見出し画像

流れに身を任せるということ


 私はだいたい流れに身を任せて生きているんですが、それは別に、何でも人任せにするとか、何も考えない、という事ではありません。

 何でもかんでも受け入れる、という事でもないです。

 何もかも諦めてる、という事とも違います。

 例えば旅行に出かける前、夫はすごく準備してくれるんですよね。
 子供たちに号令をかけて準備させたり、あれを持ったか、これを持ったかって確かめてくれます。

 交通ルートなんかも事前に調べてくれたりしてね。

 私は何もしないんですが。

 これだけ夫が準備してくれても、急なトラブルに見舞われることはままあります。
 空港の駐車場が長蛇の列だったりね。

 だから私は、旅立つ前にはいつも、後は流れに身を任せよう、と思うのです。

 大げさかもしれませんが、まさに「人事を尽くして天命を待つ」といった心持ちですね。人事を尽くしてくれたのは夫なんですが。

 そしてこう祈ります。

 この旅が私や家族にとって実り多いものとなりますように。

 何事もありませんように、とはあまり祈りません。何事かはあるものなので。
 たとえどんな状況になろうとも、いい経験になりますように、とか、何があっても楽しめますように、なんて祈りますね。

 そうなるよう、サポートお願いしますね! という気持ちです。

 これが「流れに身を任せる!」の極意かなと思うんですが、どうでしょう?


 私は生活全般においてだいたいこんな心境でいるわけです。

 私のいいところは、何事にも大きな執着を持たない、というところでしょう。

 旅行でもそうですが、

「この景色を見たい」
「このお店でこれを入手したい」

 こんな風に思っていたのに、いざ旅先でそれが叶わなかったとき、やっぱりがっかりするじゃないですか。

 ただでさえそうなのに、

「絶対にこの景色を見たい」
「このお店でこれを入手できなければ行く意味がない」

 こんな風に執着してしまうと、それ以外はすべて旅の目的が叶ったとしても、

「これが叶わなかったせいで残念な旅になってしまった」

 なんて、せっかくの旅が「残念な思い出」になってしまう人もいるだろうと思うのです。

 大きな執着を抱えていると、念のためにBプランを用意しておいてよかったね、そちらも楽しめたね、とはならないですよね。

 執着を抱えている内は、視野が狭まり、自分や物事の流れの行く先が余計に見えなくなります。

 私としては、執着はあんまり持たない方がいいよ、とは思うのですが、人にはあまり言いません。

 強い執着を原動力にしている人もいますし、どんな執着を持ち、それをいつ手放すか、というのはそれこそ千差万別で、その人の人生における主要なテーマであることも多いです。

 それにねぇ、どうやって捨てるの?

 たいていの執着は、自分が抱えているものが「執着」なんだと気付いた時点で半分くらいは解消されます。

 その「執着」がどこから来ているのか、という事を知るとさらに半分が解消されます。

 だけど、自分が何に執着しているのか、わからないんですよね。

 さっき出てきた、

「絶対にこの景色を見たい」
「このお店でこれを入手できなければ行く意味がない」

 これだって、景色そのものだとか、手に入れたい品物そのものに執着しているわけではない場合がほとんどですよね。

 一点の曇りもない「完璧」な旅を求めているなら「完璧」というものに執着しているのかもしれないし、老舗でしか手に入らない「特別」な品物を求めているなら、「特別」なものを持つ自分というものに執着しているのかもしれない。

 自分の心からわき上がる衝動が、どこから来ているものなのか、なかなか本人にはわからないものですよね。


 私が常日頃から流れに身を任せていられるのは、先に待ち受けるものをあまり恐れていない、というのも大きいでしょう。

 なんというか…

 それなりに長い旅路です。
 変なところに力を入れてたら肩が凝るし、全身の力を抜いて、リラックスして身を任せるのが一番楽だし、安全だと思うのですよ。

 人事を尽くして天命を待つ

 それで何かにぶち当たるなら、それは人生において避けようがない出来事だということ。
 もうしょうがないんですから、私は事前にあれこれ心配せず、ぶち当たった時に考えようと思ってます。

 そう、つまり、普段は何も考えていないという事です!(……アレ?)

 違います、余計なことを考えてないということです!!

 
 考えてもしょうがないことは考えないようにしてます。  
 なので、不安になったり心配になったりすることがあんまりないんですよね。

 考えない分、直感が存分に冴え渡ります。

 考えない事に慣れるほど、閃きや直感を受け取る瞬間がよくわかるようになります。

 今何をどうすればいいのか、ということがそれまでよりはっきりとわかるようになると思うんですよね。

 そしてそれを支援するように、手助けしてくれる人たちと合流したりもします。

 今だ! ピコーン!

 そういう瞬間には、普段使わない分頭脳明晰になるのか、頭でっかちになってた頃よりもずっと効率よく仕事ができたり、いい結果を残せる気がします。

 そして直感や違和感を感じた時は、よく目を凝らすようにしています。

 友人に対してなら連絡をとってみたり。

 家族に対して何かしらを感じれば、よく観察して、子供たちのために祈ったり、夫にマッサージを施したりします。

 直感や閃きに従って、調べたり考えたり行動したりしますが、こういった時でもあれこれ考えすぎて不安になったり余計な心配をしたりはしないです。

 考えてもしょうがないことは考えないのです。

 何がどうあっても、結局は、自分の心のままにしか生きられないんですから。
 

 余計な事を考えすぎないようにする、というのは、なかなか難しいと感じる人も多いかと思います。

 そんな人も、まずは、

「やるだけやって、あとは流れに身を任せてみる」

 ということを意識するところから始めてみてはどうかな?

 大きな流れに身を任せてみる、ということがなんとなくわかるようになる頃には、ずいぶんといろんな事が楽になっているんじゃないかな。

 さぁ、みんなで童心にかえって、流れるプールに飛び込みましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?