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【ストV】カプコンカップ9(CAPCOM CUP IX)大会解説と優勝予想(結果追記あり)

この記事では2023年の2月13日から開かれるカプコンカップ9(CAPCOM CUP IX)についての解説と、優勝選手予想を行います。

カプコンカップ9とは

カプコンカップ9とは、格闘ゲーム「ストリートファイターV」のオンラインプレミア・オフラインプレミア・ワールドウォリアーの全3大会群で構成されるCAPCOM Pro Tour 2022の上位成績者がエントリーし、世界チャンピオンを決める大会です。
23年は3年ぶりに開かれます。
前回は2019年に開かれiDom選手が優勝しています。

カプコンカップ9公式サイト

カプコンカップ9トレイラー動画

カプコンカップ2019の概要

カプコンカップ9の会場

カプコンカップはアメリカ西海岸の「AVALON Hollywood」でオフラインで行われます。
そのため本戦に参加する選手は現地に渡航する必要があります。
なおLCQは別会場で行われるとの事です。

AVALON Hollywoodは1927年にオープンした歴史的な建物で、現在は高級クラブやコンサート等のイベント会場として使われているようです。

今年の激闘の舞台はハリウッド!
アメリカ・カリフォルニア州の「AVALON Hollywood」で今シーズンを締めくくります!
(「CAPCOM CUP IX Last Chance Qualiier」のみ別会場となります)

「CAPCOM Pro Tour 2022」の総決算「CAPCOM CUP IX」が2023年2月に開催決定!

カプコンカップ9の日程

カプコンカップ(CC)の日程は以下となっています。

■2月13日:CC LCQ(最終予選)プール予選
■2月14日:CC LCQ(最終予選)トップ16~決勝
■2月15日~17日:CC グループステージ
■2月18日・19日:SFL ワールドチャンピオンシップ
■2月20日:CC 決勝トーナメント トップ16~決勝

カプコンカップ9の流れ

カプコンカップ9の流れを解説します。
カプコンカップ9は、LCQ⇒グループステージ⇒決勝トーナメントの流れで進行します。

LCQ

本戦グループステージの前に、LCQ(Last Chance Qualifier)が行われます。
LCQとは、本戦出場枠の1枠を賭けた現地で行われる最終予選の事です。
LCQは2月13日から14日の2日間で行われ、優勝者1名を決めます。

LCQ優勝者はCC本戦出場権利を得て、グループステージのGまたはHどちらかに振り分けられます。
LCQには256名の選手が参加します。

LCQにエントリーしている選手

LCQに参加する主な日本人選手は以下となっています。

主なLCQ出場日本人選手
ときど、ネモ、ガチくん、板ザン、キチパ、りゅうせい、Shuto等

2019年のLCQではもけ選手が優勝。もけ選手はクラウドファンディングで渡航費を募ってのLCQ優勝し話題になりました。

グループステージ

LCQの後にグループステージ(GS)が行われます。
GSは本選出場が確定している選手46名とLCQ優勝選手の計47人で行われます。

カプコンカップ9出場確定選手(46名)

本戦出場者のうち日本人選手
■カワノ(使用キャラ:コーリン、ルシア、ルーク)グループB
■ももち(使用キャラ:コーディー)グループG
■ぷげら(使用キャラ:バイソン、ポイズン)グループH

GSの日程は2月15日から17日の3日間にかけて行われます。
GSはA~Hのグループに分かれてリーグ戦を行う形式になっています。
GS1位抜けの選手が決勝トーナメントのウィナーズプールに入ります。
GS2位抜けの選手が決勝トーナメントのルーザーズプールに入ります。

