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リピート率とか再現性とか高めにくい業種ってどうすればいいっすか?

売上げ=客数×客単価×購入回数(リピート)とはよく言うものの、簡単に売れないものを扱っている業種はどうする?、という話

とある現場で監督をしながら考えていた。

目の前で施工している案件は、先月初めてお問い合わせをいただいた取引先からのお仕事だ。そして、初仕事が完了していないにもかかわらず、追加のお仕事をいただいている。

このサイクルが回り始めればコンスタントに仕事の発注が入り、年間の売上げの数%を確保できることになる。

数年前、経営についてのお勉強に勤しんでいた頃、よく耳や目にしていた法則。

売上げ=客数×客単価×購入回数(リピート)

この法則を例に出す際に用いられるのは主に小売業や飲食業、サービス業であることが多い。例えば美容室でこの法則を用いるのであれば、広告などで1日の客数を上げることに注力し、カット以外の施術(パーマやトリートメントなど)で平均客単価を上げ、クーポンなどで再訪してもらう確率を上げていく、ということになる。

その他の飲食業、小売業でも内容は大差ない。単価が低い分、購買回数を上げなくては商売にならない。がしかし、単価が高い業種はどうだろうか。

私はこの法則を知ったとき、そもそも住宅などの高額なものを売っている商売は当てはまんなくね?と考えてしまった。とはいえ、高単価なものを単発で売り続けるのは至難の業、しんど過ぎて考えただけでも心が折れてしまう。

その当時の建設業界のトレンドは『リフォーム需要』であった。流行り始めたBtoC(Business to Consumer)という言葉にならって、一般消費者に向けて集客をし始めたのである。

弊社も最初の1年は一般消費者の獲得に精を出していたが、ふとあの法則が頭に浮かんだのだ。

売上げ=客数×客単価×購入回数(リピート)

成約につながる顧客の単価は10万~100万程度。しかも家の改築に伴う工事であるため、一度リフォームをしたら次の依頼はかなり先か、または最初で最後なんてこともザラにある。

しかも一般消費者で組める予算には限りがあり、100万円のリフォームを実行するのに吟味に吟味を重ね、他社との相見積りは当たり前、成約するまでの変数が多いにもかかわらず、競合他社が安売りに走るため、成約率が低い上に利益率も下がってくる。

一般消費者が100万円の買い物を頻繁にするわけもなく、なんとかもぎ取った利益の薄い100万円の仕事も無事に終われば、また違う顧客を探し出し獲得しなければならない。

早々にこの市場では商売が成り立たない、と撤退し、新しい市場に目を向けたのであるが、それは当時のトレンドの真逆を行くBtoB、法人相手である。

法人は元々数多くの案件を抱えており、その発注先を探している。そこにうまく食い込めれば安定的に案件が舞い込んでくるのだ。その単価も一般消費者とは違い、数十万円~数百万円、ステージを変えれば数千万円なんていう単発案件も十分に望める。

法人の取引先自体が案件の小さなプラットフォームとして機能していることもあり、エンドユーザーに直売りし続けるという徒労からは解放され、いかに取引先に価値提供をできるか、という点が安定的に仕事を受注するポイントになるのだ。

平たく言えば、案件を抱えている取引先に「ここは使える!」といかに思わせるかで、取引先数、つまり客数は増え、アピール次第で客単価は上がり、リピート率は勝手に上がっていくことになる。

発想の転換や視点を変えることで、高額商品でもこの法則は十分に当てはめることはできる。

自身の業界は難しい、とあきらめずにまずは現状を把握することで、糸口は必ず見つかる思う。私の場合、過去の案件で「この仕事が毎月あったら」と思えるものをピックアップし、そのような案件の出所を徹底して研究した。

どんな会社でも過去に理想に近い仕事や取引きをした経験はあるはずである。その案件をどうしたら高頻度で受注できるかを研究すると初動がつかめるかと思う。

自社のポテンシャルで獲得できる高利益の仕事を、どうしたら継続的に受注できるかを研究しよう


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