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「教育」と「福祉」を繋ぎ合わせて、どんなものをイメージするか


どちらもその言葉の定義に揺らぎがあり、他者とぴったりと同じ概念を共有するのは難しい。

これまでnoteでも、両者についてそれなりに語ってきたと思う。
それぞれに相当の想いがあって、ついついオーバーフローしてしまう。意図して簡潔に、わたしの考えをまとめておきたい。


福祉について


時系列的にこちらを先に書くことになるけれど、
「福祉」という言葉の意味を初めて考察し、明確に将来なりたい職業として意識することになったのが高校3年生の冬。

きっかけは“生命論”という、母校独自の授業だった。

医師や研究者、看護師、助産師など、最前線で“生命”と関わる方々が講師として招かれ、講義を受けたり実習やレポートを経て、グループでの研究発表会を行うという、高校生にしてはかなり贅沢な内容。

いのちについて考える、といえば道徳教育的な側面もあるけれど、教科書通りのお勉強という甘っちょろいものではなく、自分たちで世話をして育てたハツカネズミを自らの手で殺して解剖するなど、弱冠18歳の高校生にはなかなかにハードなものだった。

発表会に向けたグループ研究では、安楽死と尊厳死をテーマに選んだ。

患者の自己決定をどのようにとらえるか、という難問すぎる課題にぶち当たり、そこで医療ソーシャルワーカー(MSW/メディカルソーシャルワーカー)という職業を知った。
患者の怪我や病気の治療、健康管理を専門的に行う医師や看護師とは違った立場で、患者個人と社会的な資源をつなぎ合わせる役割。なるほど、だからソーシャルなワーカーなんだな。

終末期に限ったことではなく、心身弱っている人や困っている人に必要なサービスや情報、人や物資を総合的に結びつけるキーパーソン。
ただし決して自己満足の押し売りではなく、その人の人生、最終どうするかはその人自身(あるいは家族も含めて)の決定による。

何をどうするかってことはさておき、MSWの役目は「自己決定」を援助するという部分にあるように思った。

そしてここからいきなり「福祉」の概念に話を広げると、
一人ひとりの人間が自分らしく健やかに生きる(そして死ぬ)ために、誰ひとり取り残さず互いに支え合える社会をつくるしくみの総称だと思っている。

いま実際に行政で働いていて感じるのは、行政の「福祉」サービスは、概念的にはあまりにも狭義だということだ。

個人や世帯へのサービスで終わらせていいのか?
そんなんじゃ根本的に社会は変わらない。

これが「教育」との接合部分になるのでは?と。


教育について


1年前に週1noteの記事にも書いたけど、
人生の主人公として、自分を(相手を)位置づけていくことが、「教育」のめざすところだと思っている。


つまりは「自己決定」。福祉と一緒。

めざすもの、ということは、実際には自己決定ができない(しづらい)状況や環境に置かれている人が多いということだ。

「福祉」の側面では、加齢にともなう機能の低下や心身の障がい、貧困、家庭環境の歪みなど、最低限度の生活にも影響を及ぼすマイナスの要因。

一方「教育」の側面では、本人の意識・無意識を問わず、人間関係やキッカケ・意欲の有無など、生きていくうえで必ずしも必要とも言い切れないが、かなり個人差が表れてしまう部分だ。

根本にある価値観については、わたしのなかでは同一なので、両方を意識した交わりや取り組みはむしろあって然るべきだと思っている。


異質なものの交わり


当たり前のことを強調するが、人はみな違う

障がいがあるとかないとか、マイノリティな特徴や嗜好だとか、そういったことだけの話ではなく、個々人レベルで大小様々な違いがあってこそ、人間の社会は成り立っている。

障がいがある人、というのは、良くも悪くもわかりやすい(見た目にはわかりにくい人もいるけれど)存在なので、どうしても取り沙汰されやすい。

そしたら、それを逆手にとってやればいいんじゃないか?というのが、「福祉」の有り様を「学び」の場にぶっ込む(「教育」とはあえて言わない)という、わたしが今模索しているひとつのテーマにつながることになる。

様々な困難を抱える人がいて、そこにどんな支えが必要なのか。
ということと
目の前の困っている人に対して、自分に何ができるのか。
ということは、ついうっかり混同できちゃうのではないだろうか。

もちろん、なんでもかんでも無配慮にごちゃ混ぜにしてしまうということではない。
一人ひとりの個性や置かれている状況をただ真っすぐに見つめ、自分ごととしてともに考える姿勢が必要だと思う。

場を共有する全員で少しずつ背負って、汗を流して得られるものは、個々人にとってかけがえのない学びになる。
実際にはものすごく骨が折れるし難しいけれど、今の社会教育の仕事でもそういった場面に切り込む機会が時々あり、わたし自身が今後も場を積み重ねて考えていきたい部分だ。


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と、壮大な前置きをふまえて、最後に宣伝!

それぞれの立場から「教育」と「福祉」のつながりを考えるオンライン(Zoom)の会に運営のお手伝いで参加します。

大きな二つの概念、わたしみたいに両方がっつり関心事って人は少ないかもですが、公私問わずどこかしらで接点のある人は多いのでは?

8/30(日)13:30~
ぜひ一緒に、おしゃべりしませんか!


主催のhanaさんとは一度オンラインの場でご一緒し、twitterで交流するようになりました。
ディスカッション系のイベントで、関わりのある人が多様な視点から、コアなテーマを掘り下げるという企画。
hanaさんとはちょうど福祉のアンテナが再び立ち始めた頃に出会い、わたしにとってドンピシャな企画だった。本当にありがたいご縁です。

第3回、となってますが、オンラインは今回が初とのこと。
わたしも初参加なのでドキドキしますが、新しい発見や出会いが今から楽しみです。アツい会になりそう!

参加はhanaさんのtwitterにDMを送ると、申込みフォームのリンクが送られます。
事前にLINEのオープンチャットで自己紹介などを共有し、参加者どうしの交流をふまえて当日を迎えるので、ドーンと飛び込んでもらってOK!
もし不安がある人は、一旦どいまで連絡いただいても大丈夫です。


現在13人ほど集まっています。
まだ人数にも余裕があるので、ぜひ色んな方に参加してもらえると嬉しい!
(関心さえあれば、とくに仕事とか関係なくウェルカムです◎)


では!



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