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来週からまた 32節 アトレティコvsアラベス(A) 2024.4.21

CL明けはアウェーでアラベス戦。前回対戦。

昇格プレーオフから上がってきたアラベスはここまで8勝8分15敗で14位。降格圏まで8ポイント差。むしろ印象より負けてる。ちなみに上位6チームとはアウェーのソシエダ戦の1ポイントしか取れていない。複数得点が4試合しかないのが課題。カディス(5回)より少なくてリーグ最少。よく勝ってるな。レンタル選手も多いがボールに強くてよく走る。いいチーム。



●スタメン

・アトレティコ
オブラク
サヴィッチ / ヒメネス / アスピリクエタ
モリーナ / デ・パウル / コケ / バリオス / リーノ
グリーズマン / コレア

ジョレンテ出場停止、モラタメンバー外。

・アラベス
シベラ
ゴロサベル / テナグリア / アブカル / ラファ・マリン / ハビ・ロペス
ブランコ / ベナビデス / グリディ
キケ・ガルシア / ジュリアーノ・シメオネ

CBを3枚。サム・オモロディオンはベンチでキケ・ガルシアが1月19日のカディス戦以来のスタメン。




●前半

序盤から球際が激しくなった。ゴロサベルとリーノの空中戦の後、前から追いかけたグリディが2分に早速イエローをもらいその後もお互いにヒートアップ。さらにハビ・ロペスの振った腕がコレアの顔面に命中してこれもイエロー。

アラベスは5-4-1をベースにしているようでアトレティコのHV(サヴィッチ&アスピリクエタ)に人がつく意識。サヴィッチはジュリアーノ・シメオネ、アスピリクエタは概ねグリディが監視した。ブランコはセンターサークル付近に留まって5-1-3-1みたいな。5バックでWB(モリーナ&リーノ)に人をつけてアトレティコの配球ポイントを見張る設定で、アトレティコにとってはいわゆる"じゃあクオリティで突破しましょう"という試合で、アラベスはそれを"気合で止めましょう"という設定が上手いチームである。そして結果からわかる通り上手くいったのはアラベスだった。アトレティコは前進が上手くいかないならオブラクが早めに大外にぶん投げたりと「それは工夫とは言いません」程度の取り組みにチャレンジしていたが、ようは"普通には進めないです"という自己紹介を繰り返した。アラベスの思い切りの良い出足と圧力はCLの敗戦直後のアウェーゲームで少なくとも"ボールを持ってプレーしよう"という確認が事務的にでも為されているのはほぼ確実なアトレティコにとってその出鼻を挫かれるのに十分だった。こういう確認てやっぱりトップレベルでもしてるよね、きっと。同時にアトレティコの選手達にとっても気持ちを入れ替えて一度指示通りに動いておきますかという前半において、最悪な立ち上がりだった。


そして15分に失点。キーパーからのロングキックの流れで最後はベナビデスが決めた。ブロックは入っていたがほぼフリーのアテンプト。ドルトムント戦と似たような失点。流れの話をしても仕方ないが悪い流れだし、3CHが低く落ちすぎる悪癖ってそういえば2年前くらいにあったなという感じだが、失点が多いから我慢できなくてPA内に引きこもってしまうのは感覚的にはわかる。ただサヴィッチとヒメネスがいるのだからその辺は強く調整してほしかったな、という失点。個人的にはこれがきっかけで色んな事を整理できたら良いなという失点だった。意味はあったと思う。

そこから、アラベスはキケ・ガルシアを狙ったロングボール解決とその衛星になるジュリアーノ・シメオネのスピード&クイックネスで振り回された。ジュリアーノ、贔屓目無しにちょっと凄かった。サヴィッチが置き去りにされてイエロー対応になったシーンは絶望感があると同時にアトレティコで見たいプレーだった。あとキケ・ガルシアの空中戦は普通にフュルクルク。

