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ここで惨敗をひとつまみ 29節 アトレティコvsバルサ(H) 2024.3.17

共にミッドウィークにCL Round16を勝ち進んだ両チーム。気分良く代表ウィークに入りたい。同時にバルサはアトレティコを蹴落としておけば来季のCLが大きく近づく。アトレティコは喰らいつきたい一戦。前回対戦。

ホームのバルサが1-0勝利。

●スタメン

・アトレティコ
オブラク
サヴィッチ / ヴィツェル / ヘイニウド
モリーナ / ジョレンテ / デ・パウル / バリオス / リケルメ / リーノ
モラタ

エルモソが負傷離脱。ヘイニウドが公式戦3試合ぶりの出場。コケとグリーズマンはベンチから。

・バルサ
テアシュテーゲン
クンデ / アラウホ / クバルシ / フォルト
フェルミン・ロペス / ギュンドアン / セルジ・ロベルト
ハフィーニャ / レヴァンドフスキ / フェリックス

カンセロが怪我でメンバーから外れてエクトル・フォルトがスタメン。最終ラインに17歳が2人。
クリステンセンがスタメンで発表されていたがウォーミングアップ中のトラブルでフェルミンに変わった。WGはヤマルがベンチから。



●前半

アトレティコは概ねインテル戦に似たオーガナイズ

リケルメがグリーズマンの役。バルサは後ろ3枚で設定しているのでその右側、クンデに対面する。バリオスはコケの役。
ハイプレスを選択したのはインテル戦の成功体験を追ったか、インテル戦同様、ボールを握って点を取りにいく必要があるという判断か。7分に早速ボールを受けに降りていったセルジ・ロベルトを捕まえてバリオスの決定機。結果的にはこれが入ったかどうかが結末を分ける事となった。

さて、アトレティコのハイプレスに真っ向から反対する気はないが、バルサ相手にインテル戦と同じ設定で良かったのかは疑問だ。結局ライン間でフェルミン・ロペス、レヴァンドフスキに何度もボールを引き出されて解決されている。ジョアン・フェリックスも同様にこういう位置でボールを受けるのが上手い選手。

5-4-1で受ける時間が伸びたアトレティコはそれなりの対応で撤退。バルサもベストメンバーからは程遠いのでどこかに無理があるわけでもなくそれなりに守り、22分にはジョレンテ→モリーナで単発で裏を取るなどもした。

徐々に圧力が掛からなくなり、クバルシの配球が止まらなくなっていく。35分にアトレティコの右サイドを進まれてピンチを招き、ここからバルサが押し込むフェーズを作っていった。ジョレンテがクバルシまで前進して守る事が正解なのかどうかがフワつく中で、38分にクバルシ→フェルミンの裏一発で決定機。さらにジョアン・フェリックスにポケットを取られた一連のプレーから人を捕まえきれなくなり、レヴァンドフスキ→フェリックスで先制点を献上した。

ここで言う"ジョレンテがクバルシまで前進して守る事が正解なのかどうか"というのは前プレの是非というよりこの日のコンディションを鑑みてプレスで保持時間を伸ばす考えは実行可能か?という部分。選手もそう思っていたのではないか。45分完遂するのは難しそうな中でその場凌ぎを選択しようとして止まらない箇所が出てきた印象で、この45分間だけを見ればメンバー選択の時点で負けていた感覚。あとの見どころは前半で退場したチャビ監督くらいなものであった。


●前半終了

0-1で折り返したが何をしても追いつける雰囲気はなかった。コンディション、モチベーション、心構えのどれを取ってもこの日は90分間インテル戦と同じ強度を望めるはずもなく、ハイプレスを設定した事が撤退位置の迷いを作った格好。仕方ないと言えば仕方ないが、前プレ必要だったかね、という結果論は議論が欲しい。インテル戦と同様にライン間ワークをやらせるようなプレス形になったのはどういう狙いだったか。バルサの土俵で勝負した印象はある。とはいえバルサも想定より調子良さそうだったけどね。



●後半

アトレティコは後半からグリーズマンとメンフィスを投入。

リーノとリケルメは併用されると2人して外へ外へ進むのは考えもの。そういう風に作られてる最中だから仕方ないが。

47分に早速デ・パウルのシンプルミスでレヴァンドフスキに抜け出され失点。ちなみに個人的な感想ですがレヴァンドフスキのシュートがポストに当たって跳ね返ってフェルミンが詰めていた場合「デ・パウルが最後まで追っていない!」とかなりそうなので入って良かったです。

出鼻を挫かれると何も出来なくなる今季のアトレティコらしく、この失点で完全に詰んだ。53分にジョレンテのジャストミートしたシュートをストップされたのがハイライト。なんのためだかわからんが60分付近にコケも投入。65分にはフェルミンにもう一発もらって終了。



●試合結果

よもやの0-3。惨敗となった。今シーズンのラリーガではホーム初黒星。ホームゲームの無得点も初めて。このスタジアムで3点差で負けたのも初めて。それと一応ラリーガでは連敗も今季初めて。

何故前プレだったのか、前プレは正解だったのか、は答えがないが、言える事はこのメンツでやる事ではなかったでしょう。インテルと120分やってきたサヴィッチ&ヴィツェルに負荷をかけ過ぎたし、リーノのキレも微妙。当然ジョレンテとデ・パウルも同様。低いブロックで耐える勇気もなかったがメンバーを落として戦う勇気もなかったのは割と残念。中途半端な印象が残ったが開始早々のバリオスのシュートが決まっていたら計画通りだったので何とも言えない。

何にせよ、これで5位に後退。CL権はまだまだ予断を許さない。ちなみに個人的には余裕だと思っている。

正直この試合のハイプレスはこの試合の勝利のためではなく、それさえもCLで当たった時のための実験だったのでは?という仮説だけ置いておく。抑えどころがテレビ画面でも割とわかったので。ライン間ワーカーね。代表ウィーク、しっかり休みましょう。


3/17
シビタス・メトロポリターノ
アトレティコ 0-3 バルサ
得点者
【バルサ】'38 フェリックス '47 レヴァンドフスキ '65 フェルミン


●ピックアップ選手

バリオス
好調。狙ったタイミングでボールが入るようになった感があるので本人より周囲の理解が進んだ結果かと。あとは守備。

リケルメ
グリーズマンタスクを与えられたのはおそらく本人の希望ポジションにも近く期待したが結果的にはガッカリ。チーム全体のスピード感もなかったので味方を使うアタックはできなかった。

ヘイニウド
久しぶりのスタメン。ハイプレス形で起用された試合は今季なかった気がするので戸惑いもあったかもしれない。立ち位置に迷ってラインを揃えられなかったシーンがいくつか。

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