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【気まぐれショートショート】ロボネコは何処に?
ある日、博士のところへ電話がかかってきた。
「うちの猫がどこかに行ってしまったの!」
その相手は先日訪れた資産家のご婦人からであった。
ご婦人は一昨年に夫を病気で亡くしており、広い家に一人で住むには心細いとのこと。かといって今更動物を飼うというのも少し勇気がいるからと言うことなので、博士は前に開発したロボットネコを一匹贈ったのである。
このロボネコは最新の機械学習により、本物の猫の行動パターンなどを徹底的に学習した本物そっくりの動きをするのだった。さらに成長パターンもいくつか選ぶことができ、毎日やんちゃで家中を遊びまわる「子猫モード」や常に日向ぼっこをする「香箱モード」などがえらべるようになっているのだ。こうした行動は搭載されたAIが毎日最新の情報を入手しており、ますます本物にそっくりだという博士の自信作だ。
さて肝心のいなくなった猫であるが、さっそく博士はGPSを使って猫の居場所を探してみた。すると以外にもこの近くを歩いていることがわかった。
早速その場所へ向かうと、なんとロボネコは近所に住むおじいさんの家の庭に野良猫と混ざっていたのである。おじいさんは近所の野良猫に焼いたお魚を与えるのが日課となっていた。
ロボネコは「家ネコ」だけでなく「野良猫」の行動パターンまで学習してしまっていたのだった。
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