GSの振り分けは2月3日に既に行われています。

Capcom Cup IX Group Draw

グループステージの組み合わせ
■グループA
iDom Takamura Veggey Oil King RonaldinhoBRR SolVNG
■グループB
Justakid The4Philzz Phenom カワノ Younghou Doomsnake
■グループC
Punk Valmaster JabhiM VxBao Frozen Brandon
■グループD
JOE UMEROGAN EndingWalker REN M.Lizard Juninho-Ras Bravery
■グループE
Magnegro Vegapatch Kalmal09 NL WFALCON ROF
■グループF
ChrisCCH Mister Crimson AngryBird DCQ Uriel Velorio Travis Styles
■グループG
Mortsy Geeck-O BigBird ももち Mono ★LCQ優勝選手(Zhen)
■グループH
Samurai JimmY Myrken ぷげら MenaRD

決勝トーナメント

グループステージ終了後、ウィナーズとルーザーズのダブルエリミネーション形式で決勝トーナメントが行われます。
全16名で決勝トーナメントを行い、優勝者を決定します。
決勝トーナメントは23年2月20日に行われます。

ももち、カワノ、ぷげら選手が出場権を得た理由

そもそも、ももち・カワノ・ぷげらの日本人3選手が、カプコンカップ9の出場権を得ている理由は何故かを説明します。

カプコンカップ9に出場する方法として、
・CAPCOM Pro Tour 2022という予選に通過する必要があります。
・このCPT2022で優勝などの上位入賞する成績を挙げる事が予選通過の条件となります。


CPT2022には、3つの予選形式があります。
※厳密にはLCQと合わせて4つの形式がある。
この何れかの予選大会で優勝などをする必要があります。

【CPT2022予選形式】
1.オンラインプレミア
2.オフラインプレミア
3.ワールドウォリアー
4.カプコンカップLCQ

1.オンラインプレミア
世界19地域で1回のみ実施される個人戦のオンライン大会。
⇒ももち選手が優勝!
オンラインプレミアとなる「CAPCOM Pro Tour 2022」日本大会(2022年6月11日-12日開催)でももち選手が優勝しカプコンカップ出場権を獲得。
【関連記事】
https://note.com/gamerzhack/n/n4a7ea72d2e3e

2.オフラインプレミア
オフラインで行われる個人戦トーナメント。
EVO等のコミュニティが運営する大型イベントが対象となる。
⇒カワノ選手が優勝!
オフラインプレミアとなるEVO Championship Series(2022年8月8日開催)でカワノ選手が優勝しカプコンカップ出場権を獲得。
【関連記事】
https://note.com/gamerzhack/n/n26e31c35d07f

3.ワールドウォリアー
ポイント制の地域別オンライン大会。
5回のポイント大会と累計ポイントの上位8名による決勝大会を行う。
⇒ぷげら選手が優勝!
ワールドウォリアー日本大会(2022年8月~12月開催)5回での上位ポイント獲得者による決勝大会でぷげら選手が優勝しカプコンカップ出場権を獲得。
【関連記事】
https://note.com/gamerzhack/n/necb573345b2c
https://note.com/gamerzhack/n/nac98d41abda2

4.カプコンカップLCQ
カプコンカップ期間中に行われる最終予選。
優勝者1名がカプコンカップ9出場権を得る。

日本以外の地域でも同じように各大会の優勝者がカプコンカップへの出場権を掴んでいます。

カプコンカップ9優勝予想

LCQ優勝予想選手
LCQの有力選手は、日本人ではときど選手、ガチくん選手、Shuto選手。
外国勢ではProblem-X選手やXian選手等の強豪がいます。
自分の予想ですが、恐らくときど選手かガチくん選手のどちらかがLCQを抜けるのではと思います。

カプコンカップは向かい合わせではなく、隣に座っての横並び対戦になるため、Shuto選手は横並び対戦が苦手との事なので、現状ではShuto選手の可能性はやや低いと予想しました。

また、ときど選手とガチくん選手では、ガチくん選手の持ちキャラがラシード1枚なのに対し、持ちキャラをルークとユリアンの2枚を持つときど選手が、現状では少し有利かと思います。

LCQの優勝予想としては、以下の3名の何れかだと思いますが、ときど選手の可能性が少し高いのではと思います。
■ときど:4割
■ガチくん:2割
■Shuto:1割
■その他:3割

