解説と調整方法:フーパブラッキージュゴン CL京都8-2
Cardrush Prosとして活動している あむ(Atsutoshi.Kubo)です。
CL京都お疲れ様でした。
今回はCardrush所属後の初試合ということで良い結果で終えたかったですが、8勝2敗予選33位と中途半端な順位になり申し訳ないです。リプライ等で応援してくださった皆様ありがとうございました。
本記事では自分がCL京都で使用した「フーパブラッキー+ジュゴン」のデッキ解説と、大会に向けてどのような調整を行い、デッキ構築や選択をしたのかを書いていきたいと思います。(途中から有料となります。)
今後の大型大会にも使える発想や考え方だと思いますので、是非。
また、今回は直前のドタバタなど反省点もあり、そちらも合わせて書きました。
それではよろしくお願いいたします。
※当日の試合のレポートがラッシュメディアにて公開されました!
https://cardrush-media.com/archives/891
■CL京都結果
まず、今回自分たち調整グループの結果としては
予選
9-1:1人(とーしん → BEST8)
8-2:5人(フーパブラッキー、フーパブラッキージュゴン、TAGバレット、レシリザ、HAND)
となりました。予選9回戦にて7-1ラインで戦っていた身内4人がマッチングするというかなしい事件が起きてしまいましたが、結果としては中々だったと思います。
正直な所今回のCL環境はかなり迷いました。候補デッキでいうと15以上のデッキがありましたが、完全にこれだと納得の出来るものがなく非常にデッキ選択が難しい環境だったと思います。
それでは本題に入っていきたいと思います。
■今回のCL環境について
今環境のポイントは4つ
①リセットスタンプの登場
②ラスボスレシリザ
③サナニンフ・ガブギラの微妙な立ち位置
④ジラサンの減少
やはり今回の環境に大きく影響を与えたカードはこちら。
リセットスタンプという中盤~終盤の詰めのカードがほとんどのデッキに採用されるようになり、このカードのTAG TEAMとの相性の良さも合わさりリセットスタンプに強いデッキと弱いデッキで命運が大きく別れました。
※リセットスタンプの登場によるデッキ評価の変化
<上方修正>
TAG TEAM GX軸のデッキ
ゾロアーク系統のデッキ
<下方修正>
ジラサン、TAG TEAM単構築、ズガドーンアーゴヨン
非GXズガドーンなどの非GX軸デッキ
このようにTAG TEAM系やゾロアーク系が再評価される形になり、それに対して強い打点とエネルギー加速を有している「レシラム&リザードンGX」は圧倒的に優位な環境であると言えます。
直前のシティーリーグ結果からも、レシリザが圧倒的多数を占めるのは明確でした。
それに対してサナニンフ、ガブギラはそれぞれレシリザに対して有利な構築が作れるというのが自分たちの結論でしたが、新弾発売後2週間・シティー後わずか1週間の間に、そのようなメタった構築のデッキを作ってチャンピオンズリーグに持っていくプレイヤーは多くないというのもある程度予想がつく所です。
また、リセットスタンプにより不利を背負ったジラサンに対して今まで不利だったデッキたち(非GXメインのデッキ)が、チャンピオンズリーグで増えることも予想できました。
ここからは環境をどのように考えデッキ作成や選択を行ったか、また実際の最終候補となった他のレシピなども交えながら紹介していこうと思います。(ピカゼク・サナニンフ・TAGバレット・ズガアーゴ・フーパブラッキージュゴンを掲載しています。)
特にここからの内容に関しては、これからトーナメントプレイヤーとして上位を目指したい方、大会に向けた練習方法をしっかり確立したい方などにオススメだと思います。
逆にそれ以外の方に関しては少し重すぎる内容になるかもしれません。ご了承ください。
■CL京都に向けた調整内容
まず大型大会に向けて練習をするにあたり、大きく4つのステップを決めています。
