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【目標設定】自分が登る山の設定にもセンスが必要

成長や前進を目的とするために設定する目標と、獲得したいものを手に入れるための計画、どちらも初期設定でのセンスがある程度必要、という話

世の中の中学生男子がこぞってドハマりしている、と思われるオンラインゲーム。我が家の愚息(長男)もその一人なのだが、最近そのオンラインゲームに関する身分不相応な代物をご所望の様子である。

私はゲームの類を一切やらないので詳しくはわからないが、今は多種多様なゲーム機があり、端末もスマホからはじまり一番高機能なモノになるとゲーム専用のパソコン、その名もゲーミングパソコンなるものがある。

プレイするにはあらゆるスペックの観点からゲーミングパソコンがもっとも適しているとし、スマホやニンテンドースイッチなどの端末から触りはじめたゲームは、より高いスペックや操作性を求めてやがてはゲーミングパソコンに行きつくそうだ。

その価格は様々だが、安いもので10万円前後、高いものだと50万以上もするものまである。大人でも趣味としてプレイするのだ、そのくらいの価格設定でも購入する人はいるのだろうが、昨今、ユーチューバーの影響などもあり、ゲーミングパソコンはゲームを愛するティーンにとっては憧れの一品なのである。

性格上、我慢するのが苦手な長男が30万円するというゲーミングパソコンを手に入れるための計画を聞いてほしい、というのでひとまず耳を貸してみたのだ。

まず来月いただけるであろうお年玉にプラスして、毎月のお小遣いを一切使わず貯めるのだという。彼の計算だと、およそ4年程度で貯まる予定なのだというが、物欲が高まりすぎて冷静な判断を欠いている。

極端な思考過ぎて悲しくなるが、はっきりと伝えることにした。

「それは無理ゲーです」

まず、毎月の小遣いの金額は普段の友達付き合いや日々の生活にかかる諸費用が含まれて設定している。

それらのかかるであろう経費を一切かけずに1ヶ月を過ごすのは、家計の中で生活費を浮かすために極限まで自給自足を強いるのと同じだ。水を公園から汲み、明かりはロウソク、ガスは火を活用するぐらい極端な話である。

そしてまず、初期設定である30万円という価格帯をもう少し低く設定する必要があり、これでは平均的な新卒サラリーマンが一人暮らしをしながらフェラーリを購入するくらい高いハードルだと感じたのだ。

自己の成長を見据えた目標設定なら、志は高い方がいい。がしかし、欲望の獲得に関してはまず、確実に手に入る許容範囲というものを把握する必要があるのだ。

欲しいものができたのはいい。それを手に入れる方法を考えるのも問題ないだろう。

そこから切り替えるのは、お小遣いの中で破綻しない程度の節約と貯めることのできる最低限のお金の確保である。それを確実に毎月積み上げたのちに手に届く金額の成果物を設定するのが理想だろう。

毎月節約して一定額貯金するだけでも結構むずかしい、それを数年にわたって実行するのは思っているよりかなりハードだ。その前に欲求がしぼんでしまうか、試行錯誤してでも手に入れるか、いずれにせよそのプロセスこそが一番の成果物だと思うのだ。

だが息子よ、お前が欲しているパソコンより安いデスクチェアーをポチるのさえ震えた父だ、もう少し緩やかなペースで欲求を昇華してほしいと願うのは贅沢な事だろうか?

あまりに現実的ではない計画は、もはや空想である


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