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人間が感情の生き物である限り、社会はな「左」と「右」にわかれるのは必然である

【超訳】『社会はなぜ左と右にわかれるのか。その答えは①道徳的判断は直感に基づくもの、②理性がそれを正当化しているにすぎない。結論、たった一つの道徳真理などは存在しない。 ゆえに自分自身の不合理さに気づくべきであり、たった一つの道徳的真理があると信奉した時点で、それは原理主義になるという警鐘を鳴らしている。


社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学–(ジョナサン・ハイト)

これが核論だが、個人的に一番興味深かったのは、人間は本質的に利己的だが、自集団に対する正義を志向するように設計されているという点だ。 人間は自己の利益よりも集団利益を優先することでより多くの果実を得ることができる。だが、その結果、道徳的対立が生じてしまうというわけだ。

著者は理性よりも情動を重んじたヒュームの思想を一貫して支持しており、つまるところ「相手の考えをちゃんと尊重しようよ」という首尾一貫した主張を展開しており、非常に共感した。 職業観、結婚観など、人間の数だけ真理は存在するわけで「絶対」はないといえる。

だからこそ、個人的には、「絶対」より「別解」を探すべきだと思う。 また、自分たちの仲間や組織を大事にすることは、互いを利用しあうことで、強くなり、より強い集団となり生き残るがことが目的だ。

合目的に沿わない馴れ合いは仲間や組織として徒党を組む必要がないからこそ、誰と付き合うのか、どこで何を果たすのかは本当に重要な問題である。

最後ヒュームの言葉で締めたいと思う。
「思考は論争する者がそこから自らの主張を引き出す源泉ではない。よって感情に訴えかけることのない論理が、論争する者をしてより確たる原理を受け入れられるよう、いつかは導いてくれるだろうと期待しても、その希望は無駄におわるだろう」

論破で人の心は動かせない。 情感と戦略的思考を持って2024年は飛躍を果たしていきたい。

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