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2021年8月に読んだ本

 読書は良い。何もしてない日でも本さえ読んでおけばなにか豊かな1日を過ごした気分になれる。

 ゲームや漫画、アニメや映画など、ステイホームで楽しめるコンテンツは数多くあれど、本は''無駄に時間を消耗してしまった''という感覚が自分の中では何故か薄い。

 絵や映像ではなく、我々が普段使うことばや文字による情報がメインである本は、得た情報や表現が日常生活に活かしやすい、その「再生産のしやすさ」が罪悪感から免れさせてくれている要因の一つなのではないだろうか。

 絵や動画は自分で再現しようとしてもなかなか同じようには作れない。

 でも言葉は再現が簡単で、再現が簡単であるということは大衆にとってのコンテンツになりやすい。

 以前に「もし〇〇がカップ焼きそばの作り方を書いたら」みたいな投稿がTwitterのタイムラインを賑わせたこともある。

 調べてみるとなんと書籍化していた上にそこそこ売れていた。バズったものからすぐに金銭収入につなげようとする出版社の商魂は凄まじいものがある。


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2021年8月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1085ページ
ナイス数:138ナイス


■母よ!殺すな

 今から約50年前の障害者のおかれた環境や人々の考え、法制度は現代ほど十分なものではなかった。

 無論、令和の時代においてもそれは十分とは言い切れない。

 優生保護法が障害を持って生まれてくる人を不良として扱い、排除・抹殺しようとしていた時代に国・権力、そして時には障害者を含む人々の差別意識に対して改革を訴え続けた青い芝の会、並びに脳性麻痺者・横塚晃一氏の物語である。


 当時の状況とは随分様変わりした部分もある一方で、特に人々の意識といったソフト面に関しては課題が今なお根深く残っているように感じた。

読了日:08月15日 著者:横塚 晃一


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■物語北欧神話 上

 5年前オスロ市庁舎に行った時、入り口の通路に描かれていた壁画に圧倒された。

 その壁画は北欧神話で語られているシーンを切り取ったもので、北欧神話にいつかちゃんと触れたいと常々考えていた。

 それがようやく実現できたのは、好きな漫画『進撃の巨人』の元ネタに北欧神話が関わっているという情報を得たということが一つ要因としてあろう。


 本書の中ではユミルという巨人の祖先が出てきたり、数十メートルという壁を築いたりする話が出てきてワクワクする。

 ユグドラシルやラグナロクといった厨ニ心くすぐるワードが頻出するのもよい

読了日:08月15日 著者:ニール・ゲイマン


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■話が面白い人 オモロない人: 「笑い」は大人の上質な気遣い (王様文庫)

 お笑い芸人を辞めて営業マンとして働き始めたら1年間で売上が全社トップになったという筆者が、お笑いの世界から日常生活や職場で活かせるコミュニケーション術を紹介する。

 フリやオチはプレゼンなどのビジネス場面にも通ずるし、上司やお客さんのちょっとしたボケに対してツッコんだり、大げさにリアクションしたりすることで信用を得られる場合がある。

 ただ、お客さんの雰囲気による部分が大きいし、なかなか自分の生活にはそぐわないなと思う部分も多々あった。

 オチを面白おかしく脚色するのはアリだと筆者は言うが、嘘はアカンやろ。。

読了日:08月18日 著者:殿村 政明


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■物語北欧神話 下

 上巻を読んでいる時には正直小中学生向けの児童文学の域を越えないものとしてしか捉えられていなかったが、下巻を読み終わった今となってはその見通しが甘かったことを認めざるを得ない。

 話の端々に現れる情景描写にはどこか北欧の雰囲気が漂う。

 暖かな日差しをもたらす太陽を愛し、神々の終焉・ラグナロクを終わりのない恐ろしい冬、「大いなる冬」と説く。


 また、ロキというダークヒーローの活躍がこの神話の根幹を担っている。

 ヒーローの活躍譚に様々な敵が出てくることはあれど、悪役に対して様々な英雄が出てくる本書のような物語は数少ない。

読了日:08月19日 著者:ニール・ゲイマン


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