上越の夜桜(2019.4.6)

「上越」と聞くと鉄道オタクである自分は、上越新幹線のことをまず思い浮かべるが、新幹線の「上越」は「野国」と「後国」の頭文字を組み合わせたものである。それとは別で、越後国を「佐渡」「下越」「中越」「上越」に分けたうちの「上越」が由来である上越市のことを標題では指す。

上越市は直江津市と高田市が1979年に合併し、平成の大合併で周辺の町村を吸収合併し現在に至り、県内3番目の人口19万人である。いまだに地元の人間と話すときによく「直江津の方は」とか「高田の方は」といった話が出てくる。また、新潟市まで130km、富山市まで130km、長野市まで60km、かついずれも山を越える必要があり他地区との繋がりはあまり無い印象。

2019年4月1日付けで上越市のとある職場に赴任した。それまで、新潟県にすら足を踏み入れたことがなく、豪雪のイメージしかなかったが、引っ越すにあたり調べてみると人気なものの一つに高田城址公園の夜桜があったのでさっそく撮りにいった。

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元々天守はなく、1665年に三重櫓が建造された。しかし、1870年に本丸と三重櫓は焼失し、現在の三重櫓(写真右)は1993年に再建されたものである。「高田城百万人観桜会」と銘打って期間中は電球によるライトアップが行われ、上野恩賜公園と弘前公園と並び、日本三大夜桜の一つとして数えられる。2019年は4月2日開花宣言が出され、2週間に120万人ほどが訪れた


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夜桜を撮影するにあたって、電球の色とそれに照らされた桜の色の調整にかなり苦労した。「高田城百万人観桜会」のポスターは思い切って電球をピンク色寄りにすることで、それに合わせて周囲の桜もピンクとなっている。

桜の中でも「ソメイヨシノ」は「ピンク寄りの白」であるが、昨今の写真は過度に彩度を強調する写真が多く、ソメイヨシノが濃いピンク色になった写真も散見される。写真の主題として何を置くかにもよるが、存在を強調するあまり色を根本的に変えてしまった結果、現実離れした絵になってしまうのはどうかと、ふと疑問に思うことがある。文中4枚の写真はあえて色を若干変えてある。

存在を強調する・目立たせるために彩度を大きくするというのは個人的にはあまりよく思わない。ただ、これの正解はなく、また、色が強調された写真の方が「ウケ」が良いのはSNSを見ると明らかだ。観桜会のポスターはインパクトを与えるためにそうした方が、集客には最適解なのかもしれない。