ときど選手自らカプコンカップについての解説と意気込みを動画でアップしています。

グループステージ勝ち抜け予想
次にグループステージ勝ち抜けの予想ですが、HグループにLCQ優勝選手が入ると仮定した場合です。
グループステージは大混戦になる事も予想されますが、iDom、カワノ、The4Philzz、DCQ、MisterCrimson、ぷげら選手等はこの中でもかなり上位の強さなので抜けてくると予想しています。
日本人選手は3人全員抜けてくると思います。

■A勝ち抜け:iDom、Takamura
■B勝ち抜け:カワノ、The4Philzz
■C勝ち抜け:Punk、Brandon
■D勝ち抜け:EndingWalker、Bravery
■E勝ち抜け:NL、Vegapatch
■F勝ち抜け:DCQ、Mister Crimson
■G勝ち抜け:ももち、BigBird
■H勝ち抜け:ぷげら、MenaRD

カプコンカップ9トップ4予想
トップ4はプール次第ですが、基本的にはウィナーズを抜けた選手が圧倒的に有利です。
(ルーザーズに一度落ちると試合数が多くなる上、勝ってもグランドファイナルでリセットする必要がある為不利になる。)

強さ的には、以下の4人が抜けてくる可能性が高いと思います。
iDom、カワノ、DCQ、ぷげら

上記以外で可能性が高いのは、Mister Crimson、The4Philzz、Punk、ももち選手でしょうか。

カプコンカップ9優勝予想
優勝予想は22年のEVOを参考にすると、EVO優勝者のカワノ選手と、23年現在最も強いと言われているユリアン使いのDCQ(DingChunQiu)選手のどちらかになるのではと思います。

DCQ選手はストリートファイターリーグ: Pro-US 2022のチームUYUの所属で、DCQ選手の大将戦の活躍等でUYUを優勝に導いています。

カワノ選手がDCQ選手について語っている動画

カワノ選手は手持ちキャラのコーリンの弱体化により、ルークやルシア等のサブキャラをカプコンカップ用に仕上げており、相手からすると非常に読み難い相手です。
また、メインのコーリンも世界トップレベルで使える選手が少ないため、対策をし辛い事も有利に働くと思われます。

カワノ選手とDCQ選手では、SFLでのShuto選手対策でユリアン戦も詰めているキャラ対と、直近の大舞台での経験値からカワノ選手が優勝するのではと思います。

カプコンカップ9優勝予想:カワノ

カプコンカップ9の配信

カプコンカップ9の配信は以下のURLや配信先で行われます。
Youtubeの他、Twitchでも配信されています。

■Twitch配信先

■LCQ Day1 2/13 AM4:55

■LCQ Day2 2/14 AM4:55

■グループステージ Day1 2/15 AM4:55

■グループステージ Day2 2/16 AM4:55

■グループステージ Day3 2/17 AM4:55

■SFLワールドチャンピオンシップ Day1 2/18 AM7:55

■SFLワールドチャンピオンシップ Day2 2/19 AM7:55

■決勝トーナメント 2/20 AM7:55

LCQ結果

日本勢ではときど選手が苦手とするキチパ選手に破れ早々にルーザーズに落とされる。
キチパ選手は破竹の勢いでグランドファイナルにコマを進めた。
しかし、海外初大会で19歳の中国の超新星Zhen選手がガチくん選手、Shuto選手、キチパ選手等を打ち破り無敗優勝。
LCQの最後の一人はベガ使いのZhen選手に決定した。
Zhen選手はグループステージのGに振り分けられ、日本のももち選手と同組みになった。
日本勢はトップ16に7人と大量に選手を送り込む事に成功するが、互いに星を潰し合ってしまい、結果としてLCQ優勝を逃してしまった。

