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デザイナーさんを採用したい。そのためにやったこと、考えていること。


1月、デザイナーチームに新メンバーが加わりました。


私がチームリーダーに就任したのは2017年3月。それ以来、本社では6人目の新しいデザイナーさんです。

私たちは、業界内でも決して知名度が高いとは言えないチームです。
それでも、さまざまな採用施策を経て、応募してくださるデザイナーさんが年々少しずつ増えてきて、応募者さんから「御社の実績が好き」と言っていただけることも増えました。


2020年現在、「デザイナーが採用出来ない」と悩むチームは多いと思います。
例に漏れず、私たちもデザイナー採用は一筋縄では行かず、色々と試行錯誤してきました。

今回はそんな中で取り組んできた施策を紹介たいと思います。  


01 既存の求人の見直し


私がデザイナーのチームリーダーに就任したのは、2年弱もの間、デザイナー経験者が採用出来ていないというタイミングでした。

そのため先ず最初に取りかかったのは既存の求人の見直しです。

・①会社の情報(特に実績)のアップデート
・②求人のカバー画像の変更
・③求人内容のブラッシュアップ

①会社の情報(特に実績)のアップデート

当時、求人サイトの運用が全くできていなかった弊社。。。
外から見ても、コーポレートサイトと照らし合わせれば運用が出来ていないのがバレバレになるので直ちに内容をアップデートしました。

また実績については、当時の私はとある目的からブックマークサイトへの実績の投稿を続けて1年くらいになっていて、いくつかの実績が実際に掲載されるようになっていました。
しかし一方、当時のコーポレートサイトでは十分に実績の訴求ができていませんでした。
そこで上長の許可を取り、求人サイトの中だけでも実績を充実させました。
これは、後述する別の施策に影響を及ぼします。

②求人のカバー画像の変更

当時使用されていたカバー画像は、若手のGood Lookingな社員2名がアップで微笑んでいる写真でした。
うーん…確かにイケメンと美女だが、2人ともあまりに若い…!!そのため、あまりクオリティの高いものを作っている会社には見えません(→ 経験者さんからの応募が見込めないと予想)でした。。。

カバー画像も、求人サイトに合わせて制作実績の画像もしくはオフィスの様子が良く分かる引きの写真に変更しました。

※ちなみに以前、Twitterでどんなサムネ画像の求人に惹かれるかアンケートを取ったところ、制作実績やオフィスと答えた方が多かったです。


③求人内容のブラッシュアップ

まず業務内容について、就業後の業務イメージ付きやすいような、具体的な表現に直しました。
次に、求職者さんへの要求レベルも見直しました。
「必須スキル」「歓迎スキル」的なやつですね。
あまりにレベルの高いデザイナーさんを求めすぎていないか…?!もしくは、そのように見えていないか確認しました。

また、それまで1つだったデザイナー募集を、一般デザイナー募集と、チーフ候補募集の2つに分けました。
チーフ候補募集は、給与の提示額も本気度が伝わるものに…!!

のちのち、このチーフ候補募集がまた別の採用に繋がることになります。


02 求人媒体でのスカウト


さて、求人を見直した後も、応募者さんが現れるのを黙って待っているわけにはいきません。
このときはMOREWORKSさんを利用し、デザイナーさんのスカウトを試みました。

すると1名「この人は絶対にウチに合う!!めちゃくちゃ活躍してくれるイメージが湧く!!」というデザイナーさんを発見し、即スカウト。

連絡を取ってみるとそのデザイナーさんは、先ほど充実させたばかりの弊社実績をご覧くださり、しかもその中のひとつの実績をブックマークサイトで知っていてくれました。

そんなことから話がはずみ、突然のスカウトにも関わらず、その方は面接に来てくださいました。

その方は他に何社も内定を取っていらっしゃいましたが、内定通知時にラブレターをお渡ししたりもして(後述します)、無事内定承諾いただきました!!やったね!!

デザイナー採用施策に本気を出してから、はじめての入社者さんです。


03 リファラル採用

さて、デザイナー採用を本気でやっていることは、社内メンバーにも周知し、リファラル採用成功に対するインセンティブも用意していました。

すると、それらを知った社員から「紹介したいデザイナーがいる」との声が…!!

お会いしてみると、めちゃくちゃスキルのあるデザイナーさん!!(ラッキー!!)

前述のチーフ候補募集を見てくださったとのことで、その本気の給与提示も魅力的に感じてくださったようです。
幸運にも、このデザイナーさんも入社してくれることになりました。
幸先の良いスタート…!!


04 ストーカー採用


さて、急に謎のパワーワードですね。。。
はい。ネットストーカーしていたのは私です(※先方ご存知なのでふつうに書きます)

要はTwitterで転職活動中であることを表明していた相互フォローのデザイナーさんをスカウトした話で、詳細も書いていたのですが…

あまりにも私の行動が気色悪いので全カットします!!!!!

