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南半球の星座ってなんだろう?

みなさんこんにちは、星空案内人のまいの(mai-no)です。
前回はトレミー48星座をご紹介しましたが、他にも40の星座があります。どこにあるのでしょう?そして、南半球の星座とはなんでしょうか?

大航海時代の到来

2世紀にプトレマイオスが星座を発表してから10世紀以上が経ち、15〜16世紀ヨーロッパでは大航海時代といい、船に乗って南半球に行ける時代になりました。

たどり着いた南半球にはプトレマイオスの星図にはない、ちがう星空があったのです。「今まで見たことがない星がある、星図にはないものばかりだ!」と天文学者が次々と新しい星座を作り始めました。

南半球でしか見えない星座ってどういうこと?

地球は360度星に囲まれているので、どこかに行けば必ず星空に出会えます。ただし、私達のいる日本は「北半球」にあり、これは地球がどんなに回ろうと北半球の星座しか見ることができません。

例えば自分が地球になったつもりで部屋の真ん中に立ってみだとしましょう。地球は壁4面・春夏秋冬の星座達を1年かけて見ていくような感覚です。

図のように普通に立って見るのと、逆立ちして見るのは見える範囲も違いますし、見え方も全く違って見えますよね。
今の時代は海の向こうの地域でも飛行機で行けますが、大航海時代の移動手段は船しかありません。何日も船の上で過ごし、辿り着いた先に見たことのない星空が待っているだなんて…。しかも今まで見ていたオリオン座やさそり座、おとめ座等一部の星座は逆さに見えます。新しい発見はさぞかし嬉しかったことでしょう。

全88星座は決まったのは100年前

その後、北半球の決められていた星座の隙間に天文学者が新しい星座を作られていきました。前回お話したたて座もこの時期に生まれたものです。はと座、いっかくじゅう座、こじし座等色々な星座ができました。

その後も「トナカイ座」「ケルベロス座」等新しい星座が生まれましたが、あまりにも自由に星座が増えていったため整理しようと、1922年の国際天文学連合総会(IAU・アイエーユー)という天文学者の国際組織で88の星座が決まり、今に至ります。

南半球の星座はほとんどギリシャ神話は絡んでいません。あまり馴染みのあるような星座はありませんが、航海で使用していた器具や南の生き物がモチーフにされており、北半球の星空とはガラッと雰囲気が変わります。

日本でも小笠原諸島や沖縄・八重山諸島では南半球の星座がいくつか見えますが、地平線ギリギリに現れます。たっぷり南半球の星座を見てみたい方はオーストラリア等、是非南の地域に足を運んでみてください。


文:まいの(mai-no)
星空案内人
千葉県出身。本職を星空案内にしたい、明るさと元気が取り柄の看護師。
宇宙や星も大好きだけれど、食べ物・音楽鑑賞・書道も大好きです。

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