①環境デッキをしっかりと作る
これは非常に大事なことで当たり前のことかもしれませんが、案外抜けてしまうものです。
今回の環境で言えば「レシリザが流行ってるからレシリザに強いデッキを組んでみよう」というスタートは非常に危険。
レシリザやピカゼクといった環境デッキをしっかりと理解し、かつミラー対策やジージーエンド環境での変化なども踏まえた上で、環境デッキがどのような構築になるか結論を出すことが最初のステップとして重要だと考えています。
例えば今回のジージーエンドにおいて2枚のカードが出ました。
このどちらも非常に強力な効果で、特に「サーナイト&ニンフィアGX」はこの2枚のカードのおかげで大きく安定性を増した構築が出来るようになりました。結果としては決勝トーナメントに1人のみでしたが、3位に入賞するポテンシャルを持っています。
またリセットスタンプの登場により、終盤サイドが少ない状態で「ワンダーラビリンス◇」を貼られると多くのデッキは非常にマズいことになります。
こういった環境デッキが以前からどのように変化し、強くなったのかを把握しないと、環境デッキの相性表も誤った考え方をしてしまう可能性があるため、まずはしっかりと作ってプレイしてみるという行為は大事です。
また、チャンピオンズリーグに持っていくデッキが決まらず、デッキ選択に迷ってしまった時でも、環境デッキのプレイングに慣れておけばそれで出るという選択肢も生まれるのでオススメです。
②相性表を作成する
各デッキの相性に加え、使用者数の予想をざっくり踏まえて評価ポイントまで計算をします。
例としては上記のような感じです。実際はこれを10デッキ分ほど相性表を埋めるようにしています。
③それを踏まえデッキのアプローチを決める
相性表を理解した上でのアプローチは大きく2つ
A:環境デッキの不利マッチアップを解消する
(ex.こだわりメット、バリヤード、などのピン差しカードの採用)
B:環境デッキに有利なメタデッキを作成する
(ex.カエループ、ラフレシア、HAND、フーパ系など)
基本的に自分たちの調整チームはどちらのアプローチも行っています。前回のCL千葉では最終的にAのアプローチを行った結果のジラサンUBで出場しましたが、今回は最終的にBのアプローチで出場しました。
どちらのアプローチを取るにしても、環境デッキ自体の理解度が高くなければならないので、まずは①の工程をしっかり行うことが大事だと思います。
さらにAのアプローチを行う上で大事なことは「既に有利なマッチアップを更に有利にする必要はない」こと。
ここの部分をしっかりと意識しないと余計なタッチカードが入ったり、デッキが上手く60枚に収まらないなどの問題点が出てきます。
意識するべきなのは不利なマッチアップとミラーに関してのみ。そこに関して何故不利なのか、どうすれば有利になるのかを考え何度も試行錯誤することが大事だと思います。
Bのアプローチに関してですが、ポイントは後述(※■候補デッキの作成)しております。
とはいえいわゆる閃きのようなものも必要なのは事実です。
しかしヒントは様々な所に隠れています。Twitterで検索したり、ジムバトルの優勝レシピを細かくチェックしたり、そういった情報収集からたどり着くことが出来るかもしれません。
実際に新潟で使用した「カエループ」や今回の「フーパブラッキー」も似たようなデッキタイプやコンセプトはTwitterにあったり、ジムバトルで結果を残していたりしました。
④実際に調整を行う
ある程度自分なりのアプローチが決まれば、後は試行錯誤の連続です。
カードリストを見ながら、何度も対戦しながら「なぜ勝てたのか?」「なぜ負けるのか?」を言語化して振り返ることが大事です。
純粋に「リセットスタンプで事故ったから負けた」は意味あるフィードバックとは言えません。
何故リセットスタンプが刺さったのか
→デッキに不要なカードが多かった
→ジラーチを事前に倒されていた
→サイドを3-1-1で取ってしまった
