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『選択肢を絞るための休学』 Kohei Kagi

留学支援、就職支援があるなら、休学支援があってもいいじゃないか。
そんな想いから、様々な休学の形を伝える『ギャップイヤー Brothers』のnote。

休学ライフは百人百色。
留学しても、働いても、何もしなくたってもいい。
どんな時間の使い方をしてもいいのが休学。

このnoteを通じて、様々な休学ライフを伝えることで
貴重な学生生活を過ごす皆さんにとって、選択肢が1つでも増え、休学へのハードルを取っ払うことができたなら、僕たちの活動にとっての本望だ。

今回の記事では、『選択肢を絞るための
休学』というテーマの休学ライフを届ける。
少し長くなりましたが、ご一読いただけると幸いです。

1. Who is Kohei Kagi?

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加木 康平(Kagi Kohei)社会学部教育学科 4年生
体育会・ボート部に所属🚤
現在は、パイロットを目指すべく休学して、試験勉強中🛫

2. ボート部に明け暮れた学生生活

ーーよろしくお願いします。初インタビューなのでお気楽にお願いします。
加木:こちらこそ、よろしくお願いします。笑

一ー では早速、大学では主に何をして過ごしていましたか?
加木:体育会のボート部で4年間を過ごしてて、それ以外は特に何もしてない状態でした。おかげさまで、滋賀のことはだいぶと詳しくなりました。

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ーー ボート部、、、珍しいイメージです。
加木:そうですよね。僕も当初は、ボート部のことは知らなくって。
大学では、普通にどこかのサークルに入ろうと思っていました。
なので、大学に入学した当初は、友人たちと色々なサークルの新歓(新入生を囲い、勧誘するイベント)を回っていました。高校時代にも野球をしていたので、楽しく野球を続けれたらなと思っていたけど、サークル活動がちょっと思っていたのと違うくて、、、

加木:ワイワイしている雰囲気は好きだったのですが、しっかり野球をメインに練習なども楽しみたかった自分に対して、どちらかというと、レクリエーションがメイン、野球活動がサブみたいなところがあるサークルとしか出会えず、自分の中ではサークルという選択肢がしっくりこなかったんです。

一ー そんな中、ボート部とはどのように出会ったのでしょうか。
加木:ものすごく友人にお勧めされて。笑
サークルの新歓で仲良くなった友人が、とてつもなくオススメしてきたので、一度行ってみるかとボート部に行ってみました。そしたら、ボート部では、未経験でも賞に辿り着ける・経験者が少ない(特に関西は)というテーマが打ち出されていて。
ここなら、大学から始めても必死になれる環境があるのではないかと。
それに加えて、最終的な決め手にもなった「人の良さ」がボート部入りを後押ししてくれましたね。

ーー 決め手は「人の良さ」なんですね。
加木:そうですね。でも大前提として、自分が求めていた『何かに打ち込める環境』があったのも大きな理由の1つです。自分の中では、「大学生活=勉強だけでなく、中身を成長させる期間」と思って(望んで)いたので、高校で野球部の活動に打ち込んで成長出来たように、大学でもそういう『何かに打ち込める環境』っていうものを探していました。

加木:「人の良さ」の話に戻ると、先輩たちは、練習中は真面目で厳しい態度なのですが、練習が終われば一転、とっても面白くて優しい、懐が広い。こんな人たちと一緒に生活ができたら、自分の中身も成長できるんじゃないかなと感じたんです。
この人たちの一員になりたいって。

ーー 直感で感じた何かがあったのでしょうか。
加木:そうですね。人生の夏休みと呼ばれる大学生活をボート部・体育会に捧げる人たちが悪い人たちなわけないじゃないですか。笑
偏見ですかね。
就活でもよく「なぜ、ボート部?」って聞かれたけど、最終は人の良さと答えるしかなかったので困りました。

