【忖度なき採点＆寸評】宇佐美貴史のゴラッソに胸躍るも…緩んだ王者にボコられる。これが現実。
【前書き】
王者との力の差。
これがはっきりと出た試合でした。
０－０の時間を長くして、少ないチャンスを待つ。
そんなわかり切ったプランを開始直後の２失点でぶち壊され。
宇佐美のスーパーゴールで１点を返したことも、
宇佐美曰く
「自分たちが良くなったというよりは、相手が２点を奪って、状況的にも川崎Ｆが優勝も決めているので、少し相手の勢いが止まったところで自分たちが持ち返した感じかなと」
つまり、なめられていたと感じていたのでしょう。
悔しいですが、現実です。
【戦評】
４－３－３でボールを動かし、相手の隙間をついてくる川崎に対し、ガンバは４－４－２のブロックで対抗。
まず立ち上がり、失点したくないという意識が強すぎたのか、前からの守備は仕掛けることができず、ＤＦライン、中盤の４－４ラインを下げて、自陣ゴール前でしのぐ、という状況をつくられました。
しかし・・・
１失点目。ペナルティーエリア内を８人で守ったことで、大外はドフリーに・・・
中に固められているとみるや、川崎は中央からサイドへの飛ばすパスから、右サイド・山根のダイレクトクロス、これを中央でダミアンに押し込みました。
中でマークを外した昌子の責任が一番大きいとは思いますが、フリーの状態からダイレクトで精度の高いクロスを入れられてしまえば、こうなってしまいます。
いただけないのは２失点目。
右サイドで受けた家長はフリー。これも、ＤＦ，ＭＦの８人が中央にギュッと固められた影響でした。
そこから、質の高い左足クロスを大外のマルセリーニョに入れられ、頭での折り返しに旗手。その後ろにダミアンもフリーで待ち構えていました。
はたして昌子、菅沼はどこへ消えていってしまったのか。
しっかりと棒立ちでした。
クロスからそのまま合わされた１点目を餌に、２点目は大外に振られたことで中のマークを完全に外してしまう、という失態。。。
その後は相手が小休止したこと、さらに後ろで守っていても仕方がない、という意識から、中盤、特に井手口と奥野が積極的に中に差し込むボールにチャレンジし、うまく引っかけることができたことで、ガンバの時間に。
その流れで宇佐美のスーパーゴールが生まれ、試合の体は取り戻しました。
しかし２点目を取り切るには至らず。
福田のクロスから、宇佐美のヘッドという事故のようなチャンスはありましたが、川崎のように狙いを持った攻撃で相手を押し込む、ということはでみませんでした。
一方で川崎は、無理やり攻撃に人数をかけることはなく、しっかりと後ろの形を保ったまま、攻めるときはしっかりと押し込む、さらに守備ではパトリックを生かしたカウンターをしっかりと谷口中心に封じていました。
終盤、また押し込んだ状態から右ＦＷの小林、その外を追い越してきた山根の走力に、誰もついていくことができず。
フリーからの正確なクロスを、またもダミアンに決められ勝負あり。
セットプレーから４点目も奪われ、川崎にボコられる結果となりました。
【採点＆寸評】
☆GK 1 東口 順昭 ５・５
失点シーンは致し方なしも、この日はキックがイマイチでした。
☆DF 3 昌子 源 ４・０
解説の戸田さん曰く、ブラジル代表に呼ばれてもおかしくない、というダミアンに、力の差を見せつけられました。
正直、１失点目の場面は難しいシーンだったとは思います。
ただ守備の要のあなたが、中央でマークを外してしまって失点すれば、このチームは勝てません。
☆DF 4 藤春 廣輝 ４・５
中を固める意識が強く、外までスライドして守備することができませんでした。。。
まあ、チームとしてのやり方、川崎の選手が中に入ってきていたことも考えると、どうしようもない気もしますが。
☆DF 13 菅沼 駿哉 ４・５
ダミアンに対して強く当たるなど、戦う姿勢は見せていましたが、昌子ともども中央でマークを外してしまったのはＣＢとしては痛恨の失態でした。
☆DF 26 柳澤 亘 ４・５
79分アウト。
２失点目、前をマークしながら大外へのクロスに対応するのは、非常に難しいプレーだと思います。
ただ、優秀なサイドバックならそういったプレー、一番危険な前をケアしながら、別のシナリオにも対応するという能力があります。