■トップ16
【ウィナーズ】
ときど/キチパ/Filipino Man/Shuto/Zhen/Broski/ガチくん/りゅうせい

【ルーザーズ】
CHRIST/Joey/ネモ/YANOOB/Problem X/板ザン/Alex Myers/Rikemansbarnet

■トップ8
【ウィナーズ】
キチパ/Shuto/Zhen/ガチくん

【ルーザーズ】
Joey/Broski/板ザン/ときど

■トップ4
Zhen/キチパ/Shuto/ガチくん

■LCQ最終順位
優勝 Zhen(ベガ)⇒CCグループステージG組へ
2位 キチパ(アレックス、ザンギエフ)
3位 Shuto(ユリアン)
4位 ガチくん(ラシード)
5位 Joey(ミカ)
5位 ときど(ルーク)
7位 Broski(オロ)
7位 板ザン(G)
9位 ネモ(ユリアン、ギル)
9位 りゅうせい(ユリアン)
9位 Filipino Man(ローズ)
9位 Rikemansbarnet(メナト)

LCQ優勝のZhen選手とは

余り聞いた事がない名前だが、涼しい顔で次々と強豪日本人選手をなぎ倒していくZhen選手に驚いた人も多いのではないか。

■Zhen(ゼン)選手の情報
2004年生まれの中国人プレイヤー。(2023年で恐らく19歳)
キャラはベガ使い。(しらみず氏のブログによるとベガ、ガイル使い)
実力は恐らく中国トップレベルと思われる。
愛称はミートPCやFakeProblemXなど。
プロゲーミングチームのBilibili Gaming(BLG)所属。
2021年9月に行われた8on8チーム戦の「忍中対抗戦」(忍ism Gamingのイベント)にはRou名義で出場。この時はトータル4勝3敗でベガだけを使っていた。

ツイッターアカウント
@zhennnkuang

Zhen選手のLCQ優勝時のツイート

しらみず氏ブログより

・BLG Zhen(ベガ、ガイル)【Ultimate Grand Master】
ゼン。別名はFakeProblemX、Rou、Meat-PCなど色々ある。
DCU、VxBaoと共に、Bilibili Gamingに所属している中国若手強豪。
CPTの成績もかなりよく、オンライン予選は1位DCQ、2位VxBao、3位Zhen。
ワールドウォーリアー大会も、地域決勝の上位8人に残るほどの実力。
CPTとは関係ない今年国内大会で優勝したこともある。

2023年2月「Capcom Cup IX Last Chance Qualifier(カプコンカップ2022当日予選)」に関するメモ

グループステージ結果

トナメ表
https://www.start.gg/tournament/capcom-cup-ix/event/capcom-cup-finals/brackets

3日目までの結果(★は決勝進出)
■Group A
★Takamura(豪鬼、ケン)5勝0敗
★iDom(ポイズン、ララ)4勝1敗

Veggey(バーディー)2勝3敗
Oil King(ラシード) 2勝3敗
RonaldinhoBR(ナッシュ、ブランカ)2勝3敗
SolVNG(ファルケ、セス)0勝5敗

■Group B
★カワノ(コーリン、ルーク)4勝1敗
★Phenom(ルーク、かりん、ネカリ)4勝1敗

The4philzz(ファルケ)3勝2敗
Younghou(バーディー、バイソン)2勝3敗
Doomsnake(バルログ)1勝4敗
Justakid(ジュリ)1勝4敗

■Group C
★VxBao(バイソン、コーディー)5勝0敗
★Valmaster(春麗)4勝1敗

Brandon(ルーク)3勝2敗
Punk(キャミィ、ルーク、コーディー)2勝3敗
Frozen(ナッシュ、カゲ)1勝4敗
JabhiM(かりん、ポイズン、コーリン)0勝5敗

■Group D
★EndingWalker(エド)5勝0敗
★M.Lizard(バルログ)4勝1敗

JOE UMEROGAN(ルーク)3勝2敗
Bravery(セス、キャミィ)2勝3敗
Juninho-Ras(ルーク、リュウ)1勝4敗
REN(ケン、いぶき)0勝5敗

