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【忖度なき採点&寸評】地獄の底にまだ地獄の仙台戦。弱いには理由がある。矢島の言葉から敗因を掘る

【前書き】

あきれています。

ただ、ダービーで0-4負けを経験した私のメンタルは、タフになりつつあるのか。

こんな情けない負けっぷりすら、予想の範囲内でした。

矢島選手のコメントを引用しますと

「気持ちとか、戦う姿勢とか、みんな持っているんです。気持ちだけで解決できる問題じゃなくて。(失点した)クロスの対応だけじゃなく、なぜあそこまで運ばれたのか。一個一個解決して、共有していかないと。そこがまだまだできていないので、3失点している」とのこと。

松波監督の

「試合の入りは悪くはなかった。決定的なチャンスもあった。チャンスは少し多くなっているので、決めきっていければ。ポジティブなこともありましたので、もう一回、次の試合に向けて準備したい」

という必死に前向きなことを探そうとしているのか、当たり障りのないことでやりすごそうとして、危機感がないと批判されているコメントよりは、よっぽど矢島選手の言葉が刺さりました。

よって矢島選手の言葉を受け止め、今回は3失点の要因について、できるだけ細かく書いていきます。


【戦評】

フォーメーションは3-4-2-1で、相手の4-4-2と対峙しました。

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かみ合わせとしては、どうしてもずれる部分もあり、それをどうおたがいが隠しながら戦うか。

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ガンバは前線の3枚で、仙台の4バックにプレッシャーをかけながら、宇佐美、小野が中よりのポジションを取ることで、中央では数的同数をつくることで、序盤はチャンスを作り出しました。

パトリックにボールを入れ、完璧には収まらないまでもこぼれ球を発生させ、そこにいち早く反応していたのが小野でした。決定機もあっただけに、悪くない序盤というのは、確かに松波監督の見立て通り。

しかしそれも小野の負傷離脱で、一度流れが切れてしまいました。

小野に代わって矢島が入ったことで、よりボールを持って崩す、という形に傾いていった気はします。

それでも前半26分にも、矢島のハイプレスから井手口が中盤で奪いきり、ショートカウンターで宇佐美がシュートと、ある程度狙いはみえていました。

前半34分にも倉田から宇佐美に縦パス、宇佐美がバイタルで引き付けて矢島にラストパス、ミドルシュートが相手GKに好セーブされた、というシーンもありました。

しかし仙台も、右サイドを起点に押し返してきました。

サイドハーフの加藤が、中に絞って藤春とヨングォンの間のスペースへ。

ここで起点となると、SB蜂須賀が宇佐美より早くサポートに出ることで数的有利をつくり、クロスまで繋げられました。

ここで問題点は、パトリックに縦パスを切るという意識が少なかったこと。

相手の狙いを感じ取ることができていなかった印象を受けました。

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失点シーンは、その右サイド、蜂須賀のクロスを富樫に合わせられました。

シュートの場面は危険な場面から消していく、という原則でいえば、高尾のマーク。後ろにいる選手に気を取られ、最も危険な中央をフリーにするという初歩的なミスでした。

しかし、なぜこの危険なクロスを上げられたか、という観点でいうと、その直前の宇佐美のプレーも気になります。カウンターに出ようと中央に寄ったとき、相手にカットされたが宇佐美はファウル? ハンド? をアピールし、完全においていかれます。

そのまま攻守が入れ替わり、本来なら宇佐美が見るはずの相手右SBへの穴埋めはできず。そこから得点につながるクロスを上げられました。

さらに2失点目。

セットプレーの対応は、ゾーンで守るガンバの守備に対し、仙台はニアに人数をかけてくることで富樫をフリーにしました。そこにいいボールを入れられてしまいました。

ではその前のFKはなぜ与えたのか。

こちらも仙台は右サイド(ガンバの左サイド)、蜂須賀まで藤春が対応したところ、藤春の裏のスペースに出た加藤にボールが。カバーリングに出た昌子が、ファウルしてしまいました。

ゴールからはかなり遠い位置だったので、昌子選手は自分が引き出された状態で交わされることは回避したかったのでしょうが、この判断が凶と出ました。

1点を追う後半、4-4-2に変更。

58分には小野瀬から宇佐美にいい縦パスが入り、落としを受けた井手口が左サイドへ。ダイレクトで折り返した矢島のラストパスが、ハンドを誘いました。

ボランチから井手口の高いポジション取りから、決定機につながったという場面では、いい流れになっていたと感じていたのですが・・・

その後、仙台が3枚替え。ガンバは藤春の足がつったタイミングで、松波監督は藤春と倉田に代え、ウェリントンと山本を投入。

小野瀬を右SBに落として、決勝ゴールを奪いに行きました。

しかし・・・

失点シーンは、高い位置でボールを持った小野瀬が、こちらも高い位置を取った井手口への縦パスをひっかけてしまった場面から生まれました。

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井手口のいない中盤までヨングォンが出てしまったことで、最終ラインは昌子と柳澤のふたりに。

