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作ってくれてありがとう「ルックバック」

藤本タツキ氏による読み切り漫画を、押山清高監督がアニメ映画化した本作。一流の漫画家によるクリエイターの業を描いた作品が、これまた一流のアニメーターによる業の作品として昇華されていました。

細やかなアニメーション表現により、主人公藤野の心の移り変わりはより鮮やかに表現され、また京本の人生も、悲劇だけじゃない、生きてきた証がしっかり伝わる作品になっていたと思います。

何より1時間未満という上映時間にも関わらず、伝えたいことを過不足なく描ききっていたことに拍手を贈りたいです。

私個人としては、当時読み切りを読んだときは、京本の悲劇のモデルとなった京アニ事件からまだ時間が経っていないこともあり、良い悪い以前に受け止められない気持ちが強かったです。
それもあって、家族が行きたいと言いだすまで、鑑賞するつもりはありませんでした。
しかし本作は、原作からアニメ化するに当たって、客観的な視点を得たおかげもあってか、事件の話も少し相対化して捉えることができました。
結果冒頭のポストのように、見てよかった、という気持ちになれる作品となっていました。
細かい表現にも魂がこもっていますので、配信等で見れる環境になったら、改めて鑑賞したいところです。

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