概算要求105兆円超えに、霞ヶ関パワポを見て思う

 このニュースを見て、ひっくり返りそうになる。

 これは「底なし沼」のようだな、、、と。各省庁で幾ら獲得したか、幾らの予算を回せるかを官僚の業績とする風潮はいかんともし難い底なし沼を生んでいるように思う。某会議に初めて参加した時に、某省庁からお見えになったそれはそれは偉くなるであろう若いお役人様のプレゼン1枚目が「自分が今まで回してきた予算名目+金額、そして総額」だった時に衝撃をうけたのが懐かしい。しかも、その会議と全然関係ない予算名目を並べてお前らよりオレは若いんだけどオレは予算をとってくるのが凄いんだぜと業績紹介がわりに鼻息荒くプレゼンされて、二重の衝撃だったのを覚えている。今ではそんな官僚のプレゼンも、はいはい自己紹介ね、としか思わないし、数秒で通り過ぎていく読むのが追いつく訳もない霞ヶ関文学も霞ヶ関パワポも、あー紹介したんだからしっかり読んでおけよって事ね、と思ってしまう程に調教された。冷静に考えれば完全に脳が腐ってる。

 文部科学省様も過去最大の要求額だそうである。全ての省庁が過去最大を競わなければならないルールでもあるのだろうか?きっと、また大学に尻尾を振らせることを考えているんだろうな。文部科学省はお金をちらつかせて、大学は意識高い系よろしく自分たちがどんなに凄いかのアピール合戦をしながらお金を貰いに行くことになるのだ。いつから大学は、意識高い系みたいにオレ凄いんだぜアピールをし続けなければいけなくなったのだろうか?無様といえば無様なのだが、従順に調教されたクズ教員の犬は尻尾をふる喜びに歓喜しなければならない。それがお勤めというものだろう。というわけで、さて、どんな風に尻尾を振るか、と文部科学省のHPを見てみた。素晴らしい霞ヶ関文学がそこにある。霞ヶ関パワポのお手本中のお手本のようなスライドがそこにはある。

 文部科学省の1年間を決める大事なスライドだ。技術の粋を集めて作られている。特に、01 令和3年度概算要求のポイント (PDF:9705KB) というPDFが素晴らしい。霞ヶ関パワポの最高技術の極みだ。従順に調教された犬としては脳汁がドバドバと出まくるスライド達だ。・・・最高傑作じゃないだろうか。うっとりみとれて内容がちっとも頭に入らない。それでは駄目だ、尻尾を振らねば、と素晴らしいスライド達を、大学に関連しそうな新規事業は・・と探すためにじっくりと探す。

・Society5.0実現及びウィズコロナ・ポストコロナに向けた人材育成の強化
   デジタルを活用した大学・高等教育高度化プラン(31枚目)
   大学病院における感染症に対応できる高度医療人材養成等(33枚目)

・人生100年時代や技術革新の進展等を見据え、リカレント教育等社会人が学び直す機械を拡充
  大学等における価値創造人材育成拠点の形成(34枚目)

・研究力強化・若手研究者支援総合パッケージに基づき、我が国の研究力を総合的・抜本的に教科
  科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業(54枚目)

・大学等ファンドなどによる世界レベルの研究基盤を構築するための仕組みの実現
  世界レベルの研究基盤を構築するための仕組みの実現(55枚目)

環境エネルギー分野の研究開発の推進
  革新的パワーエレクトロニクス創出基盤技術研究開発事業(64枚目)

 といったところか。まだありそうだけれども、もうタイトルだけでお腹いっぱいになったのでこの辺で止めておきたい。脳汁が出過ぎた。最初は従順な犬としてどうするかを考えようと思ったが、この一連のスライドを見ているだけで、満足感が半端ない。例えるならば、極上のステーキと、極上のカニと、極上のカレーと、極上の酒が一度に出てきて、両脇と目の前と後ろからほぼ裸の美女がぴったり体を寄せてきながら、スプーンですくって食べさせて酒を飲ませてくれている状態みたいなものだ。。

 随所に使用されるイラスト屋に心が躍る。狂おしい程に霞ヶ関パワポにマッチしている。そして大学改革の推進等という15〜16枚目のスライドで従順な犬はさらなる興奮を迎える。この国立大学担当と私立大学担当の様式美の違いが美しい。そうは思わないか?フォントもフォントサイズも色使いも違う。2枚続けて、数十秒かそこらで流れるスライドだろう。担当部署が違えばここまでスライドが違いつつ、きちんと霞ヶ関文学+霞ヶ関パワポの範疇に入れてくる。なんという素晴らしい技術。

 大学教員はこれをみて授業スライドを作ればいいのだ。天下の文部科学省様が、過去最大の予算を請求されるにあたって最高技術をつぎ込んだスライドだ。これぞ、わかりやすさの究極の形なのだ。教育を束ねる省庁が分かりにくい物など作るわけがない。全ての大学教員の見本となるスライドのはずなのだ。霞ヶ関パワポこそが最もヒトに分かりやすいものなのだ。コレを真似さえすれば、分かりやすい講義スライドが出来るに違いない。間違いない!

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