■Group E
★NL(ルーク)4勝1敗
★VegaPatch(ファン)3勝2敗

Kalmal09(エド)3勝2敗
ROF(バーディー)2勝3敗
Magnegro(バーディー)2勝3敗
WFALCON(ルーク、セス)1勝4敗

■Group F
★AngryBird(ケン)5勝0敗
★Mister Crimson(ダルシム)3勝2敗

ChrisCCH(ルーク)2勝3敗
DCQ(ユリアン)2勝3敗
Travis Styles(バイソン)2勝3敗
Uriel Velorio(ケン、コーディー)2勝3敗

■Group G
★Zhen(ベガ)5勝0敗
★ももち(コーディー)3勝2敗

Big Bird(ルーク)3勝2敗
Mono(ファン)2勝3敗
Mortsy(ファン)1勝4敗
Geeck-O(キャミィ)1勝4敗

■Group H
★MenaRD(ルーク)4勝0敗
★ぷげら(バイソン)3勝1敗

Samurai(ルーク)2勝2敗
Myrken(G)1勝3敗
jimmY(リュウ)0勝4敗

■グループステージ所感(2日目まで)
AはTakamuraが力強い戦いで首位。ルークに移行する胴着使いが多い中、豪鬼を使って独自の攻略を見せる。
優勝候補のiDomも本調子ではないながらもそれに続く。

Bはカワノがコーリンとルークを使い分けてほぼ完璧な立ち回りを見せ早々に3勝を挙げてグループ抜けをほぼ確定する。
カワノがルークに着手したのは最近だが、CCに間に合ったのは恐らくスト6のベータ2に参加し、そこでルークの使用感を掴んだからだろうと思う。
2位以下はThe4philzz、Phenom等が入り乱れ混戦。

CはVxBaoが4勝と独走。バイソンとコーディーのダブルメインは日本でもいないが2キャラを上手く使い分ける。
Punkはミラーマッチを挑発的に仕掛けるが、負けが先行し苦しい状況。

Dは話題のEndingWalkerが独特の動きで相手を封殺し首位。
続くのはM.Lizardで手堅い立ち回りのバルログという見慣れない戦い方を見せた。

Eは「力のNL」がルークで隙のない戦いで首位。
ファン使いのVegaPatchも2勝と食らいつく。

Fは死の組と呼ばれ強者が揃う。
AngryBirdがケンを使って3勝と首位。
フランスのダルシム使いのMister Crimsonも2勝で続く。
中国のユリアン使いのDCQは大会前に優勝候補として名前が出たが、負けが先行し苦戦。

GはLCQを首位通過で抜けたダークホースのZhenが3勝で首位。
続くのは日本勢のももち。
Gはファン使いが二人(Mortsy、Mono)とファンのミラーマッチという珍しい試合が展開された。

HはMenaRDが磐石の試合で3勝。
続く日本勢のぷげらが2勝。

内容がいいのはEndingWalker、Zhen、カワノ、VxBao、NL、AngryBird、MenaRD辺りだろうか。
特にEndingWalkerとZhenが目立つ。

EndingWalkerは16歳と大会最年少だが、エドを使って切れのあるフィジカルと余り見た事がない動きや対応を見せ、印象に残った。CPT2022のWorld Warriorで5連覇という化け物じみた戦績はフロックではなく本物だ。

ベガ使いのZhenはLCQで日本の猛者をなぎ倒してLCQを優勝し、グループステージでも負け無しで独走と底が知れない強さ。日本ではどぐらのベガが防御の硬い立ち回りで有名だが、それよりもアグレッシブで手数が多く、当て勘や対空が優れている印象を受けた。LCQ優勝からのCC優勝という夢のルートも現実味を帯びてきている。
Zhenもまだ19歳とかなり若いプレイヤー。

日本勢の3人は負けもあったが順当に勝ち星を重ねた。
恐らく3人ともグループステージ抜けは確定だろう。
※グループステージ2位以上で決勝トーナメント進出が確定。

始まる前はカワノ、DCQ、iDomの三つ巴かと思っていたがEndingWalker、Zhen、MenaRD等も動きが良く、誰が優勝するか現時点では全く分からない。
カワノがウィナーズに残れば少し有利かとは思う。

