アトロク2の蓮見翔回やっと聴いた
画像参照:https://www.instagram.com/p/C-UfYRjy11F/?igsh=MW5mZjFjNGdlOGY3cA==
『アフター6ジャンクション2(通称アトロク2)」に蓮見翔が出る、というのをインスタで知ってめちゃ楽しみにしてた。好きな媒体に別の業界の好きな人が出るのって嬉しいね。
アトロク2は以前、『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル(通称タマフル)』という名前で土曜にやってたラジオだ。高校生の時に友達が「賢くて下品な所が聖書だこ好きそう」って勧めてくれて、聴くようになった。勧めてくれたのはタカシマ(仮)という子で、卒業したとたん一切誰も連絡が取れなくなった謎の同級生だ。大人になった今も、タカシマと喋りたいな〜と時々思い出す。
タマフルはライムスターの宇多丸がカルチャー関係の話を色んな特集組みながらやってる番組で、特にシネマハスラーという映画評論と西寺郷太(ノーナリーブス)の洋楽特集が面白かった。アトロク2に形を変えた今もずっと聴いてる。
そんなに喋ってた訳でもないクラスメートの、大人になっても聴くような好みを当ててくるタカシマはすごい。私のこと知った気になって丸め込んでくるとこがわりと好きだった。人の感情の機微に鋭くて優しかったのとか、今思えば女子高生にしては達観しすぎてたよな、とか思う。あかん、タカシマの話しだすと止まらん。
そんなアトロク2にダウ90000の蓮見翔が出る、ということで、これは流し聴きじゃなくて時間をとって聴こうと思ってたら時間が経ってしまった。
テーマはゲストの読書ライフ。
宇多丸と蓮見がはじめましてというのもあり、最初は蓮見の作品について宇多丸(と宇垣美里)が掘り下げて聞いていく感じだった。
好きといいつつ、蓮見翔本人のことはよく知らなくて普段どんなテンションなのか分からないけど、宇多丸が芸人じゃないからお笑いに対してかなりフラットに話していたんじゃないかと思う。
以前、東京03の飯塚とコントについて喋ってたときはお笑い芸人の立場で喋ってるな、という印象が強かった。1番最後に、蓮見が飯塚に当て書きで作ってきた2人の掛け合いコントを即興で披露してて、これがめちゃ面白かった。
蓮見は、演劇とコントをそこまで分けて考えてないらしく、この2つの違いについて長さとか人数構成みたいなハード面での違いだと言っていた。
演劇の講評などで、テーマの有無について言及されることがあるそうだが、
蓮見としては、特に作品にテーマや意味を持たせようとは思っておらず、作品の中身を通して何かを伝えたい、というよりかは「あ~見てよかった、面白かった!」といってエネルギーを与えられたらそれでいい、らしい。これを聞くと、享受する側としてもけっこう気が楽になるね。
このあいだ知り合いに「映画は娯楽だからね」て言われたのを思い出して、それもおんなじ感覚なのかな〜となった。たしかに、「あ~面白かった。」の感覚ってわりかしエネルギーになる。お笑いとか。
群像劇を見て、こんな考え方があるんだ!て勉強になるのも面白いけどね。観た人の生き方で誰に感情移入出来るか違ってくるのもいい。
あとは、作品を作る上で陳腐化したやり取りにならないようにすごく気を遣っている、と言っていた。世の中に形式化したあるあるが出回り過ぎたせいですごく大変そうだ。
作品からではなく普段の会話からインスピレーションを受けることが多い、という話の時に、特に女性との会話の面白さについて宇垣美里と喋ってた部分はめっちゃ腑に落ちたし、2人の会話自体が面白かった。
「誰も思いついたことがないあるあるを言えるのがかっこいい」「"思考のアップデート"みたいにみんなが使い始めた言い回しが嫌い」という蓮見の発言に、思わず私と同じタイプなのかも!とテンションが上がったが、ちゃんとすぐに蓮見翔と自分を重ねたことを恥じたので、安心してほしい。
自分の作品自体が形式化することはメタ認知が許さないくせに、宇多丸に「ダウ90000とは…」「蓮見翔とは…」という切り口で取り上げてもらって、ある種、形式化して紹介してもらっていることが、ダサくて恥ずかしいと言っていた。これも結構わかる気がする。
色んな事象を形式化するのが好きな一方で、自分の作り出すものが形式化しているのは凡な気がして嫌だと感じる。みんなが思いつかない発想・言い回しで、かつみんなを納得させたいみたいな欲望があるな、と今回聴いていて気が付いた。(これは蓮見言ってない。私見です。)
本題の読書ライフについても触れておく。
蓮見は壁一面の本棚を発注してるところらしい。いきなりめっちゃ羨ましいな。
たぶん積読してるタイプっぽくて、とりあえず本屋でジャケ買いしたりするとのこと。積読タイプの人ほど面白い本溜めてるイメージあるからどんな本持ってるのかすごく気になる…。
彼のおすすめの本が紹介されていたので、気になったやつをあげておく。
エッセイ『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』(小原晩)
漫画『A子さんの恋人』(近藤聡乃)
蓮見の褒め方がすごくうまくて、作品も作者についても独特の視点で言及しつつ、尊敬してるのが伝わってくるのが良かった。
私もあんな風に分かりやすく表現出来るようになりたい。たくさん文章書いてたら自然と上達するのかな。未だに「面白い・好き・尊敬」の感性が切り分けられなくて、全部好きで表現してしまってるのが悔しい。
インサイドヘッド見てないけど2見てみるか。
褒め方もしかり、メタ認知拗れまくってるのに終始人当たりが良くて、改めて蓮見翔ってすごいなと思わせられた。しかも作るものもとんでもなく面白い。このくらいの年齢になるともう年下とか関係ないね。
あと本をおすすめしながら、作者に対して分かりやすく嫉妬していて、作り手ならではのヤキモキ感がすごく素敵に感じた。
宇多丸のパーソナリティとしての盤石な安定感とバランス感覚も作用してて、めちゃくちゃ楽しい回だった。
今月は同じテーマでピエール瀧もゲストで出てるからそっちも楽しみだ。
『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』は、愛すべき恵文社一乗寺店でも売ってるみたいなので、今度久しぶりに行ってみようと思う。
おわり!
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