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スマホアプリのピッコマラインは2億円!?【アプリ売上の指標】

こんにちは。Game-iです。

皆さんは「ピッコマライン」という言葉をご存知でしょうか?SNSなどでセルランや売上に関する話題で上位アプリを語る際に玄人から出てくる言葉です。

ピッコマという名称に馴染みある方も多いと思います。2023年上期(1-6月期)にピッコマが上場するという報道もあり、業績や成長性に興味を持っている投資家もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はピッコマラインと合わせてピッコマの参考情報をまとめてみます。

ピッコマとピッコマライン

ピッコマは株式会社カカオピッコマ(旧: 株式会社カカオジャパン)が運営する電子コミックアプリです。マンガアプリ世界No.1の評価もありご存じの方も多いのではないでしょうか。

Apple/Google両方のアプリストアで常にトップセールスランキング上位にランクインしていることから、セルラン観測者の皆さんが期待値の高いスマホアプリに越えて欲しい成功の基準(ボーダーライン)として「ピッコマライン」が意識されるようになりました。

ピッコマってどれぐらい売れてるの?

ピッコマの売上は韓国の上場企業「Kakao Corp.」が公表しています。(カカオジャパンは日本法人)→IRページ(英語)

直近の売上推移(四半期毎)は下図の赤枠のようになっています。

Q1 2023 Earnings Results

※単位は100万韓国ウォン。売上はネット売上(ストア手数料を差し引いた売上)です。

セルランが右肩上がりで上昇しているようなイメージがあるかもしれませんが、2022年以降の売上実績としては一時期の成長は落ち着き安定しているようです。

・2020年からの売上とセルラン推移

韓国ウォンのままでは直感的に判断がしづらいので、円換算したピッコマの売上とセルラン推移を2020年からのグラフに書き起こしました。

売上は四半期に合わせ3ヶ月の為替レート平均を用いて日本円に換算し、後の計算のためにネット売上からストア手数料(3割)を引く前のグロス売上に変換しています。

2020年から2021年にかけて売上が急増していますね。ピッコマの成長イメージは恐らくこの期間の印象が強いのだと思います。

実際のピッコマライン

前置きが長くなりましたが、本題です。
直近1年間の売上実績及びAppStoreのセルランデータを表にまとめました。

ピッコマライン参考表

数字してまとめると以下の通り。
平均順位: 2.8位~3.3位
月次売上: 53億円~57億円
日次売上: 1.73億円~1.92億円

ピッコマはキャンペーンやセールスなどを不定期に行っていますが、スマホゲームのようなガチャに依存する販売モデルではないため、日々の売上の変動は小さいと考えられます。月次売上や平均順位も落ち着いていますね。

FGOとピッコマのセルラン順位比較

上のグラフはガチャ売上中心のFGOとピッコマの比較です。ピッコマは順位の変動が小さく、日々のデータとしても売上平均と順位平均の関係性が確認しやすくなっています。

ピッコマライン越え

AppStoreのセルランはアプリ毎の売上により順位が設定されます。前出のデータを参考にすると、アプリがピッコマの順位を越えるという事はその日の売上が2億円近いまたは越えている可能性があると推測できます。

ピッコマの売上はまだ上昇する可能性はありますので、現時点の参考値である事をご留意ください。また、指標としてはピッコマに近い順位のアプリなら、越えていなくても日次で億単位の売上を稼いでいる可能性が高と推測できます。

ゲームが売れなくなっている?

ピッコマラインと直接関係するものではないのですがピッコマが売れている影響でゲームの売上が落ちているという話題をたまに目にします。

確かにピッコマの活躍は目覚ましいものですが前述の売上や順位の推移を見る限りは大きな影響を与えているとは言い難いとも思います。

実態を検証するためにGame-iの月間売上予測から過去3年分の同月トップ10データを用いて比較をしてみます。

・2021年4月

Game-i 2021年4月 売上予測

トップはウマ娘、2位がモンスト、3位にピッコマです。
占有比率 ゲーム83.4% : 非ゲーム16.6%

このタイミングのセルラン上位アプリにおいてはゲームが8割以上のシェアを占めています。

・2022年4月

Game-i 2022年4月 売上予測

トップはモンスト、2位がピッコマ、3位にプロスピです。
占有比率 ゲーム76.6% : 非ゲーム23.4%

非ゲームの占有比率が少し増えました。ピッコマの売上が大きく増え、LINEマンガが伸びつつあります。

・2023年4月

Game-i 2023年4月 売上予測

トップはモンスト、2位がピッコマ、3位にパズドラです。
占有比率 ゲーム65.2% : 非ゲーム34.8%

非ゲームの占有比率が3割を越えました。ピッコマ自体は大きく変化がありませんがLINEマンガが引き続き伸び、Youtubeが圏内に登場しました。

Youtubeはスパチャ(投げ銭)に加えてYoutube Premiumを利用する人が増えているようです。最近SNSで広告増加に対するネガティブなコメントを見かけますが、セルランからの分析としてはYoutubeアプリの課金売上に繋がってそうですね。

スマホアプリ市場は使用するアプリの種類によってユーザーが住み分けされている傾向がありましたが、動画配信アプリにおいてはゲーム情報や攻略などコンテンツの性質上ゲームプレイヤーと利用者と重なる可能性が高いと思われます。

案外ゲームの売上シェアを奪うのはYoutubeやライバー人気で伸びている動画配信アプリかもしれませんね。興味ある方は掘り下げてみると面白いのではないでしょうか。

まとめ

・ピッコマの売上成長は一時期に比べると落ち着いている
・ピッコマライン越えは2億円近い売上があると推測できる
・直近ではピッコマの売上シェアは拡大しておらずLINEマンガやYoutubeの伸びが大きい

Game-iではピッコマのような定量的に観測できるアプリの売上実績をもとに様々なランキング帯の情報を収集&分析して売上予測を行っています。引き続きピッコマ及び各種アプリの動向に注目してまいります。

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