ボート部に入ったきっかけ
①人柄の良さ
②何かに打ち込める環境

3. 『何か一つに絞るための休学』

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一ー それでは本題の休学についてですが、休学をしようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。
加木:休学しようと思ったきっかけは、就職活動でした。
もともと、『ボート部=集団意識』みたいな考えを持っていたので、休学という、みんなと違う選択肢を自分だけが取るということは全く頭にありませんでした。でも、就職活動に差し掛かって、周りの同級生たちは就活・ボート共にうまくいく中、自分は就活・ボート部ともにどっちつかずの状態で、1人取り残されてしまいました。
特にボート部の活動では、自身が3回生で絶好調を迎えた時期に、大好きな先輩たちと大会に出れたところで完全燃焼してしまっていて。
メインのはずである4回生では調子が出ず、レギュラー争奪戦すら危うくなっていました。なので、危機感とともにラスト1年で後悔したくないという想いが強かったんです。

加木:で、そんな時に就職活動という人生の大切な時期が被って。
就職活動では、一応内定は頂けたのですが、自分の中ではどこか納得いかない結果でした。でもそんな中、すごく魅力的な『パイロット』という選択肢に出会えたのは大きなコトでした。
まあ、結局はマルチタスク的なことが苦手で(笑)
ボート部と就職活動、どっちつかずの状態になった結果、就活はうまくいかなかったんです。そして、その時に初めて、自分の将来のことについて考える期間ができたんです。

一ー 将来についてですか。
加木:自分の将来のことについて考えていました。じっくりと、自分の将来について考えるようになった時に、就活期に出会った『パイロット』という選択肢がすごく頭に残っていました。この選択肢を無視して、内定を貰っていた企業に行きたいとは思えませんでした。

でも、またここで苦手なマルチタスクタイムがやってくるんです。
丁度、パイロットになりたいと思った時に、卒業論文の時期が来てしまって。笑
パイロットって、数学や物理といった理系の科目が必須で、文系の自分にとってはすごく勉強が必要。その一方で、自分が望んで入ったゼミでの卒業論文。これに関しては、凄く良くしてくれた教授のもとで、しっかりと時間を使って卒業論文は書き上げたかった。

一ー ボート部と就職活動を並行していた時と似ていますね。
加木:その通りなんです。笑
このままだと、またどっちつかずの状態になる。でも、もう中途半端になるのは嫌だと思いました。そこで、自分がしたいことだけに集中するために、学校のことを頭から一旦消そうと思って、『休学』という選択肢を選んだ。
『何か1つに絞るための休学』でした。

一ー 休学の判断はすぐにできましたか?
加木:もちろん、そんなすぐに休学を決断できたわけではなくて。親からの無言のプレッシャー(就職することに対して)はなんとなくあったので。
それでも、自分のしたいことを素直に考えたり、先輩とか周りの人たちに話を聞いて、最終的に休学の決断に至れました。
この決断に至れたのも、就職活動がうまく行かなくて、自分の将来について考える時間がじっくりとできたからだと思います。

加木:休学してからは、社会に出た同級生の意見を聞ける機会とかも増えたりとかいい機会が増えました。「いつか、転職して海外に」というプランを持っていた同級生が、入社後に忙しすぎてしたいことができなくなったという状況みたいに、リアルな社会人生活をたくさん知れたのも、ある種休学のメリットだったかなと思います。

苦手なマルチタスクではなく、するべきことを何か1つに絞るための休学

4. 就職活動に絞った休学

一ー 現在は、どのように休学期間を過ごされているのですか?
加木:僕は半年間の休学中なのですが、今は就職活動、具体的にはパイロットになるための勉強にほとんどの時間を注いでいます。就職活動に絞ったのは、自分の未来を一番大切に考えたかったからです。大学でのボート部や卒業論文は、今の自分を成長させるための期間かなと思っています。ボート部を例に出すと、ボート部の中での自分を1年ごとに成長させている感覚。ボート部内での1年目の自分、2年目の自分・・・先輩なんかを見ていても、目的やゴールを想像しやすいんです。

加木:それに対して、就職活動はこれからの自分を作り上げていく期間で、先の大きな目標を持たないと、宙ぶらりんになってしまうと思います。
自分の将来について考えるときは、ボート部のように目指す目標がもともとあるわけではなくて、自分と向き合って目標を作らなければいけないと思っています。
僕の場合は、未来の方向を決めるには、就職活動の1年では足りなかった。

一ー パイロットになりたいと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?
加木:やりがいですかね。やりがいと生活(給料や福利厚生など)を比べたときにやりがいの方が就職活動の軸として、大切にしたいと思いました。
あとは、シンプルに空を飛べる仕事への憧れが芽生えたというところですね。シミュレーターをさせていただいたりと、よりその憧れが強くなったという背景があります。

