【手っ取り早い】たまに顔を出すという戦法
仕事だった日曜日、作業していただいた職人さんたちとの会話の中で持ち上がった「今年ヒマだよね?」という共通認識。
その場では皆がその認識を共有することで、自分だけではないんだという不思議な安堵感が生まれていたが、このご時世でも忙しい会社はあるし、儲かっている会社はある。
そして思うのは「不景気」という自分ではどうしようもない現象に飲み込まれるのではなく、あくまでも自社の現状を見てできることは何か?という問いにシフトしなければならないということ。
そんな折、父の代からお世話になっている小さな印刷会社さんが顔を出した。毎年お願いしている弊社の来年のカレンダーが刷り上がったということで届けてくれたのである。
たわいもない世間話をしたあと、すかさず年賀状の案内をして帰っていった。
父から会社を引き継いだ際、既存の取引きを見直し唯一継続したサービスがこの印刷業者の全般によるものである。
印刷物に関しては、それこそ今ではすべてのことがオンラインで完結でき、もっといえば印刷物そのものがペーパーレスの流れで縮小傾向にある。
見直したにもかかわらず、この印刷業者が残った要因はやはりマメな来社による御用聞きにあると思う。実際に「何かお困りごとはありませんか?」という御用聞きに何か新しいことを頼んだことはあまりない。
しかし、ザイオンス効果(単純接触効果)のせいか、頻繁に顔を合わせている業者さんに好感を持ってしまい、ついつい継続してしまっている自分がいるのだ。
この様な施策はDMやニュースレターなどのオンライン上でも可能だが、やはり顔を出されて世間話をするという効果は抜群である。
ヒマと認識して時間つぶしや現実逃避にパチンコや居酒屋に足を運ぶ労力があるのなら、ひいきの取引先に顔を出し御用聞きをするよっぽどマシである。
マーケティングや集客はハードルが高いという人でも、顔見知りの取引先に挨拶に行くことは難しくないと思う。
手ぶらではちょっと、というのなら新商品のカタログやそれこそ自社のカレンダーでもいい、小脇に抱えて伺えば突然の訪問にも理由がつくはずだ。
営業は苦手という人もいるだろうが、要は持参したものを置いてくるだけでいい。目的は顔を見せ、思い出してもらうことにあるのだから。
私は経営を引き継いだ1年目、やはり何から手をつけていいかわからなかった時期に新しい商材やカタログを持参し、取引先を回ったことがある。
そこでありがたくお仕事をいただいたこともあったし、なにより顔を売るという意味では効果があったと思っている。それで商売が上向きになったとはいわないが、やらないよりはよっぽどマシだったと今でも思う。
印刷業者さんほどマメにとなるとむずかしいと思うが、とりあえず一度取引先を回ってみる、というのは思いのほか有効だ。
目の目に刷り上がった新しいカレンダーがある。私も届いたカレンダーを持参して、数年ぶりに営業に行ってみようかと思っている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?