アトレティコはアスピリクエタのビルドアップ貢献が引き続き不満。リーノとバリオスが生命線になりそうなメンツだったが効果的な配球はできなかった。前半途中でデ・パウルとバリオスの左右が入れ替わったのはそれが原因だと思われる。そのデ・パウルも何とかしようとするのはわかるが考えのないドリブル侵入で袋小路に飛び込んでボールを失い続けた。グリーズマンがどこでボールを受けるのか終始あやふやだったがそもそもリーノの突破以外可能性を感じなかったのでグリーズマンの出番はなかった。

気に入らなかったのはプレス回避で詰まった時で、詰まってる判断が個別にされた事。サヴィッチは蹴りたそうだったが受け手はどうだったでしょう。圧力が怖いなら蹴ってもいいが統一されないのは問題。コレアはロングボールを受ける体制になれていない事が多かったのでチームの設定は地上戦だったのではないか。設定なんてなかったのかもしれない。


●前半終了

0-1で折り返したが、逆襲の可能性はほぼ感じなかった。ジョレンテとモラタがいないのでペースを変更する選択肢もなさそう。こういう試合こそ0-0で通過するべきで、"良いシュートでしたね"で終わらせるにはあまりにも被害の大きい失点となった。

個人的にはこういう試合こそ選手交代を使わずに前半と違う事をやる姿を見たいが今季はそういう機会がめっきり減った。という事で後半へ。


●後半

アトレティコはデ・パウル→サウルを交代。

グリーズマンがどこに顔を出したら良いか、をサウルの位置で決めてしまうというのは仕組みの簡素化として有りな手法。ロングボールの的としても活用した。モラタがいないので。

57分にはカードをもらったアスピリクエタに替えてヘイニウドを入れた。ヘイニウドに高い位置を取らせて後ろをサヴィッチ&ヒメネスの2枚にする狙いだったが、後ろの枚数を減らす選択肢がヘイニウド投入、というのは大いに矛盾しているように思う。この起用法を想定してのハビ・ガラン獲得だったのは周知の通りだが、あまりにも機会が少ないですよね。

67分にバリオス→リケルメ。
リケルメ右、リーノ左でポケットに向かって走り始めた。押し込む展開を作ったところでゴール前に説得力がなかったこの日のメンツ。77分には右サイドを崩してリーノがフリーになったがキーパー正面。

81分にライハニがトップチームデビュー。おめでとう。長身FW。最前線で使われた。
そこからはトランジションを放棄して攻めたが特に説得力はなく、最後は試合を終わらせに出てきたリオハにスーペルなボレーシュートを頂戴して0-2。試合終了。



●試合結果

一度勝ち負けから離れたところの話をすると、この日のアトレティコは良くなかったね。良いサッカーをしても負ける試合はあるというのは当然の話で、この日は良くなかった。そして負けた。
良くない試合というのはもちろん減らせれば減らせるだけ良いわけで、同時に悪い試合でもPKの1点なりで勝つ事ができたら順位表の上の方にいけるね、という話でもある。
それがどちらもできていないのが今季で、それが看過できないレベルですよという話もわかりつつ、やはり防げる失点を防げないとこういう試合展開になってしまうなと。悪いなりにどうにかしようをプランする前に失点して選択肢を狭めてしまうのはやはりガッカリする。積み重ねられない日々のツケを払うような敗戦。

アラベスはこれで18位のカディスと10ポイント差。ほぼ残留を決めた。良いチームなのでシンプルに嬉しい。特にようやく初スタメンとなったジュリアーノ・シメオネは十分起用に値するパフォーマンスを見せる事ができた。よく考えたらプリメーラのスタメン自体が初めてだ。良い仕事ができた。大怪我もあったが来季に向けてアピールを続けたい。


4/21
エスタディオ・デ・メンディソローサ
アラベス 2-0 アトレティコ
得点者
【アラベス】'15 ベナビデス ‘90+2 リオハ


●ピックアップ選手

ライハニ
トップチームデビューの20歳。おめでとう。

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