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「がんばろう 日本!国民協議会」第18回埼玉読者会(R3.7月)

これは、「がんばろう 日本!国民協議会(http://www.ganbarou-nippon.ne.jp/)の機関紙、「日本再生」の読者が毎月行っている読者会のうち、埼玉の会の報告です。

「今回のテーマ」
① 東京都議選の結果をどう見るのか 
② 機能する仕事とは、どのような事なのか 
③ 人権ジェンダーとオリパラの関係性 

【SUMMARY】
新型コロナウィルスの感染拡大は止まらず、ベラルーシ五輪選手による政治亡命、タリバンのアフガニスタン制圧など、世界は変わり続けています。その中で日本もまた変わり始めている。都議選の結果から、私たちが求めるこれからの社会の一端がみえはじめました。

「機能しない」政府・首長の顛末は、市民が負うことになる

8月17日、菅首相は記者会見において「アフガニスタンでタリバンが政権を奪取したことについての日本政府の受け止め」についての質問を受け、「タリバンの首都カブールへの入域によってガニ政権は機能しなくなり」と発言しました。この場合「政権が機能しない」とは、この場合タリバンの攻略によりアフガニスタン政府の戦力がそがれ、権力移行が行われたことを指します。
1970年代、多くの西洋諸国と足並みを揃える程保障されていたアフガニスタンの女性の権利は、2001年まで権力の座に就いていたタリバンによる厳格な戒律によって瞬く間に奪われていきました。今回、タリバンの幹部は、新たな政治体制について女性の就学や就労をしつつも、「民主主義的な制度は全く存在しなくなるだろう」と発言しました。タリバンが女性に教育を受ける機会や政治や政策立案の仕事を許すかどうか、彼らが約束する権利の平等の真価が今後問われます。
タリバンのこの新しい政府についての日本の対応は、これまでと同様に米国と足並みをそろえるというものです。菅首相は会見で「日本の国益を踏まえつつ、米国などの関係国と連携して適切に対応していく」と述べ、正統性の評価などは示していません。アフタニスタンへの姿勢だけでなく、新型コロナウィルスの感染拡大防止に関する様々な対策や、東京オリンピック大会の開催、パラリンピック大会への子ども達の試合観戦。私たちの「いのちとくらし」に直結する様々な事象について、私たちが知る事ができるのは結果のみ。そこに至るまでの過程、決定の理由を聞くことはありません。改めて今の日本、私たちの生活にとって「機能する政府」とはどのような意味を持つのでしょうか。


女性の都民ファースト議員に象徴される、社会的生き方


政府ではありませんが、先日行われた東京都議会議員選挙での都民ファーストの会の最終盤の追い上げは、多くのメディアの予想を覆すものでした。そこに私たちが政府や自治体に求める「機能するとは」への答えがあるのではないか。都民ファーストの会幹事長増子博樹議員は都議選の総括で、選挙前から都民ファの認知度の低さを実感し、徹底した広報活動を行ったと説明されました(日本再生507号より)。またあらためて当選した人たちを見ていると、まず「女性」が多く、その女性の中でも資格がある、キャリアを重ねてきたなど、政治的な思想や社会への想い以外に様々な社会的な技能をもった人たちであったことが分かります。弁護士や公認会計士、はっきりと目に見える経歴はわかりやすいものですが、それだけが理由ではないでしょう。自分の人生の選択を自分で行ってきた人には、その生き方自体に「持続可能性」を感じることが出来ます。今私たちが抱えている社会の課題を表面的な言葉ではなく、「生き方」として自分の人生や今までの行動(活動)から説明ができることが人々の共感を得たのです。自分の人生を持続可能にするために努力してきた人たちがつくる政策ならば、自分たちの住む地域、議会もまた持続可能なものになるだろう。誰のための政策なのか、政党の支持団体や一部の既得権をもつ顔のわからない人々ではなく、都民のための政治。「自分がその場所に生きていることに納得ができる」ために誰を選ぶかを考えた結果が、都民ファーストへの投票という形であらわれたのではないでしょうか。当然自民党への批判も強くありました。

政策の決定過程が可視化されなければ、密室政治となる


「機能する政府(自治体)」に求められるものは第1に情報公開と説明と、それに基づくコミュニケーションです。対面やSNS等の手段を使ったコミュニケーションが常に存在することが、有権者との心情的な距離を縮めます。また、情報公開があるということは、結果を検証できる状態になります。日本政府が決定の過程をつま開きしない、つまり情報公開をしない状態では、私たちはその事象の検証を行うことができません。情報とは、数値やグラフのみを指すのではなく、どのような人たちによりどのような論議がなされたか、何故その結論に至ったのかという経緯そのものでもあり、それが私たちの判断の材料となるのです。
名古屋出入国在留管理局の施設でスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが死亡した問題で、彼女の処遇に関して入管側から開示された行政文書約15,000枚がほぼ黒塗りだったと遺族の方々が明らかにしました。これは機能する政府ではありません。アフガニスタンとは違う意味で、私たちもまた民主主義の崩壊と同時にその復元力に直面しています。

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