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星の特徴②:絶対等級と見かけの等級って何?

こんにちは、星空案内人のまいの(mai-no)です。

今回紹介させていただく星の特徴は「距離」と「星本来の明るさ」です。
とても明るいあの星は、近くにあるだけであって、実は暗くて小さい星…ということもあります。

ウルトラマンの星はどのくらい離れているだろう?

地球から見ると綺麗に形が作られているように見える星座。例えばオリオン座を見ると、真ん中に綺麗に並んでいる星が3つありますよね。でもあの3つは並んでいるように見えているだけで、ひとつひとつ距離がバラバラなのです!

真ん中の②の星は飛び抜けて離れていますが、地球から見るとバランス良く、綺麗に並んで輝いていたのです。
ちなみに、よく「ウルトラの星」といわれるM78。実際に実在する「星雲」と呼ばれるものなのですが、これは地球からの距離約1600光年といわれています。

(一部ではウルトラの星はM87の説もあります。仮にM87から来ている場合は6000万光年離れています)ウルトラマンはこんなに遠くから来てくれているのか…なんてことも想像すると、少し面白いですね。

本来の明るさはどれくらいだろう?

さて、ひとつひとつの星の明るさも違うし、距離もちがう…では星そのものの明るさはどれくらいなのでしょうか?

そこで「見かけの等級」と「絶対等級」という言葉が生まれました。
前回星の明るさのお話をしましたが、星座早見盤に表記されている星の明るさは地球から見た星の明るさなので「見かけの等級」といいます。

いくら明るい星でも、地球から離れていれば離れている程、星は暗くなってしまいますよね。距離がバラバラだと正確な明るさがわからないので、この星を10パーセク(32.6光年)の地点に置いたら星の明るさは何等級だろうか?ということを決めました。これが「絶対等級」です。

例えば太陽。
見かけの等級(地球から見た明るさ)は-26.7等級。とっても明るいですよね。
しかし絶対等級にすると4.8等級、都会では見えないくらい結構暗めな星になります。
はくちょう座のお尻の星「デネブ」は見かけの等級1.25等級。これでも地球から1800光年も離れていて、絶対等級にすると-8.7等級です。最強クラスと言っても良いほど明るい星ですね。こうして星本来の明るさがきちんとわかるようになりました。

オリオンベルトも距離がバラバラでも3つ星全て同じ明るさに見えるのは、②の星がとても明るいからだったんです。

絶妙なバランスと位置関係でできている星座。皆さんの気になる星は、どの位明るくて、どの位地球から離れているのでしょうか?是非調べてみてくださいね。


文:まいの(mai-no)
星空案内人
千葉県出身。本職を星空案内にしたい、明るさと元気が取り柄の看護師。
宇宙や星も大好きだけれど、食べ物・音楽鑑賞・書道も大好きです。

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