福岡事務所のスタッフから4日前の朝に青のレターパックで投函した書類が届いていないという連絡が入った。
トラッキングをすると、福岡の配送センターから持ち出し中とのことだった(その日の午後に届いた)。
以前は遅くとも中一日で届いていたものが、いつの間にか東京、福岡間の郵便には倍の時間を要するようになっていた。
飯倉にあべのハルカスを超える日本一の高層ビルが建設されている。古川を越えた向かい側の丘、綱町三井倶楽部の正面の広大な土地には三井不動産と三菱地所共同で高級住宅街を造成している。2つ合わせて5ヘクタール、東京ドーム約1個分の敷地面積を港区の超一等地に保有していたのは日本郵政グループだ。霞が関には現在もぬけの殻となり、環境省の移転を待つ旧日本郵政本社ビル、「日本郵政不動産」による蔵前橋たもとの再開発も進行中だ。
日本郵政グループの土地の所有額は三井不動産に次いで、日本の上場企業で6番目に多く、1.5兆円。
莫大な資産をお金に換える一方で、郵便サービスのクオリティを静かに落としてゆく。
不動産取得も、地方隅々へと行き渡る郵便ネットワークの構築もすべて税金で賄われていたことを忘れてはならない。
小泉純一郎の「ぶっ壊す」に熱狂した我々。
あれから約15年あとを生きる我々にとって「ぶっ壊」して得たものは思い浮かぶことはなく、ひたすら将来への不安と、閉塞感ばかりが漂う世の中にいる。
自身が立脚している現状に向き合わず、些末な負の面ばかりが目についた当時。ポンコツを捨てたその先には晴れやかな未来が広がっているはずだった。
ところが、産まれてきたのは制御不能な巨大なサムシングで、それが我々の日常に更なる影を落としてゆく。
これを自業自得という表現以上に適切な言葉は見当たらない。そして、民主主義の本領とも言えなくもない。しかし、我々は学ばなければならない。

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