選手の詳細はしらみず氏のブログを推奨。

キャラ的な傾向としては、ルークが11体と最も多い。これは当然だが、バーディーとファンが3体ずつと多い。エド、ナッシュ、セス、バルログ、ジュリ、リュウ、カゲ、いぶきなど現在の日本のプロシーンではまず見ないキャラも登場し、海外勢とのキャラピックの違いを感じさせる。
逆に日本では強キャラとして認識されているガイルやユリアンだが、ガイルはCCGSでは一人も使用選手がおらず、ユリアンも使用選手はDCQ一人だけである。ユリアンはLCQで日本人選手の多くが使っていたが、CCGSでほとんど姿を見かけないのは驚いた。

■グループステージ所感(3日目終了時点)
3日間のグループステージにより決勝進出者が出揃った。
上位1位が決勝ウィナーズプールへ。
上位2位が決勝ルーザーズプールへと振り分けられる。

Group AはTakamuraがiDomを抑えて1位抜け。2位のiDomはルーザーズの選手にとっては嫌な相手だろう。

Group Bはカワノがルークを主体に戦い1位抜け。急造のカワノルークだがCCでも十分に戦えるレベルである事を証明した。2位はPhenom。

Group CはコーディーとバイソンダブルメインのVxBaoが全勝で1位抜け。2位は春麗使いのValmaster。PunkはValmasterとの直対で1セット失った事で決勝進出を断たれた。

Group Dは話題のEndingWalkerが1位抜け。EndingWalkerはJuninho-Rasのリュウに苦しんだが全勝をキープ。2位はバルログ使いのM.Lizard。

Group EはNLが1位抜け。2位はファン使いのVegaPatch。日本ではまずファン使いが大会上位に来る事はないため、これも海外大会の面白さだろう。

Group FはAngryBirdが1位抜け。2位はダルシム使いのMister Crimson。Mister Crimsonもルーザーズ選手にとっては鬼門になる。
優勝候補に推す声もあったDCQは低調な内容で決勝争いに食い込めなかった。

Group Gは1位がLCQから上がってきて全勝をキープするZhen。ZhenはLCQから一度もセットを落としていない。このまま優勝あるか。2位のももちはZhenに力負けし決勝抜けに一時は黄色信号が灯ったが、MonoがBig Birdに勝つ援護射撃もあり辛くも決勝トーナメントへ進出。

Group HはMenaRDが安定の1位抜け。2位はぷげら。

●ライバルを蹴落としてくれたMonoを称えるMOMOCHI

●CCGS抜けを報告するカワノ(CC裏話等の動画あり)

●1回戦の相手がiDomになったぷげら

■決勝進出(ウィナーズ)
Group A Takamura(豪鬼、ケン)
Group B カワノ(コーリン、ルーク)
Group C VxBao(バイソン、コーディー)
Group D EndingWalker(エド)
Group E NL(ルーク)
Group F AngryBird(ケン)
Group G Zhen(ベガ)
Group H MenaRD(ルーク)

■決勝進出(ルーザーズ)
Group A iDom(ポイズン、ララ)
Group B Phenom(ルーク、かりん、ネカリ)
Group C Valmaster(春麗)
Group D M.Lizard(バルログ)
Group E VegaPatch(ファン)
Group F Mister Crimson(ダルシム)
Group G ももち(コーディー)
Group H ぷげら(バイソン)

全体を通しては、ルーク勢の完成度が高く取得セット率も高い。
ルーク勢はMenaRD、NL、Phenom、カワノ等が使っている。
EndingWalkerのエドとZhenのベガはキャラは少数派だが、日本でも見慣れない攻略やフィジカルの高さでこの二人は間違いなく優勝戦線に絡むだろう。
前回大会優勝の大本命iDomは、グループステージでそこまで本調子ではなかったが、決勝トーナメントで復活するかどうかが鍵だろう。

