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友情の総重量【毎週SS】

「タカシ、明日ニホンに帰るんだって」
「うん」

交換留学で過ごした3か月。
ホームステイ先のご家族がみんなとっても優しかった。
現地の言葉を教えてくれた一番上のお兄さん。
学校までの道のりを教えてくれた次女のメイア。
末っ子のカインは学校から帰ると毎日一緒に遊んだっけ。

翌朝、空港の中まで家族総出で見送ってくれた時は、
本当に嬉しかった。

「タカシ、僕たちからプレゼントだ。君との友情の証だよ」
「ありがとう。僕もみんなのこと忘れない!」
「じゃあ、元気でな!」
あっという間の3か月だったけど、一生の思い出になるだろう。

「お客様」
「ぼく?」
「恐れ入ります。先ほどお引き受けした荷物なのですが、
国際線の個人許容量を超えておりまして、
超過分のお支払をお願いしたいのですが」
「えっ!?」

係の人に案内された先を見ると山のように送られた荷物。
山のように積まれた現地のお土産やお菓子。
そして家の横の牧場で飼っていた牛やヤギが
退屈そうに渋滞を作っていた。


先日、九州と四国が梅雨入りとなりいよいよ
全国的な梅雨シーズンが近づいてきました。
鬱陶しくも気がつけばあっという間なんだろうなと、素手に達観ムードな私でした。

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