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凄まじいアニメーションを堪能「傷物語 こよみヴァンプ」

物語シリーズは「化物語」からそれなりに見ていましたので、主な登場人物やストーリーの流れは履修済み。ただ、本作は化物語の前日譚で、しかも結構タッチが異なる表現でアニメ化されていましたので、戸惑う部分もありました。

登場人物は少ないし、走っている車も全部同じなのに、不思議と閉塞感はなく、むしろTVアニメより広さを感じました。春休みという学校に人が少なく、限られた期間であることと、動きまくるアクションシーンの迫力、フォトリアルだけど不思議とキャラ絵とマッチしている背景などが、開放感を生み出しているのでしょうか……。

ストーリーはいわゆる「ゼロへと至る物語」で。阿良々木くんがいかにしてキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと本編のような関係になったのかを描いているわけですが、想像以上にダークな物語ながら、思ったよりTVシリーズの雰囲気も感じさせる不思議な塩梅で。
ダークな部分は主要キャラクターの内蔵も飛び出る容赦ない人体破壊から殺人、果てはある意味残酷な、ある意味慈悲あふれる結末に至るまで徹底して貫かれており、美麗かつ激しく動くアニメーションで、余すところなく描いていました。

逆に緩めのTVシリーズの雰囲気は、殆ど阿良々木くんと同級生の羽川さんの間で醸し出されていました。結構顔がギャグ顔になったりと楽しいシーンも多かったのですが、執拗に羽川さんの胸が揺れたり、パンモロになったりするシーンは、描写的にそこまでしなくても、な気持ちのほうが強かった印象です。勿論性的なシーンもその後のキスショット(略)との会合に繋がる要素なので、描かない訳にはいかないと思いますが、カメラ後ろに回してもいいんじゃ……、というのが個人的な思いです。まあ、こういうエロな表現も物語シリーズの魅力だったのかもしれませんが、最近こういう表現がノーサンキューになっているため、なんだかなあ、と思った次第です。

でもまあ不満点はそれくらいで、映画館でとてもよい一本の作品を堪能できたのは間違いないです。
以前3部作で製作されていた作品を再構成しているようですが、未見の私にとっては過不足無く、一つの作品をガッツリ堪能できました。

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