ウィナーズは全勝の選手が多くどうなるか予想が付かないが、カワノ、NL、MenaRDのルークの完成度が高い。
特殊な動きを見せるEndingWalkerや、LCQから一度も負けていないZhenも不気味な存在。
ルーザーズはiDom、Mister Crimsonの超強豪二人をどう攻略するかが鍵になる。

日本勢は、カワノがコーリンとルシアのダブルメインで安定した試合運びを見せる。コーリンをそこまで見せていない事が海外勢にとっては逆に不気味か。更にポイズン対策にルシアも隠し持っている。
ももちは日本では頭一つ抜けた存在だが、CCでは周りがももちと同等以上の試合巧者ばかりなので余り目立てていない。
ぷげらはグループの人数が一人少ない利点もありライバルが少なく余裕を持って決勝へ進出したが、出来ればウィナーズで抜けたかった。
ルーザーズにはiDomとMister Crimsonがおり、ルーザーズファイナルへは非常に厳しい道のりだ。

■決勝トーナメントの組み合わせ
【トップ16ウィナーズ】
・Takamura vs MenaRD
・EndingWalker vs NL
・カワノ vs Zhen
・VxBao vs AngryBird

【トップ16ルーザーズ】
・iDom vs ぷげら
・M.Lizard vs VegaPatch
・Phenom vs ももち
・Valmaster vs Mister Crimson

決勝トーナメント結果

トナメ表
https://www.start.gg/tournament/capcom-cup-ix/event/capcom-cup-finals/brackets/1254018/1925353

【ウィナーズ1回戦】
・Takamura 1-3 MenaRD
・EndingWalker 3-2 NL
・カワノ 1-3 Zhen
・VxBao 1-3 AngryBird

ウィナーズ1回戦はMenaRD、EndingWalker、Zhen、AngryBirdが勝ち上がり。
Takamura、NL、カワノ、VxBaoはルーザーズヘ落ちる。
カワノはここで勝っていれば、かなり優勝の確率があったと思うが、日本のベガと違う動きをするZhenに苦戦しルーザーズヘ。
ルーザーズで上がってくるであろうiDom、Mister Crimsonがいるため、一度ルーザーズへ落ちるとかなり厳しい戦いが待っている。

【ウィナーズ準決勝】
・MenaRD 3-1 EndingWalker
・Zhen 3-0 AngryBird

ウィナーズ準決はMenaRDとZhenが勝利しウィナーズ決勝へ。
MenaRDはEndingWalkerエドに対してバーディーをピックしリーチ差で有利を取れていた。
EndingWalkerとAngryBirdはルーザーズヘ落ちる。

【ウィナーズ決勝】
・MenaRD 3-1 Zhen

MenaRD (Luke) vs. Zhen (M. Bison) - Winners Final - Capcom Cup IX

ウィナーズ決勝はMenaRDがZhenのベガに対応しグランドファイナルへ駒を進める。
Zhenはルーザーズファイナルへ移動。

【ルーザーズ1回戦】
・iDom 3-1 ぷげら
・M.Lizard 2-3 VegaPatch
・Phenom 2-3 ももち
・Valmaster 0-3 Mister Crimson

ルーザーズ1回戦はiDom、VegaPatch、ももち、Mister Crimsonが勝利。
ももちは何度かあった負けを運でカバーし薄氷の勝利。
ぷげらはグループステージでMenaRDに負け、ルーザーズではバイソンの不利キャラであり優勝候補iDomのララというトナメ運の悪さもあり、一回戦敗退となった。

【ルーザーズ2回戦】
・VxBao 2-3 iDom
・カワノ 2-3 VegaPatch
・NL 3-2 ももち
・Takamura 0-3 Mister Crimson

ルーザーズ2回戦はiDom、VegaPatch、NL、Mister Crimsonが勝利。
日本勢はカワノ、ももちが負け全員大会敗退となった。
カワノは日本のプロシーンで誰も使っていないファン、しかも世界全一のVegaPatchが相手で、善戦したもののここで大会を終える。
ももちもNL相手に力尽きた。