としっかりと理由を分析し言語化することで、構築の欠点や見た目からでは見えないデッキの弱点が見えてくるようになります。
それでは今回の環境での実際の調整を振り返ってみましょう。
■環境Tier予測
やはりTier1は使用者数も圧倒的に多いであろう「レシラム&リザードンGX」
「ピカチュウ&ゼクロムGX」はTier1.5ほどの感覚ですが、レシリザが流行したため以前ほど対策(ルガルガンGXや非GXマッシブーンなど)がされにくいためTier1を維持し続けると予想しました。
■環境デッキの作成
①レシラム&リザードンGX
レシリザ&ブースター
(4/7 シティーリーグ優勝レシピ)
レシリザ&ボルケニオン
(4/7 シティーリーグ準優勝レシピ)
どちらのレシピもミラーを見たククイ博士+ハチマキが採用されています。
1位のレシピはミラーだけでなくゾロアーク系統や、ブースターGX&非GXブースターの採用でフーパやラフレシアにも強いのが特徴的でした。
②ピカチュウ&ゼクロムGX
フルドライブの速度が大事になったため、エネルギーつけかえ+マルチつけかえの6枚体制&コケコ◇+サイド落ちケアのレックウザGX
以前より打点の要求値が上がっているため、ライライGXの160打点&ハチマキ2枚の採用
スタンプに対してデッキの中身がかなり強いためヤレユータン1枚だけで復帰出来ることが多く安定して強い。
③サーナイト&ニンフィアGX
コーチトレーナーとタッグスイッチとリセットスタンプにより強化を受けたサナニンフ。
レシリザに勝つためにこだわりメット、サナニンフをメタってバリヤードを入れてくる相手やラフレシアに対して隠密フードが必要な環境でした。
④ゾロアーク系統
こちらに関しては構築タイプが多く、特定のレシピはありません。
ペルシアンGXがこのデッキにおいて尋常じゃなく強いので、以前に比べてタッチカードの安定性も増し、カウンターっぽい動きでTAG TEAM相手を戦う動きが強くなりました。
このデッキに関して回す中で、現環境においては特に「レシリザ」「サナニンフ」が厳し目だという認識になったため、以下のような対策カードを入れるタイプのデッキが多くなるだろうと予想しました。
レシリザ対策として以下のカード
サナニンフ対策として以下のカード
カウンターエネルギー+カウンターゲインを入れるタイプ
⑤ガブリアス&ギラティナGX
ここに関してはかなり難しかったです。
自分たちが調整をし続け、辿りついた「ひかるミュウ+特殊エネルギー型」のTAGバレットのような形は環境での理想形だと思いましたが、発売から間もない中でどこまで進んでくるかが難しい所でした。
実際に作成したデッキは当日四天王のイタガキシュウトが使用し、8-2で終えています。
※レシピや解説はこちらから
シティーリーグでも目立った成績を残しておらず、レシピが出回っていないのもあり、チャンピオンズリーグでは一般的な「ひかるミュウ+基本エネ型」か「カラマネロ型」のどちらかしかいないだろうと予想。
特に多いのは扱いやすい「カラマネロ型」だと判断し以下のようなレシピを想定しました。
■候補デッキの作成
ここまで環境デッキを作成し、今環境でのポイントを改めて整理し、デッキ作成に取り掛かりました。
デッキ作成におけるコツですが、要点をしっかりと言語化することから始めると良いデッキにたどり着くことが多いです。
あれもこれもとやりたいことを詰めすぎると破綻してしまうため、まずは環境において大事なポイントを言語化し、2~3つの要点をしっかりと満たすデッキをたくさんブレストして、良さそうなものを煮詰めていくという工程がオススメです。
実際に今回自分が大事だと感じたポイントは以下の3つでした。
①リセットスタンプに強いデッキがいい
②TAG TEAM相手に絶対的に強いデッキがいい
③ジラーチサンダーは減るため今まで弱かったデッキを考え直す
それぞれ少し紐解いてみましょう。
①リセットスタンプに強いデッキとは
A:ドローソースを搭載している
→エンニュート、ゾロアークGX、ジラーチ、ヤレユータンなど