仙台FW西村が昌子との1対1の中で、シュートを決めきりました。

小野瀬、井手口があけたスペースを埋めるべきは誰だったのか。

ヨングォンが中盤まで出た判断はどうだったのか。

勝ちたい思いでリスクを負いすぎた結果、生まれた3失点目でした。


【採点&寸評】

【GK 1 東口 順昭】5・0

3度もゴールを揺らされても、それまで見せ場なし。

決して悪いプレーをしているわけではないのですが・・・

3回に1回は神セーブを見せてくれないと、今のガンバは勝てまへん。


【DF 27 髙尾 瑠】4・5

63分交代。3バックの一角ながら、相当頭は攻撃に傾いていたように思います。

それが1失点目の遠因になっていた気も・・・

久々の3バックから、4バックに以降して攻撃も守備を多くの関与を求められた当たり、タスクを与えられすぎていた気もします。

負傷の具合が心配。


【DF 3 昌子 源】4・0

3失点目、あなたなら止めてほしかった・・・

カウンターで1対1にさらされた不利な状況でも、あなたなら・・・

【DF 19 キム ヨングォン】4・5

やはり代表帰りの疲労感は隠せず。終盤は肩で息をするシーンも。

3失点目、中途半端な位置に出ておいていかれた判断は、やはり間違っていたと感じます。

それも頭の疲労だったのか。

【DF 4 藤春 廣輝】5・0

78分アウト。

1点目生んだ攻撃参加はよかったけど、1試合1回では・・・

90分持たない前提というのは、正直悲しすぎます。


【MF 8 小野瀬 康介】3・5

WBとしてはスピードも、キレも、技術も平均的。

右SHとなった時間帯は中で効果的なプレーもありましたが、右SBにポジションを移した終盤に、自身のスペースをあけたまま決勝点の原因となる致命的なパスミス。

3つのポジションをたらいまわしにされて気の毒にも感じますが・・・


【MF 10 倉田 秋】4・5

78分アウト。

縦パスを刺す回数が少なく、リスクを負うことを怖がっているようにも。

ただ彼を外したことで、中盤のバランスが崩れたようにもみえました。


【MF 11 小野 裕二】―

16分アウト。時間短く採点なし。

しかし度重なる負傷には、もう言葉がありません。

ただ・・・あの決定機は決めておいてほしかった・・・

【MF 15 井手口 陽介】5・0

ボールを奪う、という局面の強さはありました。立ち上がりは何度か、その力がショートカウンターにつながっていました。

ただチームのバランスが崩れ始めると、がむしゃらにやっているだけにも。

結果論ですが、バランスを崩した攻撃参加が3失点目の遠因になりました。


【FW 18 パトリック】5・0

前半の序盤は攻撃の起点になるシーンも多く。

矢島を突き放してでもPKを決めた胆力は素晴らしかったです。

ただ攻守の切り替えは遅く、ヘディングでも相手のアピタにかなりやられていました。


【FW 39 宇佐美 貴史】4・0

もう、ひとりでなんとかしてくれ、という願いがかなわないことはわかりました。

ひとり攻守の切り替えが遅いことも、もう諦めました。

ただ、、、形にはまったときのシュートだけは決めてくれよと。

一方で、攻撃時は周りのサポートが少ないことも事実。

彼にボールが入ると、藤春以外の選手はほとんどが

おとりのランニングがあれば、もう少し局面打開のドリブルも利くような気がします。

【途中出場】

【MF 21 矢島 慎也】5・5

16分イン。

2度の得点場面では目立ちましたが、周囲のサポートが少ないことでボールロストする場面もあり、イライラとしたしぐさも。

PKでのパトリックとのいざこざ、試合後の各メディアでのコメントも含め、かなりメンタルは荒れているとみえました。


【DF 26 柳澤 亘】5・0

63分イン。

自分の仕事は黙々と果たしてくれました。

【MF 28 ウェリントン シウバ】―

78分イン。

まさか自分の投入後に、攻撃の9割がパトへのロングボールになるとは思っていなかったはず。


【MF 29 山本 悠樹】―

78分イン。

まさか自分の投入後に、攻撃の9割がパトへのロングボールになるとは思っていなかったはず。

【松波 正信監督】3・0

正直、多くを期待するのは酷だとは感じています。

ただ、どうやっても攻守の切り替えは遅い宇佐美の空けたスペースは誰が埋めるのか。

攻撃の厚みを出すために、井手口を前がかりにするなら、そのリスクはどこでカバーするのか。

3失点目につながった小野瀬のパスミスは、ポジションを変えすぎたことで彼の頭の中も整理されていなかったのではないのか。

すべての理由が監督のマネジメントが要因などではないか、と思ってしまいます。


【あとがき】

まずは朝起きると、ガンバから監督交代のお知らせが届いていないか、チェックしました。

この生活はいつまで続くのか。

残り10試合で、監督交代はリスクが大きいことも理解します。

ただ

「リスクを負わないことが、リスクだ」

というどこかのCMの文言が、今は頭の中をぐるぐるぐるぐる。

横浜FC,セレッソ、仙台に3連敗しても動かないのであれば

3度で怒る仏様より我慢強いガンバ大阪様。

残り10試合、もう多くは望みませんので、とにかく残留を願います。

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