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リアムギャラガーの復活劇/AS IT WAS

今日、AS IT WASという映画を観てきた。OASISのボーカルであるリアム・ギャラガーがOASIS解散からソロで復活するまでの軌跡を映した映画で、つい最近OASISやギャラガー兄弟のソロを好きになった自分としてはかなり楽しみにしていた映画だった。

本編の話をする前にOASISを聴くようになったきっかけを話したい。
僕がOASISを聴いたのは7月ぐらいだった気がする。たまたまYouTubeのおすすめに出てきたDon‘t Look Back In Angerを聴いて「なんかいい」と感じた。それから風呂上がりの寝る前に毎日その曲を聴いていたら、もっと他の曲を聴くようになった。WhateverやSupersonicなどの曲達を聴いてOASISは僕の好きなバンドの1つになった。

OASISの曲を聴いてると、あの兄弟はソロで曲を出していることも知った。そこでリアムの曲を聴いたときに「めっちゃいい!」と思った。元々はラウドロックやメタルコアを聴いてたから、こういうスタンダードなロックは自分にはハマらないと思ってた。でもギャラガー兄弟の曲は別だった。「なんかいい」という言葉がしっくりくる。そしてリアムのソロ曲はOASISよりもキャッチーでグルーヴィーな曲が多く、個人的にはOASISよりもリアムのソロ曲が好きだ。(ノエルの曲も好きだけどね)

バンド解散、空中分解、スキャンダル

この映画ではリアムがOASISの解散から今に至るまでに何があったのかを映しているが、これは1人のシンガーの復活劇でもある。

映画のネタバレも込みなのでそこはご了承を。


OASISの解散というのも兄であるノエルがOASISを脱退する形だった。元々破天荒な2人は移動バスも別々で常に顔を合わせれば口論をするような状態だったのもあり、限界が来てしまった。そして今に至るまで10年以上あの2人はバンドを解散してから顔を合わせていないのだという。

これには衝撃を受けた。2人はバンドのフロントマンである以前に家族でもある。そんな2人がプライベートでも顔を合わせていないというのは、僕が想像する以上に大きな溝があったんだなと思った。

そこからリアムはノエルなしで現状のメンバーでビーディ・アイというバンドをスタートさせる。最初は勢いもあったし、OASISを超えるとも本人も言っていたほどだったが、ビーディ・アイはメンバーの怪我や様々な原因があって空中分解し、ついにリアムは自分の居場所をなくしてしまう。

それに追い打ちをかけるかのように離婚騒動も発生した。子どもはどっちが持つのかとか、離婚に発生する莫大な支払いをしなければいけなかったりと立て続けにリアムに災難が降りかかった。

そしてそこには待っていたかのようにリアムをバッシングするメディアがいた。ノエルもそうだが、あの兄弟はかなり口が悪い。Fワードを1回の会話の中でも数え切れないほど連発するし、傲慢さに満ちた発言も問題になっていた。

OASISの栄光は何処へやらと言わんばかりの散々な目にあったリアムだったが、そんな彼にもまだ残っていたものがあった。それは彼の声だ。

彼は一度音楽から身を引くことで、人生をリセットさせようとしていたが、暇を見つけては自分でギターを弾いて、歌い、曲を作っていたのだ。

そしてお酒が大好きなリアムはパブで弾き語りを披露して少ないながら周りの人を釘付けにした。こじんまりとしたお店で弾き語りをする彼の姿は、栄光を失っていても、まだ全てを失ったわけじゃない人に見えたし、色んなひどいことがあったとはいえ、音楽の才能は持っていた人だったんだなと思った。

彼の歌唱力と作曲センスにより、再びレコード会社との契約を結び、今度はバンドではなくソロ歌手として歩み始めた。

しかし元々OASISはノエルが作曲をしていて、リアムはパフォーマンスに徹していた。故に彼1人ではアルバムを1枚作り上げることでさえ出来ない。

そこでリアムはプロデューサーや新たなメンバーと共同作業でアルバムを作ることになる。ノエルが仕切っていたOASISの頃とは違って、自分が先頭に立って音楽を作るのは未経験なことでもあった。

制作に携わったプロデューサーの話を聞くと、世間のイメージとは違って謙虚だったとか、しっかり他人とのコミュニケーションも欠かさない人だったりして、当時の傲慢なソロを始めた頃から印象はかなり消えていたのだ。リアム自信も、「伝えたいことはしっかり言わなきゃ伝わらないだろ」とも言ってて、OASISのやってた頃からかなり変化があったのかなとも思った。

他にも以外だったのが、本国では10代とかにも人気だっていうことだ。個人的にOASISって昔からいるバンドだし、ジャンル的にも若い人はもっとEDM的なものを聴いているのかなと思ったけど、そういうわけでもなかったらしい。ライブの風景とかを見ていると若手のバンドのオーディエンスに思えるぐらい若い層が多かったのが印象的だった。


あとは、彼の喉のこととかも本編で映してた。あるライブ中に喉を潰しちゃって、「これ以上はみんなが失望するだけだ」と言ってライブを中止にしたりしてて、ただ満足いく演奏が出来なくなって機嫌を損ねて帰るんじゃなくって、良くも悪くもちゃんとした考えを持ってそれをはっきりた伝えていたのは彼の人間性も垣間見えた感じがした。

今となってはリアムは毎朝ジョギングをしていたり、飲みの席もジョギングの為に断ったりしてるらしく、若い頃からは想像がつかないほど健康的なスタイルに変わったなとも思ったw


全体を通しても彼の活動だけではなく、内面でも大きな変化があったことを知れたのはよかった。昔は問題発言が絶えなかったし、それが原因で必要以上にバッシングを受けていたし、そこにしっかりと向き合ってアーティストとしても人としても前向きに頑張っていこうとする彼の姿を見ると、ますますリアムの事を応援したくなった。


またいつになるかは分からないけれど、来日したら絶対ライブに行きたいなぁ


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