B:盤面だけで強いデッキ
→TAG TEAM系、カラマネロなどのエネ加速、低コストで優秀な技を持ったポケモン
という2つのアプローチが考えられます。
②TAG TEAM相手に絶対的に強いデッキとは
A:TAG TEAMを詰ませる
→フーパ(アローラキュウコン)、ラフレシア、ドータクン(オニシズクモ)
B:TAG TEAMを一撃で倒せる
→カウンター系(カウンターエネ+カウンターゲイン)、ズガドーンGX、ズガドーン、シャンデラ、ヒードランGX、カプコケコGXなど
こちらも2つのアプローチが考えられます。
③ジラーチサンダーが減るメリットとは
ジラーチサンダーは非GX相手とのトレードが非常に強いデッキでした。
タネポケモンや1進化は簡単にトレードされてしまうため、「リザードン」など進化ポケモンを軸にするデッキタイプはサイドレースがかなり厳しく環境に存在しにくかったのです。
なのでそれらのデッキ(特に2進化アタッカー)の可能性を考え直しました。
ここまで挙げるとまずは作ってみたいデッキアイディアが浮かびます。
例えば
①A:ドローソースを搭載+②B:TAG TEAMを一撃で倒せるで考えると、
エンニュートを搭載したズガドーンGXアーゴヨンというデッキタイプが思いつきます。
エンニュート自体は炎エネと相性がよくアーゴヨンとも相性がいい。
さらにエンニュートは超タイプのヤトウモリがいることから、ミステリートレジャーでのサーチも困らず既存のデッキに難なく入って機能しそう。
このように要点をしっかり絞って考えることで、どんどんとデッキのアイディアをブレストしていくことが出来ます。
このようにブレストを行った後に、後はデッキをひたすら作って試行錯誤するだけです。
逆にこのように大事なポイントを意識せずひたすら②のTAG TEAMに強い!だけで組んでしまうと、安定性にかけ、リセットスタンプにも弱い脆いデッキが出来てしまいます。
ポイントを意識してデッキ作成を行っていくのはそういったあまりよくないデッキを作ってしまう時間を省けるため、時間的効率的にもオススメです。
そうして組み上げた最終候補が次に紹介する4つのデッキになります。
■直前でのデッキ候補
今回の環境は本当に多くのデッキが候補に上がりました。
その中で直前での候補となったデッキは以下の4種類
①シャンデラ
②TAGバレット
③フーパブラッキー
④ズガドーンGXアーゴヨン
①シャンデラ
シャンデラは安定していて、かつTAG TEAMも倒せる火力が出るのが魅力でした。
基本的にはシャンデラをメインにしつつ、リザードンというサブアタッカーでも火力を出しに行きます。山を出来る限り早く掘り、タケシのガッツからシャンデラとリザードンどちらも強い山を作る動きがとても強かったです。
ですが、あまりにも「レシラム&リザードンGX」が流行った環境だと
これらの対炎最強カードをいれるプレイヤーが一定数いると予想し、そこに負けてしまうと9-1ラインを達成するのはかなり厳しいため、シャンデラという候補はお蔵入りに。
②TAGバレット
こちらは実際にイタガキシュウトが使用し8-2を達成しましたが
→本人解説記事:https://note.mu/taku_shu/n/nd7d0487ace5a
ひかるミュウが基本エネルギー以外も加速出来る点に注目し、ガブギラTAGを中心に、マーシャドー&カイリキーやゲンミミ、サナニンフなど様々なTAGで環境デッキに対して満遍なく強く戦うデッキでした。
デッキ案はこのような形でした。間違いなくデッキパワーは高かったものの、自分自身のプレイング精度が低く、レシリザ相手への勝率がそこまで安定しなかったことがあり、直前で使用を断念しました。
③フーパブラッキー
このデッキタイプは現環境においてフーパで詰ませるというアプローチを考える中で、フーパ1枚では厳しい環境であると感じたため、フーパを複数枚入れ「フーパ」を倒してくる奴らを全て倒すというコンセプトから生まれたものです。