一ー やりがいとは、どんなイメージなのですか?
加木:自分の中では、人に理解してもらいやすい仕事であることがやりがいだと思います。名刺がわりになるというか、一言でイメージを持ってもらいやすいような警察とか消防士みたいなイメージ。
就職先としても、こういう一言でイメージを持ってもらいやすい職業って『何をするか・しているか』が想像しやすいのはとても魅力的でした。
営業やマーケティングという仕事は、どこまで行っても各会社ごとに違うし、実際に入社するまで実態はわからないと思った一方で、パイロットの職業は業務内容が想像しやすかったんです。

一ー 漠然と、名刺がわりの職業を探していた中に見つけた明確な選択肢がパイロット。
加木:そうですね。1つコレだと考えたら、のめり込んでしまう性格なので。笑
ボート部の時も、直感的にビビッときて、そこからのめり込みました。

・パイロットという夢を追いかける休学生活
・やりがい
名刺がわりになる、一言でイメージを持ってもらえること。

5. 自分の意思を尊重する

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一ー 休学する前後でどこが一番変わりましたか?
加木:自分の意思を、より尊重できるようになったところだと思います。
今までも自分の意思は尊重してきたとは思っているのですが。笑
これまで、行きたい高校・行きたい大学に合格して、自分の中では順調な道を歩んできた中で、世間一般的に見てマイナスなイメージの休学という選択肢を自分の意思で選べたことは大きな経験だと思います。
やっぱり、休学という選択肢は、ボート部で集団行動に染まっていた自分にとっては、とても勇気がいる行動でした。

加木:特に、親や友人に休学という選択を伝えられたときは、自分の意思を尊重できたと思えました。一般的に、休学はマイナスというイメージが自分の中にもあったので、休学という判断には後ろめたさがありました。
後から、休学を伝えた周りの人に聞くと、「就活に失敗したのかな」「就活から逃げたのかな」と思われていた節もやっぱりあったみたいで。笑

休学を伝えることで、優しさからみんなは気遣った反応をしてくれました。その気遣いとかが逆に怖くて、言わない方がよかったのかな、と後悔の念もありましたが、「自分の意志を言葉にすることで、より自分の意志を尊重できるようになる」というメリットの方が強かったです。言ったからにはやるしかない状態で、モチベーションが上がりました。笑

一ー 今後の目標は何かありますか?
加木:もちろん、自分が目指していたパイロットになることです。
ただ、休学したからこそ、パイロットを目指すこと以上に、自分の意思を考える時間を活かして、『ちょっとでも自分の中に迷いがあれば、自分と正直に向き合う』ことを大切にしたいという目標もできました。

一ー 休学をするか悩んでいたときに、してよかったことはありますか?
加木:周りの人への相談ですね。自分の判断だけで休学できたわけではない自分だからこそ、迷っている人は周りに相談することをオススメします。
自分が話すうちに、想いのストッパーが外れて、自分の率直な想いが出てきます。
そうすると、自分の本当の考えがより『強く』なっていく

そうやって、自分に素直になった上で、休学をしないという判断をしてもいいと思うんです。自分と向き合う時間や自分の意思を尊重することが大切だと、休学した今、強く思います。

自分の意思を尊重することの大切さ
→意思を言葉にすることで、より自分の意思と向き合うことができる

6. 最後に

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今回は、就職活動での失敗を経て、休学という選択をした加木さんにインタビューを行った。
『何か1つに絞るための休学』というテーマのもと、自分の意思や目標に向かって走り続ける彼の笑顔に曇りは一点もなかった。

どんな理由でも、どんな過ごし方でもいい。自由な期間である『休学』をよりハードルの低い選択肢にするために、今後も様々な形の休学ライフを届けていく。

ギャップイヤー(Gap year )とは
自ら作り出す空白の期間のこと。
この期間に、留学・海外旅行・ワーキングホリデーなど、普段の大学生活や社会人生活ではできないことに挑戦することができる。
現在では、大学入学前/在学中の休学/卒業後も含めて、空白の期間をギャップイヤーと呼ぶことが多い。
参照:グローバル採用ナビ日本ワーキングホリデー協会

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