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原理原則整理整頓 26節 アトレティコvsアルメリア(A) 2024.2.24

CL1stレグ明け。こういう時に最下位に負けそう、ことアトレティコ・マドリーである。前回対戦。

アルメリアは思いっきり最下位。前回対戦でまだ未勝利と言ったが2月末に来てもまだ未勝利。先週のグラナダ戦は惜しかった(△1-1)

アトレティコはアウェーが続いて疲労感もありそう。しかし国王杯2ndレグへ向けて選択肢も増やしていきたい。


●スタメン

・アトレティコ
オブラク
サヴィッチ / パウリスタ / ヘイニウド
モリーナ / デ・パウル / コケ / バリオス / リーノ
コレア / メンフィス

インテル戦からは6人変更。3CBは全員変わった。怪我をしたグリーズマンとヒメネスはメンバー外。

・アルメリア
マクシミアーノ
プビル / エドガル・ゴンザレス / ラドヴァノビッチ / ランガ
ババ / ロベルトーネ / ジョナタン・ヴィエラ / ルカ・ロメロ / エンバルバ
チョコ・ロサーノ

前節グラナダ戦のメンバーを踏襲しつつ、右サイドはアリバスからルカ・ロメロに変更。




●前半

アルメリアはアンカー(コケ)消しを意識した守備配置。

ジョナタン・ヴィエラが張り付く。この選手はグラナダ戦であまり守備に参加せずにポジトラを最優先で動いていたがこの日はタスクが割り当てられた。
この噛み合わせだとアトレティコはWBが前進の肝になるのでエルモソがいないメンバー構成だとまあ助かると言えば助かる。ビルドアップに苦労する事はなかった。

序盤からコケとデ・パウルは相手MFの対応を確認。コケが真ん中からいなくなる。

大外レーンまで移動し、この時にアルメリアのCHイドリス・ババとロベルトーネのコンビがどのように対応するかを確認した。こういう時、デ・パウルを無視するとドリブルで突き進まれるので相手チームは放置するのが難しく、ロベルトーネが概ねデ・パウルの対応に意識を向けたのも想定通り。ではポイントになるのはバリオスvsババのマッチアップとなる。

バリオスのプレー選択で多かったのが大外レーンに近づいて右SBプビル相手に2vs1をぶつける形。これにロベルトーネがどこまでサポートしますかを突きつけると同時に逆サイド大外のモリーナにSBが対応しますかそれとも放置しますかも同時に突きつけた。この進み方は悪くない。

アルメリアのCBコンビは自分がマークしてる相手でいっぱいいっぱいになってしまい、もう一人侵入してくると簡単にフリーを生んだ。デ・パウルから背後を狙ったバリオスへの裏パス一発で決定機を作るなど。バリオスはビルドアップでも相手のマンツーマンを利用してヘイニウドを押し出し、自分が落ちていく形で前進をサポート。この動きを誰がコントロールしていたかはわからないがバリオスらしくない環境判断の良さだった。

また、メンフィスをマーク対象とするエドガル・ゴンザレスの背後までコレアがランニングする形も簡単に裏抜け一発。アトレティコは多数の攻撃手段を確認しつつ、開始2分に早速ヘイニウドがドリブルで大外を突き進んでコレアの先制ゴールを生んでいる。この左サイドの突破環境は悪くなかった。メンフィスがニアに居座るのが良いのかファーに逃げてもらうのが良いのかなどの細部はもうちょっと詰めたかったが。まあ一点取ったので。


27分にアルメリアに同点ゴール。この前にも2度ほどあったプビルのドリブル侵入をきっかけに、ルカ・ロメロがゴール方向に仕掛けて左足を振り抜いた。ちょっとオブラクなら取れそうなシュートに見えたが。プビルは前節グラナダ戦でも同じように脈絡のないドリブル侵入で得点を生んでおり、特攻ミサイルのようなプレースタイルは先季の昇格プレーオフで見た時から変わっていない。というか2部でこれは反則だろう。
アトレティコは後ろを4枚にしてリーノは相手SB(プビル)を見張る形で守っていたが、"ではプビルにドリブル侵入される時リーノはどこで何をしてましたかね"というのと、ルカ・ロメロをどうやって止めますかと言われてもでは何のためにヘイニウドがピッチにいるんですかというお話。ヘイニウドは前半のうちにルカ・ロメロ相手にイエローも頂戴している。



●後半

後半開始から2枚交代。リケルメとジョレンテ投入。ジョレンテはもう少し遅い予定だった気がする。

デ・パウルが左に移動。バリオスが真ん中。
ジョレンテの登場でエンバルバが後方守備に参加する必要が出てきてピッチ上のバランスが変わる。

アトレティコはサヴィッチのスタートポジションが高くなり、デ・パウルは内側へ。トップ下のような。
この辺の普段はグリーズマンがいる位置を誰が使うかは明確に約束されているわけではなさそうだったが「誰も使う気がない」という環境じゃない限りはそれでいいんじゃないかと。試行錯誤しましょう。

57分に勝ち越し。アルメリアのシュートチャンスをひっくり返したカウンターで。モリーナが蹴っ飛ばしたボールに何故か先頭で反応したデ・パウルがそのままフィニッシュ。そういえば今季初得点。


