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地元の伝統・文化に触れるべきだった

私は沖縄出身の21歳、女。

嫁入りで、今は愛知県に住んでいる。

沖縄といえば、
きれいな海・水族館・首里城・エイサー・シーサー・ちんすこう・紅芋・ゴーヤー。
色々思い浮かべるだろう。

沖縄が好きな人も多いと思う。

私は20年近く沖縄に住んでいたが、首里城には一度も行ったことがない。
興味自体無かったし、正直いつでも行けるという気持ちがあった。

でも、そんな日が来ることはなかった。

首里城が燃えてしまった。

この時はまだ沖縄に住んでいた時で
「うわっ、沖縄のシンボルが・・・」
とは思ったが、悲しいなんて全く思わなかった。

三線(さんしん)も、周りに習っている子が沢山いたが、弾いてみたいなんて思わなかったし、エイサーだって運動会で”やらされていた”だけ。
海も泳いだりする場所じゃなくて、そこに友達と集まってお喋りするだけ。海を見ようと思わなくても視界に入ってくる。別にきれいだとも思わなかった。

なんなら、どこからでも見える海が嫌だとさえ思ったことがある。津波が来たら一発で家は流されてしまうし、大切な人だって失うかもしれない。そういう漠然とした恐怖を感じた時もあった。

しかし、沖縄から出た時、
私は自分の愚かさに気づいた。

今まで沖縄の伝統・文化に触れてこなかったことを本当に後悔した。

テレビで沖縄の歌やエイサー、観光地紹介などの放送を目にする度に、「こんなにいいところだったんだ」と思うようになった。

「なんでもっと地元を知り、心から楽しまなかったんだろう」

首里城だって、ちゃんと自分の目で見ておくべきだった。

エイサーだって、義務感ではなく、意味を知った上で踊るべきだった。

海だって、日常の何気ない景色に過ぎなかったがもっと愛すべきだった。大切にすべきだった。

こういった目に見えるものだけではない。

沖縄方言(うちなーぐち)や独特の訛りもそうだ。

私自身、訛りもあるし方言も多少でるが、
父と祖父の会話は聞き取れない。何を言っているのかさっぱり。いつも聞き流していた。

今思えば、この行動は
「伝統・文化に無関心だった」とも取れる。

もし沖縄から出ていなかったら、知ろうとすら思わなかっただろうし、そもそも魅力に気づけなかったと思う。

沖縄だけに限らず、それぞれの都道府県には沢山の魅力で溢れている。
目の前にある景色、今自分が置かれている環境を当たり前と思わず、少し興味を持って目を向けてほしい。意味を知ってほしい。感謝してほしい。

一人一人のそういった気持ちが、
そこの伝統・文化を守ることに繋がっていくと思うから。

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