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著者を好きになる事からはじめる、本との対話

自粛期間中、本を読む機会が増えたという人も多いと思います。
とても良い事ですね。私も今日は5冊の本を読んでみて、脳が疲労困憊しつつ、少し気づいた事があるので記しておきます。それは、

読書は物質が相手ではなく、人間が相手だという事

 つまり、著者との対話ですよ、という結論に至りました。
読書をするときは、皆さんどんな読み方をしているでしょうか?マーカーを引いてみたり、ノートにメモしたり、オーディオブックで聴いたり、はたまた速読や多読のノウハウを意識している人もいるかもしれません。どれも間違いだとは思わないんですが、それで果たして知識や見識が胆識(身)になっているでしょうか?

 折角時間を割いて読むのであれば、本の知識を活用したり、登場人物の心情に心から寄り添える人になりたいですよね。それが出来ないなら寝てる方が幸せな気がしてしまいます。笑

 そんな訳で、「対話」のポイントですが、

①著者の事を知る
②質問を考える
③聞きたいことだけ聞く
④どきどきする

事かな、と思います。一つずつ簡潔に説明していきます。ここで、皆さんは恋人とデートする時や憧れの先輩と食事に行くときでも想像して読んでください。

①著者の事を知る

 書き手がどんな人で、何が好きで、何を伝えたいと思っているのか?これを知ることがとても大事です。デートする相手が好きなものを知らなければお店も選べないし、先輩の得意話が野球だとしたら、野球についての知識は入れた上で食事に行きますよね。
 本を読むときには著者の写真を見て、Wikipediaでも見て、人間性を想像しながら、食事の時間に何を伝えたいと思っているのか、どんな事を聞いたら喜ぶのか、それを読む前にイメージします。キャラクターは勝手に作っちゃっても楽しいので良いと思います。声に出して読んでツッコんでも良いし、おしゃべりを楽しむ為に、相手を知る、知ろうとする姿勢が必要です。

②質問を考える

 デートする時に話題が尽きてはつまらないと思われるので、もしくは好きな相手の事をもっと知りたくて、質問を考えますよね。憧れの先輩から仕事のノウハウを聞きたくてノートに質問をまとめてから食事に行く人もいると思います。
 本を読む時には、読む前になんで私はこの本を読むのか?という事から考えて、どんな質問をしたらお互い有意義な時間が過ごせるのか、万が一相手(本)の話がつまらなくても、どんな質問をすれば良いのか?という事を予め考えておきます。それに対する答えは、どの章にあるのか、目次を見ながら気になるところから読めば良いと思います(詳細は③で後述) 因みに、①と②の段階ではまだ待ち合わせ前、つまりまだ本を読んではいません。

③聞きたいことだけ聞く

 ここがポイントです。本を読む時、はじめから終わりまで一字一句読む人が多いと思います。かく言う私もそうだったんですが、ある程度一つの分野に詳しくなってくると、新しい本を読んでも、知っている事が多くなり「4章の3節だけ読めればいいんだけどな...」という事がよくあります。
 対話という視点で考えると、デートをする相手に、0歳から現在までの生い立ちを一日一日聞いたりしませんよね。「好きなものは?趣味は?恋愛経験は?どんな人が好き?」くらいにピンポイントに聞いて相手の事を知ろうとすると思います。憧れの先輩に対しても、「仕事の話は聞きたいけど、プライベートの話は別に...」という事がありますよね。

 同じく、本を読む時は①と②を踏まえて、興味関心が引かれる事や未知の事を目次から探し、そこだけ読み始めれば良いんです。そうすると、短い時間で欲しい情報だけ探し当てる事ができます。これが出来ない人は、読書で疲れちゃったり、読まないページが無駄な気がして結局読書量が減ってしまい勿体ない事になるなと感じています。それが難しい場合は、序文とまとめだけ先に読んで目次をもう一度見返すと、気になる部分が出てくる筈です。
内容が難しすぎてどこを聞けばいいのか分からない時は入門書や動画で勉強する事からはじめ、簡単すぎる場合は、自分ならどう書くか?という観点で読むと良いのではないでしょうか。

④どきどきする

 タイトルの通り、著者を、もしくは登場人物を好きになることです。どんな些細な話でも、好きな相手だと時間も忘れて話を聞いちゃったり、他愛ないことでも知りたくなったりした経験は誰しもあるでしょう。(かく言う私も最近この感覚を知りました...)
 読書でもそうで、その本を手にしたのはタイトルに惹かれたのか、表紙が好きだったのか、そもそも著者が好きなのか、役に立ちそうだからか、何かしら理由がある筈です。その本を買った時の気持ちのまま(出会った頃のまま)読めるように、①~③のポイントを踏まえて、どきどきしながら読むことが大切です。どきどき出来ない時は、今読むべきタイミングじゃないのか、質問への考えが足りてないのかもしれません。

つまり、対話には前準備(下調べ)が大切です。

どんな相手(本)でも、つまらない瞬間はあるし、読みたくない気分の時もあります。そんな時は、①~④のポイントを意識しつつ、なぜ私はこの本と対話するのか、その対話をどう自分の血肉にしたいのか、目的を明確にして読書をすると、自粛期間中の読書が素敵な時間になるのではないでしょうか。逆に言うと、対話がつまらないのは相手(本)のせいではなく、自分に責任があると思います。

 良い本悪い本、というよりは、「自分の知識に見合っているか」もしくは「タイミングが今なのかどうか」そんな事を念頭に置いて、どうすれば本との対話が面白くなるのか考えてみる事をお勧めします。
 また、速読や多読のノウハウは、最近論文を読むとどんどん論破されてきています。対話として考えても、いろんな人と沢山出会うのも大事だけれど、一人の人からどれだけ感情や知識や行動を引き出せるか、のほうが本質的だと思うので、納得の結果です。速読や多読は知識止まりと読んだ気になるだけで、自分や周りの人を幸せにできる程の胆識にはならない実感もあります。

 自粛期間中、会いたい人に会えなくて、話したい事をたくさん抱え込んでいる人が多いんじゃないかなと思っています。そんな中、本を通して沢山対話をしてみて、会いたい人と会えた時には、素敵な時間を過ごせるようになったら良いなと思っています。

 今日考えた事の20パーセントくらいしか綴れていないので、もう少しまとまったらまた書きたいと思います。




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