彼らを倒すために、様々な候補のカードがありましたが最終的にエネ色の噛合いなどもあり、「ブラッキー」という相方になります。
今環境でキツイカードは上記のようなカードだけだったので、ほとんどブラッキー+ミカルゲorジュゴンで倒せるカードでしたが、今後そうでなくなってくる場合は、フーパの相方や構築を変えるべきかもしれません。
実際「カウンターエネルギー」+「カウンターゲイン」で動く構築にすれば非GXであれば本当になんでも入るデッキになります。
例えばサナニンフなどのフェアリータイプが増えて、「ゼルネアス」がどうしても突破できない環境になった場合は「ニダンギル」を採用し、カウンターエネルギーやカウンターゲインを採用してデッキ構築を行います。
他にも闘タイプ弱点のポケモンが流行り厳しくなった場合はナゲツケサルなんていう選択肢もありだったりします。
今回は現環境読みに合わせて「フーパ」+「ブラッキー」を軸にしましたが、環境に合わせてデッキ構築を行えるデッキなので、もし今後も使っていく方がいらっしゃれば色々カスタマイズしてみてください。
④ズガドーンGX+アーゴヨン
TAG TEAM GX環境になれば強くなるのが青天井系のデッキ。
ズガドーンアーゴヨンというデッキタイプは少し昔のデッキタイプでしたが、エンニュートの登場や溶接工の登場から過去のタイプより更に強くなっています。
特にGX技「バーストGX」があることにより、サナニンフ+ムウマージ2回やレシリザ+ボルケニオン体といった3-1-1-3とサイドを取らせる動きを封じることが出来るため最後まで選択肢になったデッキでした。
今回はスタンプ後のリカバリーを考え、エンニュートラインを採用。(ミステリートレジャーの兼ね合いもありメタモン◇は不採用)
巨大なカマドと溶接工の噛み合わせは本当に強く、以前よりビーストリングターン以外でもTAG TEAMのようなHPの高いポケモンを倒せるようになりました。
しかしこのデッキの欠点はどうしようもない事故の存在。
デッキに基本エネが15枚も入っていることもあり、どうしようもない手札事故が起きてしまうことがありました。
今回のチャンピオンズリーグが10回戦で、かつ9勝しないといけないという考えが直前のデッキ選択時に抜けていたため、このデッキタイプを使用する予定でいましたが、やはり今回の形式においてこの事故の怖さは捨てることが出来ず、直前でこのデッキも使用を辞めることになりました。
これら計4つがチャンピオンズリーグ前日のデッキ候補でした。ここから前日の悪夢が始まります。
■前日の悪夢
元々チャンピオンズリーグに出場するデッキで迷ったことはほぼありませんでした。決めきることが得意なのと、納得の行くデッキが常にあったからです。
しかし今回はどのデッキも怖さがあり、どのデッキも魅力的に見える環境でした。
上記に書いたとおり、チャンピオンズリーグ数日前の反省点としては
「今回は9勝1敗以上しなければならない大会である」ことが抜けていたことです。
そのため「ズガドーンGXアーゴヨン」や「シャンデラ」といった選択はあまり良いと言えるものではありませんでした。しかし彼らの打点の高さや、戦いやすさから直前1週間の練習はほぼ彼らに費やしました。
京都に持参したデッキも
①シャンデラ ②ズガドーンGXアーゴヨン ③保険用のTAGバレット
の3種類だけで、前日京都についてから調整を行っていく中で大会への不安が増し、3つのデッキ全てがお蔵入りになってしまいました。
残った候補は「フーパブラッキー」
しかしここからが悪夢でした。当たり前ですが、調整メンバー含め誰も「ミカルゲ」「ブラッキー」「ブラックマーケット◇」を余分に持ってきておらずデッキコンセプトが崩壊。
それらのカードを使わずに、「フーパ」軸のコンセプトをぶらさずにデッキ作成を開始しました。
まずは事前に候補に上がっていた「カウンターエネルギー」「カウンターゲイン」を搭載した「ニダンギル」型の「フーパニダンギル」