(気になるかたはぜひ弊社に遊びにいらしてください…フフフ)


05 弟子採用


こちらは私の施策ではなく、前述のストーカー採用でジョインしたデザイナーさんの施策です。

弊社へのジョイン後、より自身の強みを発揮できる業務に集中するために、ふと「弟子が欲しい」とつぶやいたのが本当に施策となり、たくさんの若手の方からご応募いただいたお話です。

弟子採用に関してはこちらのnoteに詳しく書かれています。


※ちなみにスズキさんは2020年1月現在、弊社社員ではなくフリーランスとしてご活動されています!


06 採用プランニングチーム発足


ここまでは主に自分ひとりで試してきた施策ですが、ここでデザイナー1名、プランナー1名、ライター1名に協力してもらい、採用プランニングチームを立ち上げます。

内容としては、主に

・採用ペルソナの再確認と整理
・note施策


です。

弊社に転職するメリットがあるのはどんなデザイナーさんか?
また、弊社が本当に欲しいデザイナー像は?

そんなことを考えながらペルソナを設定し、さらにそのペルソナに響きそうなテーマを考え、noteを書きました。noteがバズりやすいテーマや投稿時間のリサーチなんかも…!!

実際こちらの施策でnoteの記事を書いた際は、note公式まとめに掲載いただいたこともあり、デザイナーさんからの応募数がそれまでの平均の4倍ほどに跳ね上がりました。

残念ながら、その際には採用には至らなかったのですが、ここでのペルソナ設定がまた後の別の採用に繋がります。


07 カードゲーム面接 


以前、チームリーダー向けの勉強会に参加した際に、wevox values cardという、89種類の価値観が書かれたカードをいただきました。

そして、こちらのカードをいきなり出して、カードゲームしようぜ!という面接をやってみました。


本来のこちらのカードの使い方は、手持ちのカードから自分の価値観とは異なるカードを1枚ずつ捨てていく、という30分程度のプレイを想定したものですが、面接の場ではその時間はありません…

そのため、公式とは異なる使い方で利用しました。

①30秒ほどで直感的に「自分の価値観と近い」と思うカードを最大で3枚まで取ってもらう
②なぜそのカードを選んだかを順に発表する(面接官側も)

なぜこれをやってみようと思ったのは下記です。

・採用においてチームと応募者さんのマッチ度を大切にしていたので、応募者さんの価値観を知りたかった(知るキッカケが欲しかった)
・予想外の出来事が起きた時(面接でカードゲームが出てくるなんて思わないでしょうから…)どうするか見たかった
・ステキなデザイナーさんは他社からも複数の内定が出るので、その中でも弊社を選んでもらうために少しでも面接でインパクトの残ることをしたかったw

ちなみに、カードゲームを行う場合は下記を気をつけました。

・カードゲームが始まるまでに、ある程度応募者さんの緊張がほぐれている状態を作る(応募者さんの緊張が解けない場合はカードゲームは行わない、と事前に決めていました。緊張している中でそんなことをしても追い詰めちゃうだけだと思うので。。。)
・ゲームをすることを目的とせず、あくまでも応募者さんのことを知る手段のひとつと位置付ける
・引いたカード=応募者さんの過不足ない価値観だと思わない(前述の通りカードの本来の使い方ではありません。価値観を知るきっかけくらいに定義しました)
・弊社の面接官側もなるべく事前の周知なしで行う(応募者さんとフェアにするため。実際、社長同席の最終面接に予告なしにぶっこんだりもしました…!!)

実際にカードゲームを行ったときは応募者さんも「へー、面白そう」という反応をしてくださった方が多かったです(前述の通り、緊張されている応募者さんには行わなかったのも大きいと思います)。


08 求人ABテスト


2019年10月には、2種類の求人を掲載しました。

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それぞれ、

・弊社が提供できる環境および欲しい人材
・応募者さんが弊社に応募するメリット

この2つが合致した、2種類のターゲットに向けた求人です。
前述のペルソナを活用したABテストですね。

結果、この2つのうちのひとつ、働き方を訴求した求人に人気が集まります。


その募集の応募者さんの属性は、今までの弊社への応募者さん属性とかなり異なるものでした。

・今まで:20代前半〜半ばの未経験または経験の浅い方が中心
・今回:30歳前後で5年以上〜程度の経験がある女性が中心

リモートワーク可でフレックス制の弊社。
働きかたを訴求した求人を出せば応募は増えるだろうと以前から予想はしていたのですが、それでも今まで働き方を訴求した求人は作ってきませんでした。

働きやすさだけに魅力を感じる方に応募いただいても、カルチャーフィットしないと思っていたからです。

ですが、いざ募集を出してみて、実際にご応募いただいた方は予想とは全く違いました。

デザインに本気で取り組みたい。でも、自分の人生を考えたら働き方も見直さなくてはいけない。
「デザインも、自分にあった働き方も、諦めない」という求人タイトルに、まさにご共感いただいたであろう方から多くご応募いただきました。

変な思い込みで試さなかった…自分ばか…!!

たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。


すべての施策で共通した想い


さて、ここまで色々と試したことを書いていましたが、すべての施策で一貫していたことがあります。

・①弊社が欲しい人材だけでなく、応募者さんのキャリアも一緒に考える
・②ポジティブもネガティブも、等身大の想いをことばにして伝える


①弊社が欲しい人材だけでなく、応募者さんのキャリアも一緒に考える

いま弊社で活躍しているメンバーは全員私がリーダーになってから採用されたメンバーです。
それぞれの採用時には、その方の次の会社が弊社であることでその方に良い影響を及ぼすか、をめちゃくちゃ考えました。

実際、選考時に最初はすごくすごく一緒に働きたいなと思ったけれど、ちょっとした違和感が見つかり、予定より一回多くお会いして検討した結果「この方の次の会社は弊社じゃない」と判断。さいごのさいごで泣く泣くお見送りをした応募者さんもいらっしゃいます。

ご連絡差し上げた際、その方も「実は選考が進むにつれ、自分がやりたいこととのズレを感じ始めていた」ということを教えてくださいました。

転職活動は、採用する側も、される側も、たくさんたくさん悩むと思います。

なので余計に、少しでも感じた違和感をきちんと明確にして、お伝えすることが大切だし、
自分たちが欲しい人材のことばかりでなく、応募者さん自身のキャリアも一緒に考える大切さを学んだ出来事でした。

②ポジティブもネガティブも、等身大の想いをことばにして伝える

突然ですが、私はチームリーダーをしていますが、チームでデザインがいちばん上手いわけではありません。

圧倒的な経歴があるわけでも、広い人脈があるわけでもありません。
でも、ひとりひとりのデザイナーのスキルやキャリア等の悩みごとに、めちゃくちゃ向き合う覚悟でいます。
それが唯一、私がメンバーに提供できる価値だと思っているからです。

さて、そういった想いもただ自分の中で思っていても仕方がありません。

採用活動の場合は、私(たち)が提供できること・できないこと、応募者さんのどこに惚れたか、等をラブレターにしたためて、スカウトする方や内定者さんにお送りしています。

【実際に過去にお送りした例】

・内定者Aさん:小冊子「○○さんと働きたい20の理由」※簡易製本ver
・スカウトBさん:かんたんな会社紹介、なぜスカウトを送ったか、どういう期待値か、ここはもしかしたら合わないかも、などをしたためたスライド(5分以内で見れる程度のボリュームのもの)
・内定者Cさん:面接官のコメント、弊社が提供できる価値、応募者さんへの期待値をラフにしたためたグリーティングシート

(ちなみに全員に送っているわけではないので「私もらってない!!」ってこの前メンバーに怒られました…ゴメン🤤)


ネガティブなポイントもポジティブなポイントも包み隠さず、等身大で。
時には「いま弊社はここが課題だから一緒に良くして欲しい」と正直にお願いしたり。 

弊社にジョインしてくれたメンバーは、きっとそういったところで正直にお伝えしたメッセージに、共感してくれたメンバーなんだと思います。


デザイナー採用施策 これから


今までに取り組んだ施策は以上ですが、まだまだできることがあると考えています。

例えば今後取り組みたいことが「弊社に自分がマッチするか、応募者さんが判断できる材料をリリース」することと、「応募者さんと採用以外のつながりをつくる」こと。

さいきんは採用のための紹介スライド等を公開される会社さんが増えてきたと感じてます。
そのように、求人広告以外でも会社側からどんな環境かを積極的に発信することで、応募者さんが自分に合う環境か事前に判断しやすくなります。

実は、面談・面接に進まれた方ひとりひとりとのコミュニケーションにかなり時間をかけたいので、一方でWantedlyからの応募者さんで返信させたいただいている方はごく一部の方となっています…(プロフィールの内容はすべての応募者さんのものを拝見しています)

Wantedly側の「応募者は企業から必ず返信がくるわけではない、ということを知っています。」という説明に完全に甘えてしまっているのですが。。。ヨクナイ。。。

上記のように弊社側から情報をオープンにすることでミスマッチのある応募者さんからのエントリーを減らせたり、
もしくは「直ちに採用」ではなくとも別の「デザイナー同士のつながり」に出来ないか、等…コミュニケーションの最適化のための課題は山積みです。

きっともっと出来ることがあるハズ。。。
私もまだまだこれからも色々と試行錯誤してみようと思います。


さて、あくまでもこのnoteに記載した施策は、弊社やチームリーダーである私の提供できる価値に基づいたものです。
会社によっては同じことをしても効果が出ない場合もあるでしょう。

ですが、デザイナー採用が上手くいかない!とお悩みの会社さんに少しでもヒントになれば嬉しいし、
なにより、この狭いwebデザイン業界。ひとりでも多くのデザイナーさんが、その方にとってベストな会社と出会って欲しい。
そのために、各社のデザイナー採用がよりステキなものになる、ほんのキッカケにでもなることができれば嬉しいです。

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