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好きな理由はよく分からないのに嫌いな理由は具体的に言えるよね

みんなもそうなのかな?
人が美味しそうに食べていたものが気づいたら自分の好物になっている、ということがある。
食べ物の好みなんて自分の経験に基づく好き嫌いだけで決まると思っていたけれど、自分の好物の中に、前はそんなにだったのに誰かが美味しそうに食べていた、という理由だけで好物に成り上がった異物が紛れ込んでいる。

【桃】
子供のころ、分かりやすい味のフルーツが好きで、みかんやパイナップル、キウイといった甘酸っぱいフルーツが好きだった。
逆にスイカや柿のように若干甘いけどそれだけで、酸味とかはそもそも味の構成要素の中にすらいない、みたいなのはどれも全然好きじゃなかった。
でも10年近く前に付き合っていた元彼が大の桃好きで、買ってきた桃を食べているところを初めて見たとき、めっちゃくちゃ美味しそうに食べてて、急になんか自分も好きな気がした。そうして、食べてもないうちから好きなフルーツのラインナップに入るようになっていた。

【クリームパスタ】
好きな人だからミラー効果的な感じで好きになった説は、このクリームパスタで早々に論破される。
いつだったか探偵ナイトスクープで「昔食べたワタリガニのクリームパスタの味が忘れられない」というお便りが来た回で、知らない女の子がこれまたクッッソ美味しそうにワタリガニのクリームパスタを食べていた。
詳細は覚えてないけど、調査の末になんとかお目当てのワタリガニのクリームパスタにありつけるシーンで、自分は当時パスタ自体そこまで好きじゃなかったんだけど、たぶん小学生か中学生くらいの女の子の食べっぷりがものすごくて、それはもう気持ちいくらい口の中にスパゲッティが吸い込まれていったのが印象的で、そこから私はパスタが好きになった。

【カレーコロッケの中身で作ったカレー丼】
意味が分からなくて当然だと思うけど、読んでくれたら嬉しい。
上記料理は、アンパンマンでカレー丼のビジュアルがデフォルメされ過ぎた結果、幼い私にはカレー丼の具がカレーコロッケの中身に見えてしまったため出来たキメラ料理である。
きっかけはカレーどんマンの回で、
カレーどんマンが振る舞うカレー丼をばいきんまんとドキンちゃんがすごく美味しそうに食べているのを見た時だ。(カレーライスマンは居ないのにカレー丼が先に出てくるの、意味分からないな。)
その時にカレー丼を好きになったのは覚えているけど、残念なことに当時の私は、リアルカレー丼を見たことも食べたことも無かった。
だから既に好物ではあるけど、どんなものか分からないから、カレー丼の具を自分がこれまで食べた物の中から近しいものに置き換えて味の想像していた。ちなみにアンパンマンに出てきたカレー丼の具はかなりデフォルメされていて、まじで茶色いモコモコした塊だった。
そこで白羽の矢がたったのが、カレーコロッケの中身。
そうはならんやろと言いたいけど、5歳くらいの私はコロッケの具と認識した上でカレー丼を美味しそうだと思っていた。そこそこの影響力のある勘違いをしたまま、私はカレーコロッケが食卓に出されるたびに、こっそり自作のカレー丼を楽しんでいた。(幼心に別の料理の中身を取り出してごはんに乗せて食べることがお行儀の悪いことだとは認識していたみたい)

少し経って本物のカレー丼を食べる機会があったんだけど、これまで自分の中で築き上げていたカレー丼とイメージが違い過ぎて、あんまり好きにならなかった。

【ダブルチーズバーガー】
ハライチの澤部が、「ダブルのパティを頬張るのが幸せ」て言ってて、それから大好きになった。


こんな感じでいきなり好物に成り上がる食べ物が時たまあるんだけど、
誰かが美味しそうに食べているという理由だけで自分の好物になる、という理屈が意味不明で面白い。
どれも食べてもないうちから好物になってるから、頭で好きになってる感じがするな。

逆に嫌いな食べ物って、なんで嫌いになるのかな。
炭水化物とか脂っこい食べ物を人が好むのは、餓えないために本能で備わってる、というのを聞いたことがある。
そうなると、嫌いな食べ物があるって生存的に不利だし理にかなっていない。
嫌いになるって、どういう体の仕組みなのか。
私は小さい頃から割と好き嫌いがあって、 大人になった今でもどうしてもこいつらだけは許せない、という食べ物が2つある。(3つ目はバナナ)
1つはしいたけ。干ししいたけの香りと食感が苦手で、あと一番しんどいが、かさの内側のヒダヒダ。
ヒダヒダは食欲の対極にいるやつだろ。熱帯魚が青いのと一緒の類だと思ってる。
2つ目は鶏皮、特に焼いていないやつ。
鶏皮独特の獣臭さとグニグニした食感。そしてあの鳥肌。。。
どちらも気持ち悪さを五感で訴えてくるので、耐えられない。

食べ物の悪口は尽きないけど話を戻すと、なぜ人は嫌いな食べ物があるのかな?
鶏皮食べてオエッてなるの生存競争で不利でしかないよね。
誰かがたまらなく美味しそうに食べていたらこいつらも好物になる可能性を秘めているのかな。もう嫌悪の対象なので、今更ひっくり返るとは思えないけど。
人が食べ物に対して好き嫌いを感じる理由ってこれまで考えたことないけど急に気になってきた。
そして好き嫌いなくなんでも食べられる人がほんとに羨ましい。

もし子供が出来たら、なんでも食べられる子に育って欲しいし、あわよくば私の苦手なものを食べて欲しいから、しいたけと鶏皮は積極的に食卓に出していこう。
あと、素直で優しい子に育ってくれたらすごく嬉しいなぁ。


おわり!

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