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【#5】「ですます」調と「である」調

語尾の統一

語尾の統一文の最後は「である」調か「です・ます」調か、どちらかで統一するのが基本です。
たとえば、この記事は「です・ます」調。語尾が「です」「ます」「でしょう」「でした」「ました」「ません」などで終わっているのがおわかりかと思います。

まずはどちらかに「統一」できているか?というところを見直しましょう。

1.どちらかに「統一」する

基本的に「ですます」調で書いているのであれば
「である」「だ」「なのだ」「した」「だった」「だろう」など
「である」調が混じっていないかチェックします。
混ぜることでインパクトを持たせるやり方は存在しますが、原則は「統一」です。少なくとも、自分は今「ですます」調で書いているのか、それとも「である」調で書いているのか、自覚して書くようにしましょう。
「うっかり」混ぜてしまわないように。

ではどんなときに「ですます」調にして、どんなときに「である」調を使うとよいのでしょうか?

2.「ですます」調を使うとき

「ですます」は、やさしく語りかける感じがしますよね。だから

・人に親近感を持ってもらいたいとき
・目上の人などに敬意を払ってお伝えしたいとき
・丁寧にわかりやすくお伝えしたいとき
・子どもなどに、やさしくお話ししたいとき

そんなときに使用すると効果的です。
この記事を「ですます」調で書いているのは、
・あなたに親近感を持ってもらいたいし、
・「難しい!」「分からない!」と拒否反応を起こさせないよう
・丁寧にわかりやすくお伝えしたいし、
・まだお会いしたことがないあなたに敬意を払って書いているからです。

でも、私はけっこう「である」調が大好きなんです。「である」調の良さはどんなところなのでしょう。

3.「である」調を使うとき

「である」調は、論文や法律、新聞など、どちらかというと「カタい」ジャンルで見かけます。でも、
「ですます調だから論理的ではない」
「である調だから難しい」とは思いこまないでください。

夏目漱石の「吾輩は猫である」は、「吾輩は猫である。名前はまだない」から始まりますね。まさに「である調」です。「猫」が「である調」を使うというミスマッチが、この小説のリズムや、雰囲気を決定づけています。

あるいは昔、「何である? アイデアル」という傘のコマーシャルがありました。ダジャレ全開のキャッチコピーですが、やはりコミカルさとマジメさがうまく噛み合って大ブレイク。
こういう使い方は、わりと高度なテクニックで、すぐに応用できるというものではないかもしれません。とにかく「である調」は「難しい」と思わないでほしい、ということで紹介しました。

一般的に「である調」の良いところは「簡潔」なところ。
「要するに、結論はこれ」をパッと書くとき、理由や原因、そこに至る経緯を論理的に書くときに適しています。
また、短い文を続けて畳みかけるように書くと、リズムがある文章になります。

私は常に「感性にあふれ、かつ論理的な文章」を目指していますが、その時々で「である調」にするか、「ですます調」にするか、考えてから書くようにしています。
テーマや読む人に寄り添って選択するのがよいと思います。



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