Lo-Fi Hip Hopとゲームの関係性
ここ数年、Lo-fi Hip Hopのサンプリングにゲーム音楽やゲームの効果音が使われることが増えたように感じる。
いつ頃からそうなってきたかは分からないけど、だいたい海外の人が創作しているパターンが多い気がする。竹内まりや、山下達郎など日本の80年代シティポップが流行っているのも、おそらく発端は海外の音楽好きがyoutubeなどで広めた(というか自然発生的に広まった?)のだろう。文化の逆輸入みたいな感じ。
私は2016年頃からFuture FunkやVaporwave、Lo-fi Hip Hopなどの音楽ジャンルに興味を持ち始めた。そういうジャンルのアーティストはSoundCloudやyoutubeなどに曲をアップしていることが多いけど、私はだいたいyoutubeで聴く(見る)ことが多かった。
Future FunkやLo-fi Hip Hopなどのジャンルは、youtubeの動画とサムネイルに、昔の日本のアニメのループ動画が使われることが多いけど、それと同じくらいゲームの映像や、ゲームっぽいドット絵が使われている。
たぶん、そのような音楽ジャンルとゲームの映像というのは親和性が高いのだと思う。
そもそも曲から受けるイメージとして
Future Funk:近未来的、レトロフューチャー、懐かしい
Lo-fi Hip Hop:懐かしい、ノスタルジック、儚い、切ない
などがあげられる。
これらのイメージはゲームの映像と結び付きやすく、映像がイメージを視覚的にサポートする役割を担っている。
このように音楽だけでなく、映像などの視覚情報全てを通して、ノスタルジックな感覚や懐かしい子供の頃の記憶を表現、再現、そして追体験しようとしているのではないかと思う。
アーティスト自身、幼少期のゲーム体験があったことで、そのような表現方法を思いついただろうし、リスナー側も有名どころのゲームなら幼少期に体験している可能性が高く、多くの層に響くだろう。特にこのノスタルジックという感情は、他のそれとは違い、誰にとっても少々特別な感情なんじゃないか。
ALEX- I Miss Having Sleep Overs
これは私のお気に入りの曲。いたるところにスーパーマリオ64の効果音やマリオの声がサンプリングされている。しかもサムネイルが”ウォーターランド”の画像を使ってある・・・(遊んだことのある人には分かるはず)
こんなの心地良すぎてまどろんでしまいそう。と同時に、懐かしさともう戻らない子供の頃の思い出に浸り、なんだか感傷的にもなる・・・
youtubeのコメント欄を見てみても、同じようなコメントが多い。
(英語がすごい読めるというわけではないので、なんとなく意訳しながら読んでいるが)
みんなの子供の頃の思い出を読んでいると、まるで自分も同じ体験をしたかのような気分になるので不思議・・・このノスタルジックな感覚は万国共通のものなのかと思うと少しホッとするような、仲間を見つけたような、そんなあたたかい気分になるものだ。