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今何故江戸時代なのか?

昔から、現代の中央集権型の資本主義社会の行き詰まりに対して江戸時代を見習った方が良いといった話は幾度となく出ていたかとは思いますが、
今また何故見習った方が良いのかを改めて考えてみると、大きく4つのポイントにまとまりましたので列挙してみます。

①サスティナブル、エコな暮らし


江戸時代は衣食住の生活習慣から街の作り、家の概念に至るまで自然エネルギー(太陽エネルギー)を基礎に、無駄なく、捨てる事なく、循環型で代変わりしても受け継いでいけるようなサスティナブルな生活文化が根付いていました。

服は長く大切に、作業着などはボロボロになっても布を継ぎ足して補修を重ね、それが逆に味わい深くて良いといった美意識がありました。
着物は子の成長に合わせて丈が伸ばせるように予め余分な布を中に隠しておく作りをして長く着たり、最低限の裁断しかしない為に布のゴミが出ず、ほどいて洗えば長方形の布に戻って仕立て直す事も出来、世代を超えて受け継がれました。
布はボロ雑巾になるまで徹底的にリサイクルされ、燃やした灰までも余す事なく徹底活用されました。

家も釘を使わない組み方で、基本敷石の上に置いてあるだけなのでバラして移築する事も出来、傷んだ部分を掛けついだり交換して直せば100年も200年も住み着いでいけるように作られていたのは現存する古民家が証明しているところでもあり、最近では逆に価値が上がってきています。

②地方分権


朝廷と幕府という2つの権力と、基本的には江戸幕府の中央集権の元にあった社会ですが藩による独立的な統治があったので、幕府の元に沢山の国がありました。

現在も地方分権、地方創生の必要性が叫ばれているものの、国からの財源に依存する部分が大きく、難題を抱えています。
地方都市はどこも似たような街並みやチェーン店に覆われ個性を失っている面も見受けられ、周辺では過疎高齢化の問題を孕んでいます。
首都一極化がもたらした弊害に悩みつつ、首都のもたらす恩恵にも依存するジレンマがあります。

また大阪都構想など首都機能のバックアップなどが議論される中、参考にできる部分はあるのではないかと思います。

③ほぼ100パーセントの食料自給、エネルギー循環


基本的には鎖国体制が250年も続いていたのでそれも当然で、エネルギーはほとんど全て太陽エネルギーで発電所すら無い訳ですからそれも当然なのですが、それでいけちゃう文明の在り方を現代で見直す価値はあると思います。
現在の日本の食料自給率は37%程
エネルギー自給率は12%程。
大半を輸入に頼っている状況下で、
国際情勢の混乱による物価の高騰、原油価格の高騰等は生活の大きな負担になってきています。
食料を自給していくにはどうすべきか、エネルギーを自給するには、そもそも使いすぎない為にはどうすべきか、見直す必要があるのではないでしょうか。

当時でも世界最大級の都市だった江戸でも全てがオーガニックで循環していたという事の価値はとても大きいのではないかと思います。

④シェアリングエコノミーの充実


現代でこそシェアハウス等が失われつつあったコミュニティを取り戻すなどして人気が高まっていますが、江戸時代における「長屋」(一棟の建物を仕切って分割した住宅)はまさに現代でいうシェアハウスやテラスハウスのようなもの。
共用の設備を利用し、住民は物を多く持たず、レンタルショップ(損料屋)を活用していました。

近年カーシェアも定着してきて、シェアリングエコノミーは最近の風潮なのかと思いきや、江戸時代にもあったのです。

このように現代が抱える課題や目標に対して実現をしていた江戸時代。
現代には学べる部分が多いのではないかと改めて注目しています。

重要だと思うのは、後退するのではなく、過去から学び、環境が大きく激変した現代に合わせた形に活用出来ることだと思います。
現代にとっても一つの指針になり得る文化が既にあったという事は有り難く思います。

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