しかし64分に再度ルカ・ロメロのゴールを許す。このシーンは最後にピックアップします。

69分にモラタとサウル投入。アルメリアは2得点のルカ・ロメロに替えてアリバス。CBを入れ替えてラドヴァノビッチに替えてチュミ。

アトレティコはスクランブル体制へ移行し、なんかこんなような配置に

最近、試合終盤の絶対一点取る体制に入るとリケルメも右に来てワンサイド放り込み作戦になる事が多い。ちなみに皆様この配置を好きな人はあんまりいないと思いますがおれも全然好きじゃありませんで、理由はこれで点入った事ないからです、単純に。

デ・パウルを左に置くなんて正気かと思わせつつ、このサイドはヘイニウド大外駆け上がり待ちでデ・パウルはセカンドボール回収要員と中央のプラス1メイクが仕事と考えると問題はないのかもしれない。この日で言うとプビルとタイマンするのはあまり収支が良くなさそうだったので避けた事自体は悪くないと思いつつ、どうせ試合に勝てないならリケルメがプビルを突破するチャレンジくらいは見たかったなとも思う。
そして守備ではデ・パウルが相変わらず自分が追いつかないところにヘイニウドのジャンプを要求したが「そりゃ無理だろ」となったところでデ・パウル→ヴィツェルを交代。デ・パウル、単独プレスでハメてモラタの決定機を作った根性は流石の一言。凄すぎる。
ヴィツェルがアンカーに入り、サウルまでトップポジションに上がっていったが逆にこの方がネガトラが安定したのは発見。

ロスタイムに相手のミスに乗じて最後のチャンスを迎えるがこの日はモラタの日ではなかった。3点目は生まれずに試合終了。



●試合結果

なかなか良い結果を手にできずにいる。最下位のアルメリア相手に引き分けてしまった。ルカ・ロメロの2発以外はチャンスらしいチャンスも作れずにいた相手チームはここ数試合で見ると一番出来が悪かったようにも思う。それでも勝てなかったアトレティコは厳しい現実だ。
失点は2つとも不意に訪れた格好だったが、個人的にはそれ以外の時間のコントロールがもう少し自分達のペースになったら良かったという気持ち。アルメリアはボール保持を楽しんでいた。
ミッドウィークは国王杯2ndレグ。さて、進みましょう。


2/24
パワーホース・スタジアム
アルメリア 2-2 アトレティコ
得点者
【アルメリア】’2 コレア ’57 デ・パウル
【アトレティコ】’27 ’64 ルカ・ロメロ


●ピックアッププレー 2失点目を考える

2試合連続で同じ選手の対応を取り上げるのは個人攻撃に見えて拒否感があるが、同じような事をしたので整理しておく。64分のアルメリアの2点目。同点ゴールの場面。

アトレティコ左サイドの守備。人数バランスは3vs3。
アトレティコのサイド守備の原則はWB(リケルメ)は大外の対応。なので大外の対応をリケルメが受け持ったのは正解。ボールホルダーはルカ・ロメロで、ボールをジョナタン・ヴィエラに放して自身はPA内へチャレンジ。

デ・パウルの発想はおそらく左足でボールを持たれているのでアーリークロスは許容(ゴール前は安全環境なので正解)、ルカ・ロメロのマークはヘイニウドへ渡した気になっているが、ヘイニウドはルカ・ロメロのマークを受け取りきらずにヴィエラの半歩ほどのドリブルに反応した。彼はボールに吸われるべきではなかったが、吸われる選手である。
そしてこの時間アンカーポジションに入っていたバリオスは完全に余ってマーク対象もなく暇しているがボールサイドのサポートに一切関与せずに立ち止まった。バリオスが左に寄っていればデ・パウルがボールに行くべきだったし、そもそも自分の周囲に相手選手がいない(本来はトップ下のヴィエラのポジションで自身の立ち位置を決めるべき)のでルカ・ロメロがボールを持っている時点で3vs3に加勢しているべきだったとも言える。

という事で個人的には、ミクロ的にはデ・パウルが背中のマークを勝手に捨てたのが問題で、マクロ的にはバリオスの守備配置が間違えている、という意見。正直今のメンバー構成上、デ・パウルとバリオスの存在が守備の穴になるのは本当にまずい。インテル戦でも書いたがシメオネはこの辺の個人単位での修正はあまりやらないタイプだが、ここはしっかり座学してもらいたい。修正が見えたらすぐに書くようにします。この記事を参考にした上で「デ・パウルは守備が下手」などと軽く口走った人は事情聴取します。あくまでも皆で考えようのコーナーです。


●ピックアップ選手

パウリスタ
現状ヒメネスのタスクをやってもらうしかない環境になってきた。インテル戦での起用の目処を確認するためにも国王杯2ndレグでも先発しそう。

コレア
開始早々の先制点に始まりPA付近でボールを引き出す動きが多く、それなりの状態にはある。

デ・パウル
色々と書いたがラストサードの選択肢は彼のプレーに大きく依存し、この日は特にグリーズマンのいないライン間エリアに顔を出しながらプレーし、カウンターで得点も決めている。

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