加地さんとかは、こういったプレーがうまかったなあ。あとオジェソクも。
ガンバのレギュラーを目指すなら、成長を求めます。
☆MF 8 小野瀬 康介 ４・５
79分アウト。
大きなミスはなくとも、局面を変えるチャレンジもなく。
正直言って、つまらないプレーでした。
これなら、仁郎を先発で使って経験を積ませればいい、と言われても仕方がないのでは。
MF 14 福田 湧矢 ４・５
66分アウト。
小野瀬とは正反対。
チャレンジしよう、という気持ちは感じましたが・・・
その思いが強すぎたのか、中盤でシンプルにプレーしなければならない場面で、判断ミスから奪われたシーンが３度はあったかと思います。
まだまだです。
☆MF 15 井手口 陽介 ５・５
立ち上がりの２失点でぶちぎれたのでしょうか。
その後は積極的な守備で、何度も中盤でボール奪取に成功しました。
やはり、彼の能力は生かし方によっては、チームの大きな武器になるはずです。
☆MF 17 奥野 耕平 ５・０
89分アウト。
前半途中からは、井手口と連動して攻める守備、リスクを消す守備、とうまく使い分けたのでは。
ただボールを奪った後のもたつきは気になりました。
☆FW 18 パトリック ４・５
駆け引き上手な谷口の守備に封じられました。
イライラしたときに手を使い始める悪癖があるので、そのあたりは直してほしいところ。
☆FW 39 宇佐美 貴史 ６・０
89分アウト。
やっと彼らしいゴールを見せてくれました。
本人としては、簡単に中央を割れたことで、相手守備に殺気などを感じなかったのでしょう。
しかしあのゴールを奪える選手は、Ｊリーグに何人もいないはず。
悪い面も多々ある彼ですが、能力の最大値をいかにチームのために使うか、得点のために使うか、ということを突き詰めていけば、またＪリーグナンバーワンの選手になれる可能性はあると思います。
【途中交代】
FW 11 小野 裕二 ４・５
66分イン。
おかえりなさい。
ただ全く力出せませんでした。
ガンバでの見納めになるんじゃないか、と寂しい気持ちになりました・・・
FW 28 ウェリントン シウバ79'
DF 5 三浦 弦太79'
MF 29 山本 悠樹89'
MF 41 中村 仁郎89'
時間短く採点なし。
松波正信監督 ４・５
ゲームプランは早々に崩れたものの、試合途中からは何とかまともな試合に。
しかし追いつくためのプランはなく、交代策も遅すぎた印象。
最後、仁郎の起用は未来への置き土産としたいのでしょうね。
【あとがき】
宇佐美選手が、試合後「川崎との差は何なのか」という質問に、こう答えていました。
「ボールの動かし方もそうだし、選手それぞれのポジション取りや、止めて蹴るところの質を含めて全員が余裕を持ってプレーしているし、こちらがプレッシャーを掛けてもプレッシャーと思っていない。それぞれの選手がそれぞれの場所にいる選手を見えているし、その中でどう崩すかというメカニズムを理解している。あそこまで下がって守備をしている中で２得点して、崩し切る形を作れるのは川崎Ｆの強さだと思います」
ガンバが中央を固めれば、すばやくサイドから攻める。
外から見ていれば簡単なようですが、平面のピッチでそれをわずか開始１０分の間で徹底できるあたりが、ガンバと川崎との差なのでしょう。
ただ川崎の選手も、井手口や奥野に激しく寄せられた時には、ミスもありました。ただ、少し相手との距離が空くと、ほとんど迷うことなく次のプレーを選択できていたように。
その辺は、福田が犯したミスなどとは大きな違いでした。
チームとして作り上げたものの差は、ものすごく大きいな、と感じさせられました。
この差を埋めるために、片野坂監督には頑張ってほしいものです。
【サポートのお願い】
いよいよ、今シーズンもラスト１試合となりました。
残留を決めてからは、このｎｏｔｅも少し気が抜けたところもあるかもしれません。
厳しい言葉も減っているかもしれません。
ただそんな中でも、また強いガンバを見たい、そんな気持ちで書き続けています。
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