【ルーザーズ3回戦】
・iDom 3-0 VegaPatch
・NL 0-3 Mister Crimson

ルーザーズ3回戦はiDomとMister Crimsonが順当に3-0で勝利し駒を進める。

【ルーザーズ4回戦】
・EndingWalker 1- 3 iDom
・AngryBird 2-3 Mister Crimson

ルーザーズ4回戦はiDomとMister Crimsonが勝利。
16歳の新鋭で大会を盛り上げたエド使いのEndingWalkerはここで大会敗退となった。

【ルーザーズ準決勝】
・iDom 3-1 Mister Crimson

ルーザーズ準決勝はここまでルーザーズを生き残ってきた同士の戦いになるがiDomが貫禄の勝利でルーザーズ決勝へ。

【ルーザーズ決勝】
・Zhen 3-1 iDom

Zhen (M. Bison) vs. iDom (Laura) - Losers Final - Capcom Cup IX

ルーザーズ決勝はルーザーズながら優勝候補のiDomを、LCQ無敗優勝のZhenが落とす波乱。
Zhenは初の海外大会でいきなり決勝へ進んだ。

【グランドファイナル】
・MenaRD 3-1 Zhen

MenaRD (Luke) vs. Zhen (M. Bison) - Grand Final - Capcom Cup IX

グランドファイナルはCC2017覇者のMenaRD(ドミニカ)とLCQを無敗優勝で勝ちあがってきた超新星のZhen(中国)の戦いという、ウィナーズ決勝と同じ組み合わせとなった。
Zhenが唯一負けたのはウィナーズのMenaRDだけだが、それ以外の相手を全てZhenは倒して決勝まで登ってきた。

Zhenベガのサイコチャージからの崩しの連携はここまで全ての相手を倒してきたが、MenaRDはノーミスで正確に対応し、逆にZhenの守りを崩す。
全選手の中で唯一Zhenを苦にしなかったMenaRDが、グランドファイナルでも勝利。
ドミニカの英雄MenaRDがカプコンカップ二度目の制覇を果した。

ストV7年間の集大成の大会で、CC覇者のMenaRDやiDomがベスト8に残る一方、10代の新星ZhenやEndingWalkerも登場し激闘を繰り広げた素晴らしい大会となった。

優勝 MenaRD(ルーク、バーディー)
2位 Zhen(ベガ)
3位 iDom(ララ、ポイズン)
4位 Mister Crimson(ダルシム)
5位 AngryBird(ケン、ラシード)
5位 EndingWalker(エド)
7位 VegaPatch(ファン)
7位 NL(ルーク)
9位 VxBao(バイソン、コーディー、ルーク、ユリアン)
9位 カワノ(コーリン、ルーク)
9位 ももち(コーディー)
9位 Takamura(豪鬼、ケン)
13位 ぷげら(バイソン)
13位 M.Lizard(バルログ)
13位 Phenom(ルーク、かりん、ネカリ)
13位 Valmaster(春麗、メナト)

ストリートファイターリーグ ワールドチャンピオンシップ 2022結果

個人戦の決勝前にSFL2022のワールドチャンピオンシップが行われ、日本代表のGood 8 Squadが優勝となりました。

優勝 Good 8 Squad(Pro-JP)
ガチくん・ぷげら・カワノ・どぐら

2位 UYU(Pro-US)
Xian・NL・Oil King・DCQ

3位 MOUZ(Pro-EUROPE)
The4Philzz・Problem X・Broski・Shakz

カプコンカップ歴代優勝者

■2013年:sako(スーパーストリートファイターIV AE2012)
■2014年:ももち(ウルトラストリートファイターIV)
■2015年:かずのこ(ウルトラストリートファイターIV)
■2016年:NuckleDu(ストリートファイターV)
■2017年:MenaRD(ストリートファイターV)
■2018年:ガチくん(ストリートファイターV AE)
■2019年:iDom(ストリートファイターV AE)
■2022年:MenaRD(ストリートファイターV CE)
(出展:Capcom Fighters

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