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特集「お気に入りの場所」

連載の合間のお楽しみ!ということで、執筆メンバーの皆さんに(自由参加で)ちょっとしたお題についての記事をお願いしてみました。今回のテーマは「お気に入りの場所」です。
一言でお気に入りの場所といっても様々です。自宅の中やご近所から、いつかの旅で訪れた遠い場所まで。コロナ禍でなくとも、お気に入りの場所が近くにも遠くにもあったら、毎日が楽しいですよね。
ということで、「自分のお気に入りの場所ってどこだろう?」ご自身の記憶も振り返りつつ、お楽しみ頂けたら嬉しいです。

自宅のテーブルコーナー
(北村ハルコさん)

部屋の模様替えが我が家で流行っている。六年間東京にいた夫が単身赴任先から戻ってきて、モノと人が一気に増えたのがきっかけだった。
手持ちのものを処分しないと、快適に過ごすことができない。家で仕事をしている私には大問題だった。仕事に支障が出かねないと思った。

そうして掃除を進めていったところ、余っている丸テーブルがあることが発覚。リビングのささやかなスペースにこの丸テーブルと籐の椅子を置いたのだが、これが正解だった。我が家のリビングは、仕事道具であるパソコンや資料で埋め尽くされている。

だから、ここだけはという感じで、丸テーブルには何も置かない。
今日は買ってきたシャクヤクをおいて、ちょっと特別感を出してみた。
仕事休憩に動画を見たり、お菓子を食べたり。なんということはないけれど、少しばかり目線が変わってとても良い。
飽きてきたらまた模様替えをしたらいいかなと気楽に構えています。

202105お気に入りの場所sハルコさん

私の庭
(Rokoさん)

私は、ずっと自分の庭を持つことが夢でした。
2018年引っ越して来た頃 お庭は、いろんな木々で埋め尽くされ、雑草がたくさん生えて、うっそうとした庭でした。そこで楓の木を1本だけ残し、ほとんどの木を伐採したあと、雑草・木の根っこを掘り返し、庭作りに不向きな土の廃棄、土を耕し、苗を植えて育てました。

1.引っ越して来た頃の雑草だらけの庭(before2018.7)

〈引っ越して来た頃の雑草だらけの庭(before2018.7)〉

2.木々で埋め尽くされていた(before2018.7)

〈木々で埋め尽くされていた(before2018.7)〉

庭を育てるには、とても時間がかかる。
だから、最初の1年は、特に庭にいる時間がとても長かったです。
大好きな着物も、その1年はあまり着なかったように思います。
庭中に花が咲きほこる春は、本当に奇跡のようです。庭中にワイルドストロベリーが生えているので、今は真っ白な花がたくさん咲いてかわいいです。

3.私のお気に入りの場所 春の庭(after2021.4)

〈私のお気に入りの場所 春の庭(after2021.4)〉

花後、小さな赤い実をつけるのですが、食べる分だけ収穫して、ヨーグルトと一緒に食べるのが好きです。ワイルドストロベリーは、普通のイチゴより少し苦味があります。ジャムを作ったこともありますが、美味しくなかったです(笑)
こぼれ種で増えた植物の芽を見つけたり、花の蕾を見つけることが嬉しくて、花に話しかけることもあります。私にとって、庭は特別な場所です。

内川沿いのあそこ
(萩原久実子さん)

漫画「セトウツミ」(作:此元和津也)の舞台
瀬戸と内海。2人の高校生が放課後のひとときにくだらないおしゃべりをするだけのために立ち寄る場所。設定では関西の某所となっているが、細部まで精巧に描かれたこの背景は、堺区の人なら誰でもすぐわかるだろう。そう、紛れもなくザビエル公園近くの、内川沿いのあそこである。

内川は川と言っても実はもと環濠(堀)である。かつて中世の商人達による自治の街として栄えた時代の名残なのである。瀬戸と内海は、毎日ここで意味があるのかないのかよくわからない無駄なおしゃべりをひたすらに繰り広げる。だが、このどうしようもなく無駄な時間が、「いま、ここ」こそが、彼らにとってはとても貴重な時間なのだ。

