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先に感想読むと駄目な系かも「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」

とりあえず上映時間が3時間10分とべらぼうに長く、最近の映画館では予告、CMが20分くらい入る劇場もザラにあるため、まずは途中退場しないよう準備万端で臨んでいただくのがいいかと。

さて、本編ですが、私はイオンシネマのハイフレームレート3D字幕版で鑑賞しました。迫力ある映像だったのは間違いないです。ただ、ハイフレームレートの映像が、実際通常のフレームレートとどう違うかと言われても、同作品で見比べた訳でありませんので、なんとも言えないところ。機会があればそちらも鑑賞したいのですが、いかんせん長さが……。

さて、ストーリーは1から10数年後、地球人ジェイクがナヴィとなり、恋人ネイティリと子供をもうけて家族で幸せに暮らしているところから始まります。突如地球からRDAの侵略軍が訪れ、彼らは戦いますが、ターゲットがジェイク一人と感じた彼は、家族を連れて海の種族メトケイナを訪ねます。

ジェームズ・キャメロンと言えば、映画監督であるとともに、海洋研究者としても有名な人。そんな彼が作り出した惑星パンドラの海は、その生態系も含めて、本当にこの惑星が存在し、そこで撮影をしてきたかのよう。勿論前作でも桁違いの存在感を示したナヴィたちも、その表情の豊かさ、佇まいは実在しないとは思えないリアルさでした。
この映像の凄さはどんなに文章で書いても伝わらないと思いますが、とりあえず、前作も凄かったけど、今回は本当に凄すぎた、と断言できます。
また、イルカっぽく人間と共存している海棲生物の名前が「イル」だったり、ネーミングにも親しみが。
更に敵方ではありますが、RDA側の兵器やメカニズムは相変わらずオタク心をくすぐるデザインが多く、特にカニロボット型の潜水メカなどは、模型で出してほしいと感じるほど良いデザインでした。

一方で、ストーリーは正直「ありきたり」に感じました。家族が大事、や自然を守ろう、というテーマの作品は無数にありますので、それらに比べて抜きん出ているという印象は受けませんでした。自然については特に、クジラに似たタルカンという水棲生物を狩って、体の一部分を採取して捨てる所業を描く様は、グリーンピースの教科書にしたら売れそうだねー、という感想しか湧きませんでした。地球の破滅が近い、と言葉では言われていますが、その描写が(敢えて?)なされていないので、なぜ共存を目指さない?と不思議な気持ちしか起きないのです。

また、家族をめぐるストーリーも正直納得感が薄いです。ジェイクは軍人気質が抜けきれないのか、「父親の仕事は家族を守ることだ」とマッチョな思想ばかり考え、次男ロークを結局最後まで信頼せず終わる展開には、びっくりさせられました。まあ、これは3以降で解消されるのかもしれませんが。
家族といえば、子供たちがやたら囚われの身になる展開が続くのもいただけません。計3回も捕まって逃げるとか、敵も味方も間抜けすぎます。

といった感じで、ストーリーの感想だけ読むと、結構駄作の雰囲気もあったりするので、ぜひ本作は他人の感想を読まずに鑑賞することをお勧めします。

パンフレットは、1650円。表紙にはヴィジュアル・ディクショナリーとあるように、惑星パンドラと本作に登場するキャラクター、小物を解説した設定資料集になっています。64ページの本書を読むだけでも、キャメロンが膨大な設定を作り出したことが伺えるので、ファイブスター物語の設定資料集「デザインズ」を喜んで買うような方にお勧めできます。
結構裏設定的な「ファクトファイル」も記載されており、例えばジェイクが地球の状況をどう思っているか、など、劇中では描かれていない話も読めますよ。

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