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インステップキック動作のバイオメカニクス

キックの使用頻度

難波のサッカー試合中の基礎技術使用率を調べた研究によると、ワールドクラスから少年まで、どのカテゴリーでもキックが約50%を占めていると報告してます。

使われているキックの種類は、インステップキック、インフロントキック、インサイドキックが約85%となるが、カテゴリーが低学年になるほどインステップキックの割合が高くなる傾向です。

練習時のキック使用率を調べた研究はないが、仮に練習時間を1時間半から2時間とすると、200回程度キックを繰り返していると考えられます。

インステップキックのバイオメカニクス

一般的に投球動作や打動作など、ボールの速度や距離を問題にする運動では、手や道具の末端のスピードを高める必要があります。
通常末端のスピードを高めるためには末梢の関節はリラックスしていたほうがよいです。

サッカーにおいてはボールと足部が衝突するときに働く力は最大3000Nになるため、足関節の脱力している状態では十分なインパクトはできません。

戸苅らの研究によると、足関節を固定していた方が高速度のボールが蹴れるとしています。
【足のスピードに対するボールスピードの割合】
①膝、足関節ともに完全固定:1.37
②膝関節自由、足関節固定:1.16
③膝関節固定、足関節自由:0.871強
④膝、足関節とも自由:0.871弱

インステップキックでは、各関節がからだの中心から徐々に動き出し、最終的にはボールをインパクトする足関節の速度を最大にするように働いています。
初期の動作としてはバックスイングがあり、股関節の伸展にともない大腿四頭筋のエキセントリックな収縮が起こります。大腿四頭筋が伸張されることで、伸張反射が生じ、続いて起こるフォーワードスイングをよりパワフルな運動にします。

キック時には膝関節伸展パワーとボールスピードが関係性が強いことが報告されているが、Nariciらの研究では、股関節屈曲力の方がされに相関が高いことが報告されており、インステップキック力の向上には腸腰筋などの股関節屈筋の筋力も重要となります。

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