「セトウツミ」に出会ったことで、この内川は私自身にとっても特別な場所となった。彼らと一緒に、とてつもなくくだらない、愛しい時間をともに過ごした場所。だから、ここに行けば私はいつでもまた彼らと一緒に過ごすことができる。そんな、とっても大切な場所なのである。

IMG_5958久実子さん

〈セトウツミファンの友人と記念撮影〉

江戸東京たてもの園
(つねまつあけみ)

私のお気に入りの場所は「江戸東京たてもの園」です。
2004年のお盆休み、それまで一人で旅行した経験はなく、初めて一人で東京へ行った際に訪れました。敷地内を散策するのにちょうどいい距離感で、いくつもの建築物が移築・保存されており、エリアによっては通りを再現したようにもなっていて、初めての一人旅のワクワクと、タイムスリップしたようなワクワクを同時に味わいました。で、夏休みの時期だったからか、ゲゲゲの鬼太郎にちなんだ企画展が催されていて…。
「たてもの園」という名前だけあって?なんと、鬼太郎の住まいが再現されていたんです!子供の頃好きだったので、思いがけず物語の中に入り込んだようなワクワクまで味わうこととなりました。

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「怪奇事件専門解決 墓場鬼太郎」って書かれた看板がぶらさがってたんですよー、芸が細かい!てか、この看板がないと、ただのボロ小屋やにしか見えんわな(笑)これは当時の限定企画で、今はありません。
あんまり楽しかったので、以後、用事で東京へ出かけた際などに、何度か訪れています。
でも今一番行きたいのは、実は「明治村」なんです。中学生の時、修学旅行のルートで訪れた以来になっていて、「もっとゆっくり見たかった…!」という気持ちが強く残ったままにもなっていて…って、もう30年近く経つんか?!
移動制限がなくなったら、ぜひ訪れたいです。

心が旅立てる場所
(まつしたゆうりさん)

今回のテーマは「お気に入りの場所」ということ、迷いに迷い、悩みまくりました。ありすぎると決めきれないこと、ありますよね。

そこで考えたのが、たくさんある「お気に入りの場所」の共通点は何だろう。
それは、どれも「旅が出来る場所」ということ。

え?「どこだって、行ったら旅でしょ?」と、思いますよね。
ポイントなのは「旅に行く場所」ではなく「旅ができる場所」。降り立った処から、さらに違うところに心を旅立たせられるかどうかが大事なんです。

例えば、大好きな奈良はいろんな歴史がミルフィーユ状になっていて「この場所は〇〇があった処だな」とか「大好きな歌人の〇〇が歩いてたかもしれないな」と、現実から空想にフィールドを広げることができるんです。

私の旅先はだいたいこんな感じで、昔々の伝説のある神社や物語の舞台となった土地を訪れ、“今”と“かつて”の両方を、旅して楽しんでいます。

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『いなばのしろうさぎ』の舞台になった隠岐の島。大好きな物語の舞台を実際に訪れることは、イメージをふくらませるのに大いに刺激になります。

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奈良の各所はお気に入りの歌集『万葉集』にもたくさん登場し、うきうきな場所。三輪山は『古事記』にも蛇神との婚姻のお話が載っていて、行くと物語の中に入り込んだように感じます。

ゆうりさん3

故郷の琵琶湖ほとりにも、龍神さまや天女の羽衣伝説があり、空想の翼を広げてくれます。
皆さまの「お気に入りの場所」どんな処ですか?
そこから楽しい世界へ、羽を広げられますように。


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いかがでしたでしょうか?実は先月公開するつもりで準備を進めていたのですが、都合で今頃になってしまいました。今後もまた気まぐれに(忘れた頃に?)こうした企画ができればいいなと思います。
現在の執筆メンバーのプロフィール、合わせてご覧頂けたら嬉しいです。


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