サナニンフが多そうな環境であればこれで行こうという考えのものでしたが、ブラッキーと役割自体(フーパを倒してくる奴らを全て倒す)は同じもの。
カウンター運用になるので、少しテンポが遅くなってしまいますが、当初はこれで出ようと考えていました。
そんな中改めて調整カードのストレージを見直しているとあるカードに気付きます。
お前…全部倒せるやん…
そう「ジュゴン」であれば環境に多くいる「ボルケニオン」や「フーパブラッキー」型では苦手としていた「カラマネロ」や「ジガルデ」といったデッキタイプにも勝てるのです。
想定外の非GX2進化デッキと対戦したときも、先攻であればデュアルブリザードで優位が取れるのも評価が高かったです。
そうして調整やデッキ構築、試運転を行い朝を迎えます。
最後に「ブラッキー」「ミカルゲ」「ブラックマーケット◇」の希望だけ残し、調整グループに募集を投げ1時間の仮眠に…
そして起きてみるとなんと奇跡のラインが。
「ブラッキー」「ブラックマーケット◇」が見つかったことで、ほぼ当初のコンセプト通りのデッキで出ることが出来るようになりました。
しかしミカルゲがなく、中盤のアタッカー不足が問題に。
そこで悩んだ結果現在の「ジュゴン」メインの「フーパジュゴン」に「ブラッキー」を2ライン入れる形でデッキ構築を変え、出場することにしました。
ここからは最終のデッキリストと、主な環境デッキに対するゲームプランです。(※デッキ性質上、とーしんの記事と一部被る部分があります。ご了承ください。)
■最終リスト+採用カード解説
結果このようなリストになりました。このリスト自体は1度も回さず挑むことになりましたが、フーパブラッキー自体の慣れとコンセプトの理解があったため、その点は問題なかったです。
・ジュゴンライン+トリプル加速エネルギー
純粋な「フーパブラッキー」の場合、受け気味のデッキになりますが、このデッキは攻めていくタイプのデッキになります。
そのためそれに必要な「パウワウ」と「トリプル加速エネルギー」は4枚。
・サポート配分 リーリエ4シロナ4エリカ2ポケギア4
このような非GXのデッキタイプでは、サポートの使用回数が多くなります。
またリセットスタンプの対応も考え、ドローサポートは厚めに積んで構築しました。これは「フーパブラッキー」も変わりません。
・グズマ4+カウンターキャッチャー1
ベンチにいる非GXポケモンに対し、先にダメージを与えに行かなければならないため、ベンチを呼ぶカードの重要性は非常に高いです。
ジュゴンの場合はより能動的にサイドを取りに行くデッキタイプなので、カウンターキャッチャーを1枚減らしています。
・スタジアム
ジュゴンを採用したことで、「喰いつくされた原野」を貼る必要性がありません。そのため苦手とするジラーチサンダーといったデッキに対応するため「ラナキラマウンテン」を採用しました。
・リセットスタンプ
ブラックマーケット◇と同時にしようすることで大きなアドバンテージを得られるカードです。ドローサポートにシロナを採用している関係もあり、ゲーム中必要な場面で必ず打ちたいため2枚採用しました。
・採用候補のカード
フーパ
非GX相手に1エネでサイドを取れるポテンシャルを持っている良カード。盤面によっては「カラマネロ」なども倒せるため採用候補でした。しかしフーパと同名カードになるため、バンデットガードを減らしてまでいれる枠ではなかったため不採用。
■ゲームプラン
「フーパを倒してくるポケモンを全て倒す」
大事なのはこの1点だけです。相手にサイド6枚取られなければ勝ちなので、焦らずに上記を意識してプレイしていきましょう。
フーパ以外のカードを出しすぎるとグズマでサイド6枚を取られてしまうので、そこだけは注意しましょう。
・レシリザ
ジュゴンを採用しているため、「ボルケニオン」の複数処理が非常に楽です。基本的にレスキュータンカが採用されているデッキはなく、多くて「ボルケニオン」は3枚だと思うので、それを倒しきり、最後は「ビクティニ◇」だけをケアしてプレイしていれば大丈夫です。
・ピカゼク
採用されているカードがどれも「ブラッキー」圏内です。
(サンダー、カプコケコ◇、ヤレユータン、ひかるルギアなど)
かつ相手は「サンダー」などでしか序盤に殴ってこれないため、こちら側の猶予は数ターンあり、フーパ複数体やデュアルブリザード2回で倒すプランも取ることが出来ます。
・サナニンフ
ゼルネアスが非常に厄介な相手です。
プランとしては、フーパ以外出さずにどちらのフーパにも2エネor3エネを付けて置きます。そもそもゼルネアスなどの非GXがいなければそれで勝ちですし、倒された場合はフーパを逃し、ブラッキーでかたきうちから先にダメージを載せることで有利に動きます。
・ガブギラ
ひかるミュウ型の場合は非GXが多くないため、その1,2体を全力で倒せばフーパで勝てます。(ジージーエンドは効果を受けません)
カラマネロ型の場合は「ジュゴン」を複数体用意し、相手のカラマネロを倒し切るのがプランになります。デッキ的にカラマネロが3枚のリストやレスキュータンカが入っていないリストが多いため、ジュゴンで2体、ブラッキーで1体という形で取れれば基本的に有利に動きます。
・ウルネク
基本方針はカラマネロ型と変わりません。ギラティナは自傷ダメージがあるため、ジュゴンのデュアルブリザードが効果的に刺さります。
ひたすらギラティナを無視してカラマネロを倒しきり、有利を作っていきましょう。
・ジラサン
厳しいマッチです。しかしフーパがHP120であるため、序盤にエレキパワーを使用してもらい、中盤からジュゴンやブラッキーで無双するのが主なプランになります。
①まずはフーパにエレキパワー2枚
②ブラッキーにエレキパワー1枚
この時点で残りのエレキパワーは1枚になるため、ジュゴンやブラッキーが通しやすくなります。
また、このマッチアップにおいては、相手側の方がアタッカーが多いためサンダーを倒す価値はありません。ひたすらジラーチやマグカルゴといったシステムポケモンを狙います。
そうしてサイドをイーブンに進めていき、最後はリセットスタンプ+ブラックマーケット◇からこちらが圧倒的に有利な盤面を作れれば逆転することが出来ます。
・ゾロアーク系統
ひたすらアローラベトベトンを狙います。
先攻を取れればジュゴンが効果的に働きますが、後攻の場合はしっかりとブラッキーを用意し、アローラベトベトンをすぐに倒せるようにしましょう。
1度倒せば後はエネテンポが追いつくので、出てきた「アローラベトベター」や「メタモン◇」をグズマで倒していけば基本的に勝つことが出来ます。
■最後に
今回のチャンピオンズリーグは9勝1敗が予選通過ラインという非常に厳しいものでした。そのため、デッキ選択もそれを想定して2敗するリスクがあるデッキ選択はしてはいけなかったなと思います。
ですので「ズガアーゴ」や「シャンデラ」といったデッキタイプは早めに諦めて、他の候補デッキを探しておくべきだと反省しています。
最終的に今回フーパブラッキー系統のデッキを握ったのはCL10回戦のうち「ジラサン」もしくは「LO」相手に1敗する想定でした。
結局どちらも踏んでしまい2敗となりましたが、これも環境読みはそこまで外していなかったものの、「ジラーチサンダー+ライライGX」という新しい形をあまり回していなかったので、そのデッキパワーに気付くことが出来なかったのが反省点だと思います。想定よりジラサンを使う方は多かったです。
今回は自戒の意味も込めて調整時にいつも考えていたことを言語化しました。これからはこのステップを絶対に忘れずにしっかりと環境に強いデッキを組んで良い結果を残していこうと思います。
■謝辞
今回記事をご購入いただきありがとうございます。
有料noteに関しては「買ってよかったな」と思ってもらえるような記事になるよう尽力しております。
今回の記事も感想等ありましたら、Twitter(@4mutaaan)までリプやDMいただけるとありがたいです。
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