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愛読書で自己紹介

Ganmoと申します。
今回、山根あきらさんの企画に参加させていただきました。

2024年になって自己紹介文そろそろ更新しようと思いつつ、何を書けばいいのか迷って放置していたので、思い出しがてらここで書いてみようと思った次第です。

 その人の「人となり」を知るには、履歴書的な説明よりも、どのようなことに感動してきたのか、を知るほうが深く理解出来るのではないかと。

 「好きな著者1人、好きな作品1つ」を挙げるだけだと、「立体的に」その人の考えが分かりにくいので、「3作品」を選んでいただくことにしました。

募集要項より抜粋

1冊には絞り切れなかったと思うので、ほんとにありがたいです。
読んでくださっている皆様に、私のとっておきの3冊をご紹介いたします。


1.杜子春・蜘蛛の糸 (芥川龍之介)

まずは王道でごめんなさい。
これは私が、芥川龍之介の魅力に取りつかれた1冊です。

この本に出会う前も小説自体は読んでいたのですが、
基本的に現代の作家さんばかりで、いわゆる夏目漱石や森鴎外といった国語の教科書にでてくる文豪たちの小説は「ちょっと古くさいなぁ」と敬遠しがちでした。

短編ならではの読みやすさもあったのでしょうが、何気なく手に取ったこの作品をきっかけに、なんと私は図書館に行っては岩波の分厚い芥川全集を読み漁るようになりました。
それと同時に、私の中の文豪作品の苦手意識みたいなのが不思議となくなりました。

この出会いがなければ、今頃、志賀直哉もカフカもラヴクラフトも手に取ることはなかったでしょうし「国内外の名作を読んでみたい」とすら思わなかったかも知れません。
それくらいに影響を受けた1冊です。

本作品は短いお話が多いので、長文が苦手な人にもおすすめです。
というより芥川作品は短編こそ面白いものが多いと私は思っています。

私は新潮文庫版を読みましたが、
その中でも「魔術」という作品が個人的に好きなお話です。



2.ドラゴンクエスト列伝ロトの紋章 紋章を継ぐ者たちへ (藤原カムイ他)

通称「紋継ぐ」
私の青春、バイブル的マンガです。
絵は藤原カムイ先生、脚本に梅村崇先生、
そしてドラクエの生みの親である堀井雄二さんが監修という最強の布陣。

ドラクエ漫画といえば、今だと「ダイの大冒険」が有名ですし、
そもそもドラクエはゲームしか知らないという人もいるでしょう。
そんなあなたに、ぜひ読んでほしい作品です。

ざっくり内容を説明すると
ゲームシリーズのドラクエ3~ドラクエ1の間に何があったのか?
をマンガで描いたオリジナルストーリーです。
(※知らない方向けに言うと、ドラクエシリーズは
3作目→初代という歴史順設定があるとされています)

また前作に「ロトの紋章」というのが単行本で21巻まであり、
本作はその続編にあたります。
シリーズ通して約55巻、この作品を語るだけでnoteマガジン1つ出来るくらいの壮大なストーリーです。
まさにマンガ版「ドラクエ -1<マイナスワン>」といって差し支えないでしょう。
でもご安心ください。
私も本作から読み始めた一人ですが、前作を知らなくても面白いです。
ただ、ナンバリング作品どれか一つでも遊んでいると、より楽しめると思います。

私ネタバレが嫌いなので、多くは語りません。
なので、一言だけ。

これは、主人公アロスの宿命譚に他ならない

本当にストーリー中、何度も心抉られるシーンが来ます。
「そこまで主人公どん底に叩き落しますか?」
と軽く引くレベルです。

最初の頃こそ幼く勇者としての覚悟がない甘っちょろいアロスが、
最終巻に近づくにつれだんだん勇者の顔つきになっていく姿を見ていると、
「ああ、争いって人をこんな風に変えるんだな」と痛感します。
勇者として立派になったなぁと思う反面、
並の人間には到底耐えられない業やら宿命やらを背負って生きる姿にもう私は何も言えません。

なんでドラクエの主人公って大概人生ハードモードなんでしょうね?
「じゃなきゃゲームにならねぇだろ」って? 
まぁ、そりゃそうか。

全34巻、完結まで15年余(前作合わせたら20年超え)の大作です。

ありがたいことに、今は前作「ロトの紋章」、「紋継ぐ」ともに完全版コミックやkindleなどの電子版も配信されているので、今から読みたい人も安心して読破できます。本当にいい時代になりました。



3.鎮痛剤に川柳はいかが (山本桂馬)

最後にちょっとズルい1冊をご紹介させていただきます。

実は以前にもこの作品を別の記事で紹介しているのですが、
ぜひここでもお話させてください。

本作は著者の山本桂馬氏による川柳集です。
その名の通り、ページをめくればそこにはひたすら続く
5・7・5の羅列です。

川柳には俳句の季語のような決まりはないですが、
詠題とよばれるテーマがあり、それに沿ってみんな書いていきます。

本作を一言で言い表すならばズバリ

17文字の痛快な右ストレート

普段思っていても言えないことを、皮肉と毒舌の効いた桂馬節でズバッと言う爽快感と、でもどこか憎めない人間味を堪能できる作品集です。

初めて読んだときは大笑いしましたし、
わずか17文字でこんなに面白いことが書けるのかと
私に言葉遊びの奥深さを教えてくれた桂馬先生。
本当に感謝してもしきれないくらい、私の文章の恩師です。

この作品は自費出版のため、おそらく現在は事実上絶版だと思います。
ですがこちらも大変ありがたいことに、ご家族の方がHPを公開しており、
桂馬先生の作品をいつでも拝読できるようになっていますので、
気になった方はぜひ一度足を運んでいただければと思います。


以上、私の愛読書自己紹介でした。
もしこれを機に「読んでみたい」と思っていただければ、とても嬉しいです。

まだまだ素人同然ですが、
私自身も偉大な先人達に恥じない文章を紡いでいけたらと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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