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良い質問って何なのさ

5月になりました。
今年新人となった人にとっては新しい環境での1カ月、
もう慣れた?全然慣れない?それとも違う道へ一歩前進?
いずれにせよ新しいこと、出会い、やることたくさんお疲れさん。

そんな君たちにちょっとだけお節介。

昔の自分を思い出して(あっ、黒歴史はしまっておきなさいね)
授業中、学校で他の子が質問をして、それを先生が
「いい質問だね」
と褒めているシーンを1度見たことあるんじゃなかろうか。

それを見て
(僕も、私もいい質問ができるようになりたい)
と思っていた人、ひとりくらいはいるはず。

私もその一人。

では今の自分に戻って、
「いい質問」できるようになりましたか?

「いや、そんなの狙って出来たら今頃苦労してねぇわ」
って返ってきそう。

じゃあもうひとつ、みんなに質問。
「いい質問」ってなんですか。

これは持論だから、みんながみんな「その通りだ」と思う必要はない。
先に断っておく。

少なくとも、社会人として上司や先輩に質問をするときは、
「いい質問」をたくさんするよりも「悪い質問」をしないようにすることがずっとずっと大事
ということ。

そもそも、先生たちがほめていた「いい質問だね」と言っていたあれは、
今まさにこれから話そうとしていたことを、疑問としてドンピシャ質問してきたことに対する賞賛、つまりボーナス点のようなものなんじゃないかな、
と私は思っている。

つまり評価でいう「基礎点」ではないということ。

これを会社の上司や先輩に対して狙っていこうとするのは、
良い質問だねと言われることだけを目標に仕事をするのは、
相当な人間力がいるしコスパも悪い。

それよか1日1日を大事にして少しずつ仕事を覚えて、
「○○さんは、ちゃんと仕事ができて偉いね」
「まじめにやっているね、感心だ」
「細かいところに気が利くね。流石だね」

こう褒められた方が組織の一員としてはよっぽど健全だと思う。

じゃあ「悪い質問」って何かというと、

相手の時間を奪うということ。

例えば、先輩が一生懸命仕事内容について説明した後に、一番困ってしまう質問パターンが
(どうすればいいですか)
(なにをしたらいいですか)

という形式の質問だ。

これは、
(初めての経験したことがないのでわからないし、もっとしっかり教えてほしい)
という気持ちで聞いている意味合いなのはわかる。
先輩上司の説明が不十分だった可能性もあり得る。

だけど相手の立場からすると、
(えっ、今せつめいしたばっかじゃん)
(どうすればって言われても言った通りのことをしてほしいんだよ)
(ああこの子自分では何も考えていないのね)
こういう風に取られるリスクが高い。

(なにをしたら)や(どうしたら)といった漠然とした質問は
相手に回答する範囲や責任を全部を丸投げしてしまう
その時間はすべて先輩上司の時間さえも奪い去っていく
恐ろしい言葉だ。

そして、もう一回説明するために、あるいは質問の意図を絞るために
先輩や上司は本来の仕事の手を止めて君たちに時間をかけてくれる。
1回1回は微々たるものでも、これがもし1年2年とずっと続いていくと一体どれだけの時間がかかっていくか考えたことがあるだろうか。

全員とは言わないが中には怒り出す人がいても不思議ではない。

このコミュニケーションリスクを回避する方法は
「質問内容を限定すること」である。

仕事内容に関する質問であれば
「手順が知りたい」のか、
「参考資料の場所が知りたい」のか、
「注意しなければいけないことが知りたい」のか、
まず聞きたい範囲を具体的に絞って聞いてみること。

それだけでも、相手からすると意外とすんなり答えてくれたりする。
(ああそのことが聞きたいのね、ならすぐに対応できるな)
(ちゃんと質問でできる子なんだな)
と思われる。
君たちにかける時間も少なくて済むし、まっとうな人ならたとえ口には出さなくてもちゃんと評価してくれます。

それでだめならそもそも聞く相手が間違っていることが多いので、それはもうトライ&エラーするしかない。たまたま運が悪かったとあきらめよう。

そしてもうひとつ大事なことは
「質問は自分の責務を全うするための補助ツールにすぎない」ということ。

質問したら、仕事を最後までちゃんとやるのは君たち自身だ。
自分で考えて行動して、どうしてもわからないことや確認しないと大きな失敗になりそうなことを回避するために先輩上司に確認のために聞く。
それが質問。

分からないから、考えられないから、考えたくないから他人の頭脳や時間を利用するのは楽であっても、対人コミュニケーションとしては相当リスキーであることを肝に銘じておくこと。

質問ができる人はちゃんと評価されるし、大きな仕事ややりたい仕事を任せてもらえるようになるし、最悪どこに行っても周りの人を困らせないので重宝される。

焦らなくていいから、今すぐにできなくていいから。
自分のペースでじっくりと頑張ってみて。

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