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【雑記】今昔昆虫採集ゲーム考察(part.A)ーー令和の子も昆虫採集の夢を見る

 夏になり、研究所では昆虫ゲームを中心にプレイをしている。というのも、研究所を開設してある問題に直面したからだ。それは、虫の収録が少ないという問題だ。7月現在、虫の収録項目数は2193項目あるが、これはある一つのゲーム(虫図鑑DS)の1208項目があるからだ。今まで50個以上もいきものゲームをして、昆虫の項目が1000項目いかないくらいというのは、良くない。昆虫が多く出ているゲームや昆虫がメインになっているゲームの多くがまだ未プレイとはどういうことだ。由々しきことだ。こんな状況で昆虫を紹介なんてできないということで、急いで昆虫を集めている。
 その中、どうして虫の収集率が悪いのかを検討した結果、興味深いことがわかったので雑記という形で紹介したい。

昆虫採集ゲームはレトロゲーム?

 研究所開設前、いろいろな設備や収集のために動いていたため、すぐに収録できるゲームはSwitchとSteamに限られていた。しかし、SwitchやSteamに釣りゲームはあっても、虫ゲームがごくわずかしかない!昆虫採集ってどうぶつの森とかに出てくるけど、メジャーじゃないの!?そう思い、ゲームリストを見直した。
 以下がゲームリストから見つけた昆虫採集ゲームだ。ちなみに、ファミコン、スーパーファミコンはない。
【ゲームボーイ・ゲームボーイカラー】
・昆虫博士シリーズ
・Get'虫倶楽部 みんなの昆虫大図鑑

昆虫博士シリーズ『昆虫博士』
Get'虫倶楽部 みんなの昆虫大図鑑

【Playstation(初代)】
・むし太郎
・ぼくのなつやすみシリーズ

『むし太郎』
ぼくのなつやすみシリーズ『ぼくのなつやすみ2』PSPリメイク版

 他にも、ゲームボーイアドバンスでは『GET!ボクのムシつかまえて』があり、DSやPlaystation2ではシンプルシリーズから『SIMPLE DSシリーズ vol.3 THE 虫取り王国』や『THE 昆虫採集』が出ている。この頃は、『ムシキング』の登場もあり、昆虫バトルものが増えているという特徴もある。

『SIMPLE DSシリーズ vol.3 THE 虫取り王国』
『THE 昆虫採集』

 これらは一部を紹介ではなく、研究所のリストで発見した昆虫採集ゲームのほとんどだ。昆虫の出るゲームは細々と存在しているが、昆虫採集のあるゲームはその中でもかなり限られている。
 この後に続くPlaystation3では『ぼくのなつやすみ3』、3DSでは妖怪ウォッチシリーズに一応ある(なんとSwitchの妖怪ウォッチ4では昆虫採集がなくなった)くらいで、昆虫メインのゲームも図鑑一つと『昆虫モンスター』くらいとなる。
 時代が今に近づくほど、昆虫採集ゲームの世界は小さくなっていき、消えてしまいそうな状態となっていた。

昭和のボク君、平成のしんちゃん

『クレヨンしんちゃん 「オラと博士の夏休み」 ~おわらない七日間の旅~』

 さて、ゲーム世界の森の縮小の糸口になるかもしれない考察を、「ぼくのなつやすみ」シリーズを中心にして書いていきたい。
 「ぼくのなつやすみ」では長らく「ボク君」と言われる男の子が主人公(各シリーズ別の人物)であり、その時代背景は1970年代から1980年代とされている。一方、令和に出た新作『クレヨンしんちゃん 「オラと博士の夏休み」 ~おわらない七日間の旅~』(以下:オラ夏)では主人公は春日部に住んでいるしんちゃんが主人公である。『クレヨンしんちゃん』は父母子の四人家族で平成の時代を代表する家族像である。そこから考えると、『オラ夏』の時代背景は平成後半か令和ではないかと思う。
 昭和のボク君と平成のしんちゃんで大きく違うのは、昆虫採集の数だ。ボク君は夏休みの間に150~200種類の昆虫を捕まえてくることができる。しかし、しんちゃんは50種類近くの昆虫を捕まえる。これは二人の年齢差(ボク君は小学生、しんちゃんは幼稚園児)もあるのだろうが、それにしても虫の数が3~4倍は大きい。ボク君の方が虫に対するアンテナの感度が良いのかもしれない。
 現実の子どもたちの話をするが、昆虫採集を経験している平成の子はおそらく昭和よりも少なくなっていて、子どもの虫離れが起きているとも言える。カブトムシを捕まえに行きましたって家もあるだろうが、カブトムシをお店で買いましたという家も増えている。
 昆虫採集は虫を捕る遊びという面もあるが、虫に目を向け興味関心を持つ機会でもある。現実の昆虫採集の経験が減っていくことで、ゲーム世界の昆虫への関心も少しずつ減ってしまっているのではなないだろうか。

「あつ森」は令和の昆虫採集を救うかもしれない

『あつまれ どうぶつの森』

 そんな中、令和になり、『あつまれ どうぶつの森』が国内外で大ブレイクした。どうぶつの森は釣りだけじゃなく昆虫採集をして、それを博物館に寄贈したり売ったりすることをプレイの主軸に置いている。これにより、普段は昆虫に興味もない人も虫を捕るという経験を得ることができた。その影響力は凄まじく、ついには『図鑑MOVE あつまれ どうぶつの森 島の生きもの図鑑』が出版されるまでになった。
 さらにどうぶつの森では捕まえた虫や魚、見つけた化石を展示する博物館があり、それも多くの人に影響を与えた。Youtube動画のゲームさんぽの企画で水族館のこだわりが紹介されたり、さかなクンチャンネルで釣り上げた魚をさかなクンが説明したりされることで、博物館に注目される機会が増えた。その影響なのかわからないが、釣りスピリッツはSwitchで『釣りスピリッツ水族館』を作る。そして、今月末に出る「ぼくのなつやすみ」シリーズ新作と言える『なつもん! 20世紀の夏休み』ではあつ森のように昆虫採集で捕まえた虫や釣った魚を博物館に寄贈できるような描写がトレーラーで紹介されている。もしかすると、令和の昆虫採集では釣りゲームで釣った魚を水族館の水槽に入れて楽しむように、獲った昆虫を博物館で眺める遊びが流行るかもしれない。

 街中であるチョウを見た人が言う。
「あ、あれ、あつ森で見たやつだ!」
 そんな言葉を日常で聞くことが時々ある。
 ゲームで得た経験は必ず現実世界でも活きることがある。魚のように、昆虫も面白いと思ってもらえる人が増え、それがゲーム世界に影響を及ぼす。そんな世界になるといいなぁと思いながら、今日も研究所ではゲームを進めていく。

C
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オマケ:記事で紹介していないSwitchやSteamで遊べる昆虫採集
ドラえもん のび太の牧場物語 | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト (bn-ent.net)
ドラえもん のび太の牧場物語 大自然の王国とみんなの家 | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト (bn-ent.net)

次の記事「今昔昆虫採集ゲーム考察(part.B)」では、あつ森ブームが海外ゲームに及ぼした影響を、どうぶつの森ライクのスローライフゲームを中心に取り上げていく予定。


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