で精